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偽り家族の正しさ②「それは彼女達の歌に秘密があるのだろう」

 人類は、少しずつ淘汰されていた。

 もっとも、地球上に存在する総数を考えると、自然死に少々手が加わった程度の微々たる数字だったが。

 それでも、人類は明らかに人為的な手段で減り続けていた。

 人が人を殺す。

 構造だけを見れば単純だったが、現実に起こる殺人には常に何らかの理由がつきまとっていた。

 怨恨、欲望、恐怖、畏怖、羨望。

 だが、展開される殺人は、ただ殺すだけだった。まるで、流れ作業のように無機的な行為が繰り返されるだけ。

 ゴミの集積場に集められた数々の不用品が、回収車に積まれて運ばれて行く。その光景に罪悪感を覚える者がいないように、すべてが当たり前に終わって行く。

 朝に目覚めた者達は、いつもと変わらない空を見上げたほんの数分後に、こんな地獄が襲いかかるとは誰も想像しなかっただろう。

 死が、まるで自然災害のように、何の容赦も慈悲もなく、誰にも平等に襲いかかってきたのだ。

 空から降りてくる鋼鉄の巨人が振りかざすキャノン砲がひとたび火を噴けば、街の一区画が業火の餌食となった。

 たったそれだけで、あまりにも簡単な最後が一瞬のうちに何千何万と引き起こされる。

 生きとし生けるものすべてを焼きつくす紅蓮の火が、街を蹂躙して行く。そして、業火を背景に躍り出たのは、額に第三の目を持った少女達。

 彼女達は炎に焼かれながら、それでも笑顔を失わず真っ直ぐに歩いて行く。

 楽しくて笑っているというより、別に笑いたい気分でもないのに無理やり笑わされているような、苦しみに満ちたとても気味の悪い笑顔。仮面を貼りつけたような、笑顔という名の無表情のままに歩み続ける姿は、何かのパレードのように整然とした動きだった。

 彼女達は歩き続けるだけ。それだけで周囲の恐怖にかられて逃げ惑っていた者達が、突然に糸をつけられた人形にように奇怪な行動を始めるのだ。

 糸を引く者に操られるようにして、殺人を始める者達。

 少女達は、そして周囲にいる人間達すべてが、殺戮に至る病に侵されていた。

 そこにある殺人に、動機はなかった。



 笑いながら肉片になって行く少女達、焼け焦げて丸太のように無造作に転がる人間達の映像が、淡々と映し出されている。

 液晶画面が発する光が、場にいる者達に様々な陰影をつけていた。

 直線と曲線で構築され、人間味の欠片もない巨体が腕を組む。そうして、まるで人間のように小首をかしげると、左目のカバーが画面の光を反射した。

 白い巨体の機械知性体、トレトマンは事務的に告げる。

「すでに中小の都市が、妖精やゴーストによって壊滅状態に陥っている」

 世界地図上に点滅する赤い光は、数えるのが面倒な数になっている。

 一ヶ月前、人類の前に現れた人類以外の知的存在、機械知性体から一方的な宣戦布告があった。世界は混迷を極めたが、一週間の後に事態は一応の終息を見せる。もっとも、それは平和な生活を望む大半の人間には事態が見えなくなっただけで、彼らを支える地面の奥深くでは、暗く重い巨大なものが静かにうごめいていたのだ。

 その宣戦布告に目をむいたのは、何も人類だけではない。彼らイノベントの行動を阻止しようと地上に出ていたユニオンにとっても寝耳に水の出来事だった。

 上を下への大騒ぎの間にも、時間だけは誰にも平等に過ぎて行ったが、ユニオンは未だに何の行動も起こせないでいる。イノベントの行動の早さに萎縮している面は否めないが、簡単に言えば出す手がないのだ。

 地上で行動をとれるユニオンの数はまだ少ない。情報を集めて作戦を展開しても、機動力の低い彼らが目的地にたどり着く頃には、すでに都市は焦土になっている。

 蹂躙されつくした瓦礫の山を前に、何度途方に暮れたかわからない。後手後手に回っている状況に地団駄を踏み続ける日々が続く。ユニオンとイノベント、かつての仲間達との間に立ちはだかる壁はあまりにも高かった。人類の歴史に文明の黎明期から介入し続けていたイノベントは世界中に蜘蛛の巣のように細かな触手を張りめぐらせている。ユニオンが残った糸の端だけをいくら追いかけても、本体である蜘蛛はとうの昔にどこか別の網に逃げこんでしまっていた。

 何もできないでいる状況は、機械知性体の存在すら知らなかった人類の方がより深刻になる。

 世間の大多数の人間は、宣戦布告の後にイノベントは沈黙を守っていると思っていた。現実には彼らの見えている枠の外で、日々殺戮が繰り返されているのだが、彼らに届けられる真実は大きく歪められていた。

 むしろ混乱しているのは、国政に携わる人間達だった。各国の政府は自国内に現れる脅威に対して恐怖し、混乱し、他国に現状が知られ、そこからの介入を恐れて過剰な隠蔽工作に走っていたのだ。

 人類以外の敵という、彼らの歴史が始まって以来の危機的状況を前にしても、人間は他の人間を信じられず、追いこまれた者達は、助けを求めることすらできず、溺れてもがき続けるだけ。

 追いつめられ、思考が狭まり、混乱が深まり、猜疑心が高まって行く。

 精神的に疲弊していた各国の上層部は、袋小路に追いつめられたあげくにもっとも安易な手段を取ってしまう。

 自国に関して不利益な情報は、外部どころか内部に対しても完璧に遮断する方向に走ったのだ。

 疫病、ガス漏れ、崖崩れ。適当な理由をつけられ、閉鎖されて公式の地図上から抹消されて行く町や村。

 人々がおかしいなと感じた頃には、すでにかつての隣人が住んでいた地域はバリケードの向こう側。連絡を取る手段もない。

 正しい情報が隠され、憶測と猜疑心が飛び交うことで、人々はますます足場を失って行った。

 じわじわと水が土を侵食し、やがては堤防をうがつようにして、機械知性体による人類殲滅の為の計画は、すでに動き始めていたのだ。

 戦争は始まっている。

 そして、戦争によって、真っ先に破壊されるのは真実。

 誰も本当のことは知らない。すべてを知っている者など存在しない。

 彼らはただ、目の前に降りかかる理不尽さから逃れようともがいているだけだった。

「酷い状況だ」

 腕組を解き、トレトマンはくるりと振り返る。そこには彼よりも年若い機械知性体が二人立っていた。

 曲線の多い黄色がレックス。鉛筆のような直線と紺青がシリウスだ。

 彼らはどちらも無言で肩を落としている。

「たった一ヶ月の間に、イノベントの連中は確実に人類を滅ぼす手を広げている。ただ、大半がいわゆる発展途上国に集中している。元から通信網の途絶した区域や、閉鎖性のある文化的な要因などから被害実態が何も伝わっていない場所が多い。当然、人間達の間で連携を取ることもできてない故に、被害の全貌を見渡すことができない。自国内を蹂躙する存在に対し、どうしても散発的な反撃しかできないでいるのが現状だ」

 淡々とした解説は続く。そもそも、彼らには息を継ぐ必要がないので、その気になればいつまでも話し続けられる。

「手順としては、まずはゴーストが都市に出現する。そうして適当に市街を破壊した後、混乱の中に妖精をばらまき、最終的には妖精ともども生存者を残さないようにして街から去っている。今のところ、人間側の攻撃で倒されたゴーストはいない。保護された妖精も皆無だ。彼らの装備では、多少の損傷は与えられても、完全に破壊するまでには至らん。いや、現場の指揮系統が混乱し、まともな攻撃もできてないようだ。これでは反撃しているのか、自滅を誘っているのかわからんな」

