12話「調べたことと、新しい魔術」
〜前回のあらすじ〜
新しい【役割】を手に入れた。これは便利そう。
ステータス画面の並び替えを覚えた。これで見やすくなるね。
《錬成》に失敗した。こーれはゴミ。
5日目。
実は今日、通勤の電車で【錬成師】とはなんぞや? と、調べておいた。
結論。
よくわからない。
「錬成」と言う言葉自体、調べても心とか体を鍛える、って意味しか出てこなかった。
それに近いだろう「錬金術」って技術自体、現実に無いんだから、それに関する用語が現実の辞書には無いだろ、って感じのコメントもあったり。
よくわからないね。
けどわからないなりに、有名な錬金術のアニメのあらすじとか読んで、勉強はした。
役には立たなそうだけど。
で、その過程で、一つ疑問に思った。
【錬成師】は良いとして、では、【魔女】は?
【魔女】の役割は何となく、調べなくともわかる。
じゃあ、この世界における【魔女】は、いったいどちら側なのか。
魔女といえば、怪しげな呪いをしたり、毒々しい大鍋をかき混ぜてるようなイメージ。
けど、その魔女の在り方は2通りある気がする。
魔女狩りなど、異教のものとして忌み嫌われる存在か。
はたまた、調薬や呪いで、人々と共存し、益をもたらす存在か。
それがわからないと、人里に出た瞬間、ジ・エンドもあり得る。
とにかく情報を集めないと。
まぁ、こんな森の奥地に隠れ家がある時点で、少しお察しな気がしてくるけど。
まだ断言するべきじゃないよね。
「うん、考えるのは後にして、今日もゲーム楽しんでこう」
暗いこと考えるだけなら、何のためにゲームやってんだって話だよね。
とりあえず、情報出てから考えることにして、いつも通りまずは本を読むことにする。
《言語》のレベルも上がってるし、一つ上の段も完全に読めるようになった。
まだ下から3段目の棚は、読めない文字が多いけど、2段目の本を読んでいれば、またそのうちレベルが上がって読めるようになるはず。
と言うわけで、2段目から適当に本を探す。
《直感》で役に立ちそうなのを適当に選んで、ベッドへゴー。
◇◆◇
《特殊条件達成によりSkill《無属性才能Lv.1》を取得しました》
《条件達成によりSkill《魔術知識Lv.1》を取得しました》
《条件達成によりSkill《初級魔術Lv.1》を取得しました》
《条件達成によりSkill《魔術才能Lv.1》に情報が追加されました》
読んだのは、魔術関係の本。
その中でも、魔力に属性を持たせず、純粋なエネルギーとして使う魔術。
「無属性魔術」。
そもそもの魔術というものについて。
人の魔力は不純物を含み、純粋なエネルギーとして扱うには効率が悪いらしい。
そこで、術式や詠唱を介し、特定の属性へ指向性を持たせることで、ようやく世界への干渉を可能としている。
その属性の中でも、「無属性」は出来ることは少なくとも、どの属性にも親和性が高く、特定の属性に適性が特化している人でも扱いやすく、効率が良いことから、魔術師がまず最初に学ぶべき魔術、らしい。
《生活魔術》は魔術師でなくとも、一般に使える人が多い魔術だから除くとして。
で、この本の中には、《生活魔術》では使うことのできない、「攻撃魔術」についても書かれていた。
そのうち試し撃ちしてみよう。
「……あ、畑見るの忘れてた」
魔術の使い道について考えていた時、ふと畑のことを思い出した。
「畑見て、えーっと、そのあとどうしよ」
やることが増えてくると、案外管理が難しくなってくる。
人手も無いし、情報も無い、資源も無い。
それに時間も無い。
あれ、望んでたスローライフってこんな忙しかったっけ?
「ま、これからこれから。思ってたのと違うのはよくあることだし、ここから望んでたように変えていけばいい」
そのためにも、一つ一つ頑張っていかないと! とやる気を出して畑へ向かうことにした。
◇◆◇
実は、野草についても少し調べておいてある。
だからと言って、上手く育てられると言うわけでは無い。
まず、自然に生えている野草は、環境の変化に弱い。
人の手の入った野菜や観賞植物などの、改良されているものと違い、自生してるものは環境が変わるとすぐに枯れてしまったり萎れてしまったり、上手く育たないものが多い。
今回、私が育てている野草は3種類。
それぞれ、どんな環境で育ってたのか、いまいち覚えてないけど、それでも同じ森の中だし、どれかは育つだろう。
育たなかったものは、まぁ、今回は諦めるとして。
育ったものはどうしよう?
とりあえず繁殖させて数を増やしたい。
増やした後は……天ぷら?
野草と言えば天ぷら、ってところある。
偏見かもだけど。
そもそも、リアルで野草摘んで食べたりしたことないから、どう食べるのが正解かなんて、よくわかんない。
「……って、油も卵も小麦粉も無いのに、どうやって天ぷら?」
完全に育てることしか考えてなかった……。
揚げるにしても、せめて揚げ油くらいは無いと話にならない。
「……うん。やる気はともかく、とりあえずはこのまま育ててみよう。何かしら使えるかもしれないし」
とりあえずは現状維持、と言うことに。
いやぁ、大事なところ失念してた。
とりあえず「食用可」ってところだけ見て、育てることしか考えてなかった。
塩茹ででも良いかもしれないけど、どうなんだろう?
まぁ、こう言う生活に失敗は付き物、ってことで。
魔術で水をまいて、畑作業は終了。
この後は……どうしよっかな。
こんにちは。
お読みいただきありがとうございます!
実は以前まで、なろう民ではなかった作者です。
以前まではただ身内で楽しむ程度に執筆するグループの一員として、気ままに書いていただけなのですよね。
なので、なろうに似てる作品があったとしても、たぶん私は知らないと思いますので、パクリとかは無いです。
私が影響を受けただろう、なろうのVRMMO作品は何かと聞かれたら、サ○ナーさん(全く方向性違う作品)を答えるくらいです。
他にもVRMMOはいくつか読んでいますが、一番影響受けたのはたぶんサ○ナーさんなのですよね。
それと、先程言ったようになろう民でなかったので、もしかしたら書き方がなろう的に読みにくいかもしれません。
空行の多さとか。
もともと執筆に使ってた媒体では、この方が読みやすいですし、今も半分くらいはそれを使ってますしね。
直そうとはしてますが、慣れって怖いですね。
読みにくければ申し訳ありません。
いつもの如く長々と話してしまいました。
うるさい作者でほんとすみません(苦笑)
これもアイデンティティとでも思ってください()
えーっと、次回の更新予定は日曜日となります。
誤字脱字、感想などあれば、是非是非よろしくお願いします!
ではでは、また次回です。