湖で…恋バナ?
また魚を釣り始めるけど、レンの竿には全く当たりがない
「私がここに居るのに全然釣れない人なんて初めて見た」
「何それ」
「ん?ほら、ゲンさん達見てよ。今魚、いっぱいいるんだよ?」
エンデも、黙々と釣り上げている。竿を上げると、餌だけ食べられていた
「下手なの?」
「…うるさいなぁ。僕は、釣れなくてもぼうっと出来る時間があればいいの。だいたい、魚が集まってるとか、分かる訳ないし」
「イリスはそうなんだよ。魚ホイホイ」
「ガッツさん、違うよ。私は動物に好かれやすい人なの」
「そんな事…!」
どうやらやっと当たりが来たようで、慌てるレンを、エンデが手伝っている
「やった…初めて釣れた!」
「だろう?坊ちゃん、イリスに感謝してくだせぇよ」
「良かったね、じゃあ私、そろそろ帰るね」
「頼む、もうちょっと。エンデが馬車に乗せてくれるから。余ったら教会持ってくし」
「いいの?ていうか騎士の人だからお金持ちなの?」
「何故、騎士だと?」
「だって先輩、有名人だし。主に女子の間で」
エンデは、溜息をつく
「嬉しくないの?」
「騎士の職務に勉強。今はそんな事にかまけている暇はない」
「そっか…大人になったのに、好きな人とか居なくても、別にいいんだよね」
「何だ?それは」
「うーん、恋って分からないのは、子供だからって訳じゃないよね?」
「それは、お前だからではないか?」
レンが思わず吹き出した。
「ちょっと、全否定はかわいそうだよ」
「…すまない。なんとなくそうなのかな、と」
「そっか」
「え、納得しちゃうんだ」
思わず突っ込んだレンに
「だって、そういうものでしょ?」
「そうだな」
常識のように語られ、レンは何とも言えない気分になった