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bliss.  作者: chika.
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出会いの季節?

季節は4月。

春になったというのに夜は肌寒くて長袖のカーディガンