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楽して勝って笑いましょう  作者: 未出舞
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ハンター契約2

ハンター講座2話目です。

 そんなこんなでハンターになったゆうきは、受付嬢さんからハンターについての説明を受けていた。

 ちなみにギルドマスターであるシュバルツは受付嬢さんに精神的にボコボコにされていた。

 特に意味は無いがゆうきは自主的に正座していた、受付嬢さんには何故かそんな雰囲気があった。


「では、説明をさせて頂きます、カレンです、よろしくお願いします」


「さっきも言ったけど僕は葉山ゆうき、よろしくお願いします」


「では早速説明を始めます、まずハンターとは……」


 こうしてカレンのハンター教室が始まった。

 まずハンターとは何か、ギルドから出された依頼をこなす何でも屋みたいなもの、と簡単な説明で終わった。

 アリシアに見習って欲しい。

 話を戻そう、ギルドから出る依頼はギルドからのものと個人からのものがあった、基本的に差はないらしい。

 また、ランクも存在していて、SSS~Fまで存在するらしい。またA~Eまでのランクではプラスとマイナスが存在していて、例えばA-やD+と言った感じだそうだ。


「そしてこれが一番の大トリ、ギルドカードです、なんとなんと!自分のステータスがいつでも見れる優れものなんです」


「おお!スキル、見たい!」


「ではこちらがゆうきちゃんのギルドカードになります、失くさないようにして下さいね」


 そう言ってプラスチックのカードを貰った、プラスチックがある事に驚きつつ、早速自分のステータスを確認した。


 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ハヤマ ユウキ 

年齢:11

種族:人間

Lv1

体力 :6/6

魔力 :13/13

攻撃力 :3

防御力 :3

魔法力 :6

魔防御 :5

回避力 :8

ランク:F


パッシブスキル:

『不屈の精神』Lv2


アクティブスキル:

『怠惰』Lv1


称号:

来訪者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「……ん?おぉ、あ?」


 なんか名前だけは凄そうなのあるぞ。


「スキルは確認できたかしら?そしたらそのスキルをタッチしてみて、特にアクティブスキルを確認してみて」


 言われるままに『怠惰』のスキルをタッチしてみる。

 タッチと同時にステータス欄が説明文に切り替わる。

 スマホみたいだな、なんて思ってしまった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『怠惰』Lv1


 自身から半径5メートル以内の物体を1メートルだけ自在に動かす。

 物体は物理法則に影響されない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「調べてみたけど、どうしてアクティブスキルを調べさせたの?」


「ゲーギスの方達は必ずと言っていいほど他に類を見ないアクティブスキルを持つ場合が多いからよ、もちろんその限りではないのだけれど」


(強力とは言ってないのか……微妙すぎないか?この能力、リモコンとるのとかは便利そうだけど……)


「ちなみに特別なアクティブスキルをユニークスキルって呼ぶわね、ユニークスキルはその人の心のあり方に影響されると言われてるわね」


「分かりやすいってか単純だねー」

(色んな意味で。しかし、これであのカマキリの挙動の謎が解けたな、そう考えるとかなり強力かもしれんな)


