第14話 新天地
クルエの話しによると、あの男はアナスタシア・パップル。
種族はセイレーンであるらしい。
え、セイレーンってあの美少女種族の?
と俺は最初思った。答えはYesだった。
セイレーンの中に男として生まれてしまったせいで気持ち悪がられ一族を追い出されたらしい。
彼には水場移動というスキルがあり、ある一定以上の水場に瞬間移動できるらしい。
そのスキルで辿り着いたのが、この泉であるらしい。
でもって、落ちたことで彼に新たな力が宿ったそうだ。
それが『死の炎』、森を焼き尽くした炎だ。
彼はセイレーン特有の『水上の誘い』と『死の炎』を使って魔王になりあがった。
しかし他の魔王とは違い、部下を持たない。
彼は群れを嫌うのだ。
「これからどうする」
「せっかく自由になったし、どこか景色の良い場所に行きたいわね。あんたのスキルもあるし」
森が燃えて一か月が経過した。
俺達は泉の森から5日かけて『千花の大地』にやって来た。
ここはその名の通り、多種多様な花が咲く絶景の地である。
俺達はその中でも毒性の強い花の多い場所に家を建てた。
理由は、安全性、人が寄り付かない、花が美しい。
以上だ。
そんな場所だから、安全を配慮して床の高い家を建てた。
俺もクルエもその景色には満足している。
ただ問題が一つあった。
食事である。
ここらは動物どころか魔物すらいなく食べ物が手に入らない。
俺はこの大地を下った先にある街『エフロウ』に出かけて食べ物を買っている。
え、金?
それはだねえ、ポーションや回復薬を売って稼いでいるのです!
毒性のある花を使ってクラフトするとあらびっくり、凄いのが出来上がる。
毒は適度に使うと薬にもなるんだな。
最初は街の人に怪しいとかいろいろ言われて雲行きがあれだったけど。
これでも今では有名人!
この街は最高でもAランクのギルドしかない。
でもそのギルドや他のギルドの人がたくさん買ってくれる!
「よお、あんちゃん。今日もいつものでいいかい?」
「頼むよ」
俺はデカい魚 (メザネというらしい)と肉を買って帰った。
野菜は安全な花を使う。
非常に満足な毎日である。
そんな幸せな日は、そうは続かなかった。
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