 突き放しているような説明が終わると、レックスがおずおずと挙手する。

「……あの女の子達は、イノベントに操られてるの?」

「そうだろうな」

 トレトマンは自分の額を指で示す。

「あの機械。頭蓋骨をえぐって脳まで達している装置で、脳に電気的な刺激を与えているのだろう。人間は通常の状態、要するに理性のある状況では殺人を忌避する傾向がある。それは相手の命を奪う行為は、被害者だけでなく自身にも大きな損傷を与えかねないからだ。肉体的、あるいは精神的な被害を受けない為に、通常は深層心理の奥深くに埋没してある衝動だ。だが、あの少女達は、相手を傷つける行為によって罪の意識に苛まれて、強い精神的な負荷を感じたとしても、機械が無理やり気分を高揚させるようなホルモン分泌を促すよう脳に指令を与えるのだろう。もっとも、そんな場当たり的な処置は、精神構造的には大きな矛盾を発生させてしまう。彼女達は、殺人を犯して憂鬱な気分になるどころか、行為を繰り返すことで理性の方が消し飛んでしまい、やがては自分の行動を制御できなくなってしまう。そうして崩壊した精神は、同時に身体の感覚器官の損傷にも繋がり、彼女達は苦痛を感じないで行動してしまう。これは生き物にとって、大変 危険な状態なのだ」

「あの少女達は、直接的に人間を殺している様子はない。むしろ彼女達の周囲にいた人間が、他の人間を手にかけているようだが?」

 シリウスの質問に、トレトマンは鷹揚にうなずく。

「それは彼女達の歌に秘密があるのだろう」

「歌?」

 音声は切られているので、映像からは何の旋律も聴こえてこない。破壊の連鎖も、人々の悲鳴が奏でる狂騒曲も、まるで無声映画を流しているようにどこか現実味が薄かった。

「正確に言語体系や音声を分析したわけではないから確証はないが、恐らく彼女達が発する声そのものに仕掛けがあるのだろう。歌として音を届けることで、その言葉を享受する者には理解できないまま、ある価値判断に関する脳の機能部位の活動低下を促すのだ。まずゴーストの襲撃という異常事態に放りこまれた人間は、正常な判断力を失う。そうしてかき乱された意識に彼女達の歌が強制的に刷りこまれ、思考能力が低下し、自意識が薄れる。一種の催眠状態に陥ったところで、歌詞の文法に隠された部位が深層心理を刺激し、良心の方向をねじ曲げ、人を虐殺へと誘導するのだ」

「歌が人を操るというのか?」

 馬鹿な、とシリウスは驚愕を露わにする。その反応に対し、トレトマンはあっさりと告げる。

「つい最近、我々自身もそうして操られていたことがあるぞ」

 不意に訪れた静寂を埋めるものはなかった。

 シリウスはぎこちない動きでレックスを見たが、彼は目をそらす。トレトマンは何も答えずに腕を組んでいるだけ。

 シリウスはまさか、とでも言いたそうに口が動くが、ためらったあげくに何も言えず押し黙る。

 話が進まんな、とトレトマンは簡潔に事態を説明する。

「先だって、我々が保護した少女がどうも、この妖精の一人だったようだ。彼女の意識が我々に伝播し、それこそ無意識の間に完全に行動を操作されていたのだよ」

 もっとも、と続ける。

「彼女自身には我々を操ってどうこうするような考えはなかった。幼く弱い彼女はただ、守ってくれる他者の存在を求めただけなのだよ」

「アルトゥンは、何も悪くないんだよ。トラストもあの子を守ろうと一生懸命になったのだって、本心からなんだ。だから、操られていたからとか、そんなの関係なく守りたい、助けたいって思ったんだよ」

