人間の賞味期限
「ぺろぺろぺろぺろ」
「やめろって」
「ぺろぺろぺろぺろ」
「やめろやめろって」
ご主人様のほっぺたをぺろぺろしていると幸せだ。
やめろとは言いつつも、あまり嫌がってない。
いつまでぺろぺろできるだろう。
僕が死ぬまでだろうか。
「ぺろぺろぺろぺろ」
「ほんとに、やめろ。怒るぞ」
ご主人のほっぺはいつも大体同じ味だ。
そろそろ飽きてもおかしくない。
「ぺろ……ぺろ……」
「お、ほんとにやめそうだ……別にもっと続けてもいいんやぞ」
飽きた。
もういいや。
僕はご主人様を頭からぺろりと丸呑みにした。
終わり