採取、そして… 4
もう一日掛けて採取を続け、これからどうするかを決める
「ダグラスの剣は無くなっちゃったし、シスカさんは本調子じゃない。残るは魔鉄だけど」
「はぁ…今回は諦めるか」
溜息つくダグラスを見、女子達は顔を見合わせる
「その方が無難ね、ごめんなさい」
「いや、謝らなくていいって。アレだろ、熊の魔獣の報告もしなきゃだし、魔鉄の出る洞窟は、盗賊が出るって噂もある。値段に拘らなきゃ魔鉄製の剣も買えるし」
「じゃ、熊の毛皮譲ってあげるよ。あれだけ丈夫ならいい値つくと思うし」
「?!イリスが優しい!!明日は嵐か!」
「アンタは人を何だと思ってる訳?」
「まあまあ、落ち着いて」
すかさず止めに入ったエリーに、イリスはちょっと笑った
「まあ、今回私ばっかり得したみたいだし」
「そんな事ないわよ。イリスが居なかったら誰も生きてなかったかも…私も、自分の力不足を充分知れたわ」
「私も」
「二人ともやめてよ。私も今回は運が良かった」
偶然トレントの枝を見つけてなかったら、乗り切れなかった
「この枝、かなり長いからエリーにも単杖、作ってあげるね」
「ありがとう。お礼は蜂蜜飴で」
「プラスフレンチトースト!」
* * *
後日、調査の為に皮と魔石は騎士隊に摂取された。多少の報償は出たが剣を買い換えるのには全く足りなかった
「割に合わねえっ!」