「それからスキルは使えば使うほど強くなるから、私生活に影響がないなら普段から使うのをオススメするわ」


「おお、そうなのかありがとう。あと1個だけ聞きたいんだけど、ゲーギスって転移してきた時に見た目が変わったりしたりとかって?」


「えぇ、変わっているとは聞くわね、本当かは知らないけど、ってあなたこそ知ってるんじゃないの?」


「あぁ、はっきり言えば変わったよ、大分可愛くなった」


 一言も元は女でないとは言っていない、嘘はついてない……のでセーフだと思う。

 それにこんな所で我が野望、打ち砕かれてたまるか、という気持ちがあった。

 野望とはつまるところ、風呂の文化があるという事はそういう事だ。


 そうして、これ以上カレンさんに聞かれてボロを出す前に、ゆうきはアリシアと共に逃げる様にギルドを後にしようとする。

 しかし、カレンさんに回り込まれてしまった。


「まって、これ持ってきなさい」


 そう言ってカレンは黒くて細長い物体と黒い布、小袋を渡してきた、それはジャックナイフとコート、そしてお金の入った袋だった。

 こんなものがあるのか、と驚きつつもその見た目に心奪われる。

 光を反射しない黒に、刃渡り15cm程で片方にだけ刃が付いていて、元の世界でいう、現代的なデザインの刃。

 コートの方は襟は高く、また普通の人が着れば膝上か膝にかかるくらいの長さだ、試しに着てみたが、今の自分では大きすぎて着れそうもない。


「かっこいい、でもどうしてこれを?」


「ギルドマスターからよ、元々あの人は武器職人なのよ、特に暗器を作らせたら右に出る者はいないわ、そのジャックナイフもゲーギスから教わって作ったもので、最高傑作とも言ってたわ、あなたかなり気に入られたわね」


 ゆうきはロリコンギルマスに感謝しつつ、コートの方をどうするか聞いてみた。


「でも、コートは着れそうにない、だからこっちは返すよ」


「それはダメね、ギルドマスター曰く『コートとナイフは二つで一つ!必ずじゃあ!何故って?カッコいいからじゃ』って事らしいわ。それに安心なさい、そのコート少し魔力を流せばある程度ならサイズも合わせられる代物よ」


「魔力を流すって……こうか?」

(多分身体の中から出るやつだよね、って事は……)


 背中から、汗が滲み出すような感覚でやってみた。

 汚いとか言ってはいけない。

 するとコートにフードが出てきたと思えば丈が20cm程短くなっていた。

 また、内側にはジャックナイフが丁度入るホルスターのようなものも付いていた。


「なんで、教える前に出来ちゃうのよ……」


「イメージが上手くいったんですよ、背中から汗がにじみ出るような感じでやったら行けましたー」


「独特なイメージだけど分かりやすいのが悔しいわね」


「ゲーギスってみんなこんな感じなのかしら……」


 カレンは悔しがり、アリシアがゲーギスを勘違いし始めたが、決してそうではなく、ゆうきがおかしいだけだった。


「まぁ、それはそれでいいわ、そのコートは魔力を流せば大きさも硬さも自由自在で、ナイフの方も少し魔力を通すから固く出来るわ、高級品なんだからね、大事に使いなさい」


「本当にありがとう、正直寒くて困ってたんだよね、アリシア防寒具ほとんどくれなくてさ」


「そ、それは、忘れてたというか、なにも言わないから大丈夫かと思って……」


「アリシアって何気酷いよね」


「ご、ごめんなさい!」


 アリシアをここぞとばかりにいじめる。


「さぁ、二人共イチャイチャしてないでさっさと行きなさい、準備もあるのでしょう、それとゆうき、待ってるわ」


 その言葉を皮切りに二人は挨拶とお礼の言葉を述べて、ギルドを出ていった。

 それを見送りつつカレンが小さく呟く。


「マスター、本当に良かったんですか?あれあげちゃって」


 カレンがそう呟くと、角からシュバルツが出てきた。


「ワシはもう戦わないからの、あの装備たちも喜ぶじゃろう、『また、戦える』とな」


 嬉しそうにそう呟く。


「それにあの子が戻ってくれば良く働きそうじゃしの、先行投資じゃ先行投資、それに可愛い子がおればこのむさ苦しいギルドも少しは華やかになるじゃろうしのぅ……」


「うるせーぞ!」「女ならあたしがいんだろうが!」「くたばれじじい!」


「うるさい!酒なんぞ飲んでおらんで、働かんかい!女の子一人に声もかけられん小心者共が!」


 そんなギルドの様子をカレンは微笑んで見ながら、二人の無事をそっと祈った。



アリシアがアクティブスキルを確認させたのは自分の能力を把握してゆうきに生き残ってほしい、という思いからです

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