6話「探索と初戦闘」
〜前回のあらすじ〜
《生活魔術》を手に入れた! これで勝つる。
初めて魔術を使った。火がついただけで感動する日が来るとは……。
釣った魚を焼いた。思ったより美味しかった。
さて、ログイン3日目。
今日も本は一冊読むとして、他のことは何をするべきかな。
とりあえず昨日のお陰で、ある程度、食べ物も何とかなりそうなのがわかった。
魚、美味しかったなぁ。
またそのうち、釣りに行こう。
《釣り》のレベル上げたいし。
話がずれた。
そんなわけで、食べ物は後回しにできる。
だから、今日の行動としては「探索」か、「調合」か。
「探索」は、食べられる物を探したり、人里を探したり、何か使えそうな物を探したりする感じ。
畑も作りたいし、食べられる物で、植えて栽培できるものがあればベスト。
けど、モンスターとかがいる可能性もある。
食べ物が見つからないうちに、デスペナ食らうのはまずいから……どうしたものか。
「調合」は前回、薬草を乾燥させて水に溶かして、濾過すれば回復薬になるんじゃ、って試そうとした続き。
前回、そもそも、薬草を乾燥させるところで躓いた。
流石に日も変わって、外に干した分はもう乾燥してるから、魔術が使えるようになったのとは関係なく、問題は解決できてる。
すぐにでも試作はできる。
「ん〜、どうしよ」
とりあえずは本読みながら考えよっかな。
◇◆◇
《条件達成によりSkill《言語Lv.1》に情報が追加されました》
《経験値を獲得しました》
「ふぅ、終わったー」
今日読んだのは「小鬼族」についての本。
小鬼族、ゴブリンとも呼ばれるこの種族は、この世界にはおいては妖精、亜人の一種として扱われるらしい。
これ、知らずに襲いかかったらヤバイのでは?
今回本を読んだことで、その特徴や言語について、ある程度情報を知ることができた。
他の人がどうなるかは知らないけど、これで無意識に一種族と敵対することが無くなって安心だね。
「さて、使う機会が無さそうな情報は置いておいて……今日はどうしよっかなぁ」
本を読みながら考えたけど、結局特に決まらなかった。
まぁしょうがない。
「んー。まぁどちらにしろ、食べ物は必要だし取りに行かないとなんだよね」
梨モドキはある。
けどあんまり美味しくないからなぁ。
と言いつつ、放っておくと悪くなるから、早く食べないとなんだけどね。
「……そろそろ、レベル上げもしようか」
結果、探索に出ることに。
本命は可食の野草。
ついでに、モンスターがいれば倒したいところ。
倒せずとも、この辺りのモンスターがどのくらい強いか分かれば良い。
◇◆◇
探索の準備完了!
今回の装備は、腰の剣帯に剣を装備し、盾は無し。
盾、重いからもう持たないと思う。
で、剣帯に繋ぐように、小さめの麻袋を吊るしてある。
これで採取したアイテムを、楽に持ち帰れるはず!
あと、着ているものはいつもの魔女服。
他に着替えが無いからしょうがない。
ゲーム的には汚れないみたいだけど、気分的には早く着替えが欲しいところ。
「よし、出発」
目指すは、湖よりさらに向こう。
水があるなら、何かしら食べられるものも多いだろう。
たぶん、動物も。
モンスターも。
◇◆◇
10分ほど歩いたところにある湖を越え、さらに歩くことしばらく。
今回は流石に迷うとヤバイから、剣で木に目印を付けて歩いている。
そうして歩いて来た私が最初に見つけたのは、木の根元に生える数本のキノコだった。
「《植物知識》……反応無し。キノコは菌糸の類だからかな?」
見た目は普通の、茶色いキノコ。
けどキノコだからなぁ。
油断して食べたらヤバイのもありそう。
毒の耐性スキルとか取るには良いかもしれないけど、流石にこんな序盤で危険を冒す必要も無い。
それに、そこまで飢えてない。
「んー、勿体無い気もするけど、流石に怖いからスルーで」
キノコは今回、採取しないことにして、探索を再開。
木に印だけ付けて、また歩き始める。
「それにしても、ほんとモンスターとかいないなぁ。安全な森なのかね」
たまに動物っぽい動く影を見つけるけど、こっちに向かってくる様子も無いし、追いかけて捕まえられる気がしないから放置してる。
リスとか可愛いから、どうせなら狩るより飼いたいんだけどね。
魔女と言えば使い魔。
そのうち、癒しに何か飼いたいところ。
まだ自分の生活でさえ余裕無いから、飼うにしてもしばらく先になりそうだけど。
「とか思ってたらモンスター見っけ」
モンスター、と言ってもスライムっぽい弱そうなやつ。
見た目は液体の塊で、粘性はそこまで無いのか、かなりベチョっとしてる。
顔の付いた、どこかの人気キャラクターみたいなのじゃ無く、まるっきり液体の塊みたいなやつ。
大きさは子猫ほど。小さい。
その液体の中には、透明な結晶が一つ浮いている。
たぶんアレが核とかそんなのかな。
観察してる間にこちらに気づいたのか、のんびりと向かってくる。
「……遅っそ」
油断し過ぎてやられないよう、一応剣を構えて様子を見てたけど、流石に遅い。
気持ち悪いし、さっさと倒しちゃおう。
「うわぁ、キモぃ。……えいやっ」
核らしき結晶に向かい、剣を振るう、と言うより叩きつける。
“ ガリッ………パキン! ”
直撃。
剣によってヒビが入った結晶は、そのまま粉々に砕け散った。
それと同時に、スライム(仮)も粘性が無くなり、ベチョっと形を崩して、地面に溶けていった。
《経験値を獲得しました》
《Skill《剣Lv.1》を習得しました》
《条件達成によりTitle〈モンスターハンター〉を獲得しました》
珍しく、通知が一気に来た。
とりあえず、武器のスキルが手に入ったから、より剣を扱いやすくなった。
気がする。
レベルは上がらなかったけど、まぁあと何体か倒せば上がるだろう。
〈モンスターハンター〉に関しては、「初めてモンスターを倒した証」の称号らしく、特に意味は無さそう。
「よし、この調子で探索進めて行こう!」
お読みいただきありがとうございます!
ジャンルがローファンになってることに気づいて、慌ててVRゲームに変えた作者です。
ごめんなさい!
昨日初めて誤字報告機能もらいました。
いやぁ、便利ですね!
使い方も教えてもらいましたが、作品読み終わったさらに下の方から送れるみたいです。
誤字脱字見つけたら是非是非お願いします!
次の更新は水曜日予定です。
ではではー!
……え、いや待って、教えてもらってランキング見たら日間ジャンル別32位とか入ってるのですが。
びっくりです。
本当に皆さんありがとうございます!