最後の夏の日に忘れたくない思い出 2話
気晴らしになんか散歩でもしてみようかな。散歩とか全然しないけど。
ガチャ
その少年の名前は佐藤遥。高校二年生。部活やサークルには入っておらず。友人も彼女もおらず。趣味は妄想と妄想。
ドン!!!ッ
将来の夢は特になく、今は大学進学を取りあえずの目標に頑張っている。
彼女はいないし、できたことがない。当然童貞である。部活に入っていない遥が夏にやることといったら、朝起きて、とりあえずオナニー。そしてネットをだらだら眺めてまたムラムラしてきたらオナニーの無限ループ。
そんなどこにでもいる高校男児の意識はここで途切れる。
「...うん、」
気がつくと、見知った天井がある。
あれ、えっと、何がおきた?
「って、ふぇっふ!?」
遥は驚いた。当然だ。自分の股間辺りの上に何かがのっているからだ。
「······女??」
「否。私はあなたがたが定義する女、という人間の種類ではない。」
そう言いながら股間の上に乗っていた女の子は長い黒髪を揺らしながら顔をあげた。
そのあまりにも綺麗であまりにも出来すぎている顔立ちにしばしば絶句。
そしてやっと今の現状が理解してくると(無言で)立ち上がる。
「死んだのか」
「否。私もあなたもまだ生存中だ。」
立ち上がり上からその女の子を眺める。長く美しい黒髪。出来すぎている顔。身に付けいるのはなんとも奇怪な服。。。。。
「っっっって裸ぁぁ!!??」