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天才同士の戦い 『白鯨』VS『閃光』

作者: 三津熊人

 静音からのハグを振り解き、反対側に立つミシェルと礼を交わすと帯刀してから一歩。境界線を跨いで試合場へと足を踏み入れる。

 先程まで副将戦が繰り広げられていた空間に揺蕩う戦いの残滓、試合の熱気が残っていた。

(がんばったね、静音。偉いよ)

 心の中で奮戦を労い、微かに残る熱戦の空気を頬に感じながら開始線にて蹲踞で構える。

 大将戦


 赤 掛川 ミシェル

     対

 白 鯨魚 凪


 開始の号令が掛かり、鳳翔と優仁との最終決戦が始まった。

「キアアアアアアアアアアッッ!」

「ヤアアアアアアアアアアッッ!」

 正眼に構えた凪が動く。正対したミシェルに真っ直ぐ、僅かに腰を沈めながら膝で足を捌く足攻め。

 膝頭で相手の身体を押し上げるイメージで捌く。すると相手は腹の底に圧力を感じ、突き上げを喰らったように錯覚する。

 まずは対峙した相手がする反応の見極め。そこから試合の展開方法を考える。

(さあ、どう出―――)

「突きッ!」

 片手突き。遠間から伸びて来たミシェルの切っ先が逸れて面布団越しに首元を掠めた。

 剣士としての本能か、無意識に鍔元で相手の竹刀を擦り流して防いでいた。事前情報のお陰で助かった。でなければ――、

「―――っ」

 堪らずバックステップで距離を取る。

 戦慄にゾワリと総毛立って皮膚が粟立つ。身体が凍えるように寒いのに毛穴という毛穴からブワッと噴き出す脂汗。一瞬にして全身に不快感が纏わり付いた。

 ミシェルが油断なく追撃して来る。恐慌を宥める暇も無い。

(こんの―――っ)

 負けじと凪も前進して間を詰めた。

 ここで守勢に回るのは悪手。相手に付け入られ主導権を握られるだけ。ならばこそ、リスクを冒す必要がある。

 触刃の間で先革同士が触れ合う。最速の剣巫はここからの攻め寄せが抜群に速い。故に逃げるという選択肢は存在しない。互角以上に渡り合う必要があった。

 互いの竹刀を擦り合わせて鎬を削り合い、相手の中心を奪い合う。

 そんな中、脳裏に過るのは省エネ剣道の習い始めに言われた顧問からの言葉。

『剣道の試合競技に於いて、最善手は常に正々堂々の真っ向勝負である。何故なら剣道は最終的に、心と心の鬩ぎ合いに収束するからである』

 常に相手の得意とする所で勝負する。自信があるから相手は乗って来る。そして、互角に渡り合えば相手は必ず無理をして来る。その無理こそ、付け入るべき隙となる。

 可憐が静音に勝てなかったのは、静音の自意識が打突ではなく渡り合いにこそあったのを見落としていたから。だからこそ、静音を崩し切る事ができなかった。

(やっぱ上手いな……)

 獣の取っ組み合いの様に目まぐるしく空中で竹刀の場所が入れ替わる。互いに中心を取り切れていない。膠着した拮抗は、薄氷の様に儚げで心許ない。だが、凪にはそれで充分。

 肺活量には自信がある。このまま無呼吸で高速の太刀捌きをしても身体は付いて来る。

 しかし、ミシェルはそうもいかない。どこかで打突に行かなければ先に酸欠で太刀が鈍る。

 だが、彼女は逃げない。剣先の差し合いには彼女の自意識、矜持が詰まっている。

 何故なら、フェンシングで何度もそれを制して来たから。だからこそ、絶対の自信を持つ。

 既に状況は凪が主導権を握っていた。後は相手が無理に打突するのを待てばいい。

(でもね――)

 『白鯨』の剣巫はこの現状に満足しない。寧ろ状況を動かす。不意に剣先を下に外して相手を呼び込む。相手が一歩踏み出した瞬間、下からの払い上げ。手の内を利かせ振り上げた剣先に弧を描かせる。

「「面――――ッ!」」

 相面になるもお互いに首を捻って直撃を回避。決まると思ったタイミングに合わされた。

 突きの様に直線的で剣先の振り幅が少ない面打ち。鋭い手首の返しで打突強度を出せる彼女ならではの技。

 改めて『閃光』の異名は伊達ではないと悟る。

 鍔迫り合いはせずに縁を切り、遠間で対峙し合った。

(右回転――)

 ミシェルの打突は骨盤の旋回によって横向きの遠心力が刀身に加わり、それによって剣速が通常の打突よりも上がる。ただでさえ天性のバネのある彼女にとってそれは正に鬼に金棒。

 遠間は左回転、近間は右回転を掛ける事で間合いを問わない。

「突きッ!」

(――っと……!)

 足攻めで踏み込んだ瞬間、遠間から再びの片手突き。突いて来る――と思った瞬間、突きに来た。仰け反りながら辛うじて鍔元の表鎬で擦り上げる。本当に起こりが解り難いし射程も良く伸びる。打ち終えるとすぐさま手元に竹刀を引き戻して諸手で柄を持つ。そして、

「面――――ッ!」

 面抜き引き面。

 ミシェルが追撃の面に来た所を引き面で合わせるも躱されて不発。間合いが大きく空いた。

(上段の定石……)

 警戒心が薄い遠間での起こり端を狙って片手技を見舞うのは上段の常套手段。

 ならば、そこをやり過ごせば良いだけ。難しい事じゃない。

(―――って)

 不意に視線が吸い寄せられて目を向けると、静音と輝咲がイチャついていた。

 それを見ていると腸が煮えくり返り、思わず床を踏み鳴らし怒号が如き気勢を轟かせる。

「チッ!」

 思いっ切り舌打ちをしてからミシェルに振り向くと、二人の白々しい声援が聞こえて来た。

 全く、こっちが死力を尽くして真剣に試合をしているのに。

 終わったら小言の一つでも言ってやらないと。そうでもしないと気が済まない。

(まあいい、考えないどこ……)

 溜め息を吐いてから試合に意識を集中させる。その間、ミシェルは気を利かせて待ってくれていた。日本の侘び寂びを理解するいい子だ、本当に。

 感謝しつつ気を取り直して遠間で構え合う。

 ここからがミシェルの領域。踏み越えるため喉元を鍔で庇いながら進み出る。切っ先が一瞬だけ反応したが、その後は何もない。守勢に回るのは癪だが勝てなければ意味がない。

 遠間の攻撃をやり過ごし間合いは触刃。剣先を擦り合わせるとミシェルが間詰め。上太刀から刀身を左に傾いで擦り下げようとすると、

「突きッ!」

(――――っ?)

 飛び込み突き。竹刀同士の接点を支点に剣先を擦り込み、切っ先を強引に捻じ込んで来た。 咄嗟に手首を返し擦り上げて狙いを逸らす。

 鍔がかち合うゼロ距離からくるりと身を翻して交刃の間にて対峙。今度は中心から刀身を外すため、裏から擦り下げようと――、

「突きッ!」

 擦り下げが間に合わず二度目の突きが来た。これも中心から逸らして辛くも回避。再び鍔迫り合いから身を翻し構え直すと、小さく左開き足で射線を躱し距離を取る。

「突きッ!」

 追撃の裏突き。鍔元でそれを受ける。手首の回転。それによって凪が鍔元に掛けた力を受け流された。が、首を捻って辛くも躱す。それでも背筋が凍り付くには十分過ぎた。

 『螺穿』。ミシェルの十八番。フェンシングで鍛えられた強靭な手首のなせる業。

「面――――ッ!」

 引き面を打って大きく距離を取った。

 構えが防御の体を成していない、崩されたわけでもないのに。

(くっ―――)

 凪は顔を顰めて奥歯を強く噛み締める。これで防御に意識を向ければ相手の思う壺。相手の切っ先に意識を集中させても後手に回るのがオチ。

 フェンシング剣道の神髄、ここに極まれり。

 いつの間にこんなに強くなったのか。驚嘆の感情を禁じ得ない。

 完全に主導権を握られている。状況を打開する必要があった。

(落ち着いて。まずは呼吸――)

 そんな暇を与えてくれる筈も無く、ミシェルは切っ先を突き出し突きの色を見せながら間を詰めて来る。

 先革に目が自然と吸い寄せられてしまう。凪は殺気に凍て付く刺突剣フルーレを喉元に突き付けられている気分を味わい、ゾクリと戦慄が背筋を駆け抜ける。

(ああ、もうっ―――)

 打開の目途は立たない。それでも活路の端緒は掴んだ。まずは呼吸、相手の呼吸を掴むのが肝要。状況に流され疎かになっていた仕事に取り掛かる。

 居着く事無く細かく足を捌き狙い定めて片手技を打つ暇を与えず、遠間の距離を保つ。

 その中で相手の呼吸に意識を集中させた。が、息を潜め呼吸を悟らせないのは剣道の定石。 呼吸の把握は死活問題。そう簡単に出来たら苦労しない。だから、仕掛ける。

 一瞬、足を止める。ほんの少し、溜めを作ってから再び足攻め。

「……っ」

(掴んだ)

 片手技への意識が向いた瞬間に足攻めが合致。不意を突かれスッと小さく息を吸った所を細かく攻め寄せ、突きの色を見せ畳み掛けた。

「~~~っ」

 ミシェルは堪らず鍔元で自身の突き垂を庇いながら間合いを切る。その引き端へ―――、

「面――――ッ!」

 片手面。両手を突き出し刀身を立て、そこから右手指で柄を押し出しながら左肘を入れ込み左手の内を利かせて剣先を走らせた。

 顎を跳ね上げてそれを防がれた。その反動を利用して左手を上方に引き上げ、肩甲骨を大きく開いて柄を頭上に引き戻し左上段。右手で柄を握り直すと右上段へと変化。バックステップで逃れようとする。逃がさない。中段に戻しながら追い縋る。そして間合いは遠間。

「……………」

 もう片手技を打って来たりはしない。片手技で意趣返ししたし、当然だろう。だが、既に呼吸の端緒は把握した。

 沈み込む様な足攻め。晴眼で突きの色で攻め重ね相手に一瞬だけ窒息させる。

 対抗して相手も攻め寄せ間合いは交刃。両者が動いたのはほぼ同時――、

「小手――――ッ!」

「面――――ッ!」

 跳び込み小手に対し返し引き面。大きく頭を躱され不発。

 間合いが切れたが互いに間詰め。交刃の間合いまでどちらともなく、再現映像の様に同じ流れをなぞる。そして―――、

「「面――――ッ!」」

 相面。打突は縺れ合い鍔迫り合いへ。そして、面金越しにミシェルが大きく目を見開いた。

 それはそうだろう、突きの攻め色に片手面と小手返し面。逃げ道は既に潰して置いた。

 細工は流々、

(さあ、溺れろ――)

 打突の濁流に。

 左開き足でミシェルの右側面に回り込もうとするも阻まれる。が、注意が体捌きに向いた隙を突いて首元に剣先を宛がった。竹刀を押し込みながら右開き足で右旋回。上体が僅かに泳いだ瞬間に引き面。すぐさま体勢を立て直し間合いを詰め、

「「面――――ッ!」」

 出端の相面。互いに首を捻って回避。右足をその場で踏み込んでいた凪は裏手に回り込んで返し面、そこから矢継ぎ早に抜き胴。体を切り返して逆胴。

 決めきるまで止まらない。何度でも打つ、何度でも。

 打突の奔流の真っ只中に居ながら、凪の心は穏やかに凪いでいた。

(静かだ……)

 打突音も鼓動も、凪の耳には入らない。

 それはまるで、朝靄に包まれながら朝方を迎えるような森閑とした湖の、それらを映し出す明鏡の如き湖面の様な心持ち。

 相手を俯瞰し隙を察知し、感じるがままに打ち出でる。

 領域ゾーン。競技における理想的な心理状態。その境地は、酷く現実感を喪失させる。

(あれ―――?)

 床に転がるミシェルを見て不思議に思った。

 いつの間にか、止めの号令が掛かっていた事に気付く。

 現実に引き戻され、逆胴の直後に放った小手突きの二連撃。その突きを躱すため上体を泳がせた結果、ミシェルが転倒し試合が中断した事を思い出した。

「大丈夫?」

 上体を起こしたばかりの彼女に手を差し出す。優しさからではない、飽くまで観察のため。

『鯨波』の効き具合がどのくらいか見るための。

 よくそんな事ができる。自分の行動ながら他人事みたいな感想を持った。

「あり、がとう………」

「いいよ、別に」

 肩で呼吸するミシェルは息も絶え絶え。効果は覿面。あと一回食らわせたら一本取れる。

(あ、そうだ)

 開始線に戻る途中、失念していた事を思い出す。

 今回の試合稽古は鯨波の改良型。それを試す予定だった。試す相手の実力が高ければ高い程実戦での耐久度が解るというもの。この機を逃す手はない。

 再開の号令が掛かる。再度気勢を轟かせ膝頭から攻め上げた。

 対するミシェルも、警戒心を露わにジリジリと詰め寄る。

(ふぅん………)

 逃げるでもなく、打ち急ぐ事も無く手堅い。その落ち着き振りには凪も感心した。

 だが、関係ない。今度こそ息の根を止める。真っ直ぐに足で攻め上げ、

「面――――ッ!」

(―――っ)

 跳び込み面。触刃の間合いまで接したかと思ったら速攻で詰め寄り打突を放った。

 正眼から突きの攻め色で牽制し、一瞬だけ凪の息が詰まる。その刹那、打突が来た。

 『閃光』。彼女の代名詞とも言うべき技。高速の攻め寄せで加速し、腰の旋回で繰り出す超速の打突。そのまま鍔迫り合いをせずに駆け抜けて行く。交錯し通過した後に反転し対峙。

 一撃離脱戦法。以前、防御を固め打突部位を限定し誘導してから応じ技で仕留めた。

 通じない戦法を何故今、敢えてやるのか。意図が解らず訝しむ。

 打つ手がないからこその苦し紛れ。そう判断するのは容易い。だが、過小評価せずに鯨波に飲み込む算段を考える。

 間合いを詰め合い遠間から触刃。そこで気付く。ミシェルの狙いに。

(しま―――)

 気付いた時にはもう交刃の間に入られていた。その刹那、彼女は凪を目掛けて跳んだ。

「面――――ッ!」

 擦り流しの打突。咄嗟に首を傾いで直撃だけは回避。こめかみの辺りに鋭い衝撃が走る。

 安堵よりも戦慄に肝を潰した。領域は既に解けていた。

(くっ―――)

 忸怩たる思いで彼女の背中を目で追った。

 このままでは不味い。一方的にやられる。先革が振れるか否かの遠間で、的を絞られない様に淀みなく足を捌く。募る焦燥感。打突に逸る気持ちを必死に抑え付ける。

 しかし、間合いを盗まれ触刃の間合いへの侵入を許す。中心から外すため太刀を大きく捌くと、擦り流されて凪の剣先が下に逸れた。

(~~っ)

 打たれる。恐怖に衝き動かされ、慌てて右開き足から竹刀を振り上げ防御姿勢。その崩れをミシェルは逃さない。左開き足で追って正対し瞬時に間詰め。竹刀を小さく振り上げる。

「「小手――――ッ!」」

 小手抜き小手。凪は前に沈み込む様に重心を落とし、竹刀を立てながら小手を躱し打つ。

 体を開いて正対された際、左足が残っていた。それを起点に打突を放つ事で相手の小手打ちを躱した。

 相手の打突速度を計算しての打ち。だが、外した。ミシェルは寸での所で腕を引き上げた。

 そのため先革辺りにしか手応えがない。一本には不十分。

 互いに振り向き遠間で構え合う。警戒し合って中々距離は詰まらない。

 その間に呼吸を整える。何故ならそれは心理状態に直結し、深く長い呼吸は心を安定させるから。汗が吹き出し熱の籠った面の中で肩を上下させないよう、注意深く呼吸する。

(あ、そうだ―――)

 呼吸に意識を向ける事で思い出した。今日、静音に教えてもらった技の事を。

 もしかしたら不意を突けるかもしれない。そう思うと恐怖に冷えかけていた心に情熱の火が灯り、俄然やる気が出て来た。

(よしっ)

「キアアアアアアアアアアッッ!!」

「ヤアアアアアアアアアアッッ!!」

 自分を奮い立たせるために再び気勢を上げると、ミシェルも負けじと吼えた。

 警戒から一転、両者攻勢に出る。間合いは触刃。試合場内の中央で淀みなく剣先と足を捌き合う。そして、凪が僅かに沈み込みながら大きく右に開き足、ゆったりとした動きで。

 先回りするミシェル、構えは正眼。その刃下に刀身を隠しながらゆったりと出足を出す。

 息を止めず、寧ろ吸いながら。交刃まで入った瞬間、重心が投げ出され瞬時に加速した。

「面――――ッ!」

 吸い込み払い面。振り上げによって相手の竹刀を払い、そのまま面に伸びて行った。

 間合いが接すれば、打突の兆候を知らせる呼吸を悟らせないのが定石。それを逆手に取る。

「………っ」

 辛うじて首だけ捻って直撃を避けた。

 常なら天使のように天真爛漫な笑みを浮かべる少女は、予期せぬ奇襲に顔を顰めていた。

 好機。

(喰らえ――)

 打突の濁流を。

 逃れようとして間合いを切ろうとする相手の竹刀を打ち落として面。鍔迫り合いになって至近距離からの引き小手。そして、

「面――――ッ!」

「胴――――ッ!」

 面返し引き胴。しっかりと腕を突き出し手前で相手の太刀を受け、右足を着いて回避し辛い瞬間を狙って引き胴に斬って落とす。上がる白旗三本。胴有り。

 『鯨波』の改良型。

 相手に技と打たせる機会を作り、打ち損じて酸欠に拍車が掛かった所で更に多段打ちを喰らわせ、より確実に仕留める。

(もっと組し易い相手だったのに。本当に強くなった……)

 開始線に戻る際、そんな事を思った。

 一本取ったからと言って、安堵など以ての外。

(もっと、強くならないと……)

 今回は片手突きの使い所がまだ詰め切れていないから取る事ができた。

 しかし、来月以降の大会ではそこを改善して来る筈。

 武器が必要だ。吸い込み打ち以外にも。

(さて、と―――)

 それよりも、まずは目の前の試合に集中。

 二本目開始の号令が掛かり、三度気勢を吼え上げる。

 だが結局、ミシェルが意地を見せ二本目を取る事は叶わなかった。

 二勝二敗一分け。対優仁戦は引き分けに終わった。


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