「まぁ、トラストがより強固に意識操作を受けたのは間違いないがな」

 ここにはいない四人目の姿に、誰もが思うことを口に出せずに沈黙が生まれる。

 気まずい空白をなかったことにして、トレトマンが語る。

「被害が発展途上国ばかりに偏っているのは、あの少女がひとつの答えなのかもしれん。襲撃に遭うのは、決まって内部に問題を抱えている国家ばかり。いや、欠点のない国などないのだが、そこに、ある共通点があるように思える。おおざっぱにいえば、貧しい国だ。しかも、自分達の置かれている境遇が、豊かな国、自由な国の搾取や放置によってもたらされていることに気がつきそうな国。いや、気づいていても現状に溺れるしかない泥沼に陥ってもがくだけの国だ」

 見ろ、とトレトマンは映像を切り替える。それはゴーストと妖精の出現の後、現在の状況だった。

 焼け焦げた街を、戦車がさらに踏み砕いて行く。迷彩服に銃を掲げた男達が、火炎瓶や棒きれを持って迫る市民に銃口を向け、人垣を崩して行く。

「彼女達の出現によって、危ういバランスを保っていた国家の天秤は完全に崩壊した。それまでに貯めこんだ不満が一気に爆発し、暴走した怒りの矛先は、何の手段も講じてこなかった国家へと向く。そうして国内で内戦が始まり、怒りをゴーストなどの外敵に向けている余裕はなくなる。彼らは一度の襲撃で失われた以上の人命を、今は内輪で増やし続けているのだよ」

「イノベントの奴らめ、こうやって、自分達は手を汚さないで被害拡大を狙う寸法か」

「こうした回りくどい手法は、機械知性体の数が少ないから考え出された手段だろう。人類が機械知性体を真の敵だと判断して殺そうと考える前に、人間同士が互いを憎み合う構造を作り出して殺し合わせるのだ。家族を殺された者が、隣人を殺す。奪われまいとして、奪い続ける。こうした殺人の連鎖が大量の虐殺へと繋がって行くのだよ」

 画面上の赤い光の下では、こうした人間同士による仕掛けられた連鎖反応が、ドミノ倒しのようにして広がっているのだ。

「一人が殺し、二人が三人を殺す。こうしてあっという間に千人が死ぬ」

 こうして彼らが手をこまねいている間に、千は万から億へと単位を増やす。

「とはいえ、そろそろイノベントは違う手段に出るだろう」

「どうしてさ。これ以上ひどい方法ってあるの?」

 人命が失われて行く様を想像し、縮こまっていたレックスがようやく声を出した。

「イノベントがどれだけ妖精を作り出したところで、回収するわけでもない、消耗だけを続ければすぐに在庫が尽きる。もしかすると、彼女達は在庫処分に放り出しただけなのかもしれん」

「ひどい……あんまりだよ、あの子達だって、被害者なのに、あんな風に死んで行かないといけないなんて……」

 嘆きの声を上げたレックスを、トレトマンが制止する。無線信号を確認したのだ。

 全員が無線機の声に耳を傾ける。

『久しぶりだな、そちらの様子は聞いている』

「アトラスか」

 深海都市に暮らすオリジネイターの長になる存在。アトラスの知性を感じさせる深い声が届く。若干のタイムラグがある以外はごくクリアな音質だった。

 レックスとシリウスが、相手がこちらを視認できない状況なのにもかかわらず、ぴしりと姿勢を正す。彼の声音には、自然と態度を改めさせるような威厳が備わっている。もっとも、そんなものをまったく意に介さず、普段と変わらない態度で接するのがトレトマンだが。

「そうだな、もう我々だけでは何もできんぞ。連中は恐ろしく細かい手を使っているからな。まさしく忍者だ」

『ゴーストを潜りこませているというより、襲撃された都市かその近辺に実験施設があったと考えてみるべきだろう』

 そうだな、とトレトマンは同意する。

「だとすると、彼らはその非人道的な実験施設を破棄し、破壊するついでにその成果を試す為に都市を襲撃しているのだな。そうやってあとくされなく何もかもを灰燼に帰した後、次の段階へ進もうとしているのだろう」

『早急にイノベントの最終的な目的が知りたい。その為には、君達だけでは手が足りないのも事実だ』

「ふぅむ、人員補充も大切だが、それよりも先に、人間と協力関係を持ちたいと考えている。我々が地上世界でもっと大きな活動を展開して行く為には、その行動を仲介する人間が必要になる」

『そうだ、そして我々も全員が地上へ出るべきだろう。隠れているから余計な疑念を持たれる。直接会話をしなければ、信頼は生まれないのだ』

 正しい論理に、トレトマンは相手が見えないのをいいことに、少しばかり肩を落とす。

(言っていることは正論だが、人間の大半は、我々のような巨体に恐怖感を覚えるのだよ)

 深海都市の長は、その立場に見合っただけの気高さを有しているが、その高潔さは中世の騎士のように古風なもの。他者から見れば得難い美徳でも、トレトマンから見れば、やや古すぎるきらいがあった。アトラスは水面下での駆け引きよりも、もっと直情的な手段を求める傾向がある。彼の性質を好ましく思う人間は数多いだろう。だが、この情報戦の時代には、その古臭さが命取りになる場合もある。

 こちらで調整する必要があるな、とトレトマンはひとりごちる。彼はそういった、周到な準備が大好きなのだ。

「まぁ、出てくるのは賛成だ。せいぜい、引きこもっている連中を鼓舞するような演説を考えるのだな。時期が決まったら教えてくれ。こっちは、まさにその仲介役にふさわしい人間の信頼を得ようとしているところだ」

『そうか。……では、会える日を楽しみにしている』

 通信は切れた。間に合ったわずかな沈黙に疑念を持ったのは、トレトマンだけのようだった。彼は最古のオリジネイターと個人的にも親しくしている。だから、引っかかってしまったのだ。

(……まぁ、この状況では、知りたくとも訊けんだろうな)

 アトラスは世界と同時に、気になっているものがあった。だが全体を統率する者が極小の状況に深く食いこむのは、組織の運営者としては大きな失点になる。

(あやつも、トラストを気にしているだろうな。あとで暗号化した文面でも送っておくか)

 そこで声がかかり、トレトマンは意識を切り替える。

「我々の次の行動は?」

 シリウスの短い質問に、トレトマンは二人に向き直る。

「変わらんよ。情報収集と、その分析だ」

「人間と繋がりを作るのではなかったのか」

 歯に衣着せぬシリウスの物言いを、トレトマンは好ましく思っていた。慌てふためくだけのレックスと違い、彼は不満を正直にぶつけてくる。

「彼らには、言えるだけの情報は置いてきた。まずは相手に判断するだけの時間を与える必要がある。あの状況でいきなり協力を迫ったところで、首を縦には振らんだろう」

 あのぅ、と弱々しい声がかかる。レックスだ。

「トラストもどうするのさ。日本に置き去りにしたままだよ。身体だって、応急処置だけでまともな治療はしてないんだし。一度、日本へ戻ろうよ」

「あやつのことは放っておけ」

 さえぎるように、強くトレトマンは言った。

「どうせ、この潜水艦には治療に必要な部品がない。深海都市に戻る時間的な余裕もな。それに、今のあやつは戦力にならん。それなら、放置しておいた方が邪魔にならなくてすむ」

 吐き捨てるような口調に、二人はそれ以上、何も言うことができなかった。

 背を向けたトレトマンの、片眼鏡(モノクル)の奥にある感情は、誰も読み取ることができなかった。


冊子版はピクシブのBOOTHで頒布しております。

こちらは5巻収録分です。

https://mutsugami123zero.booth.pm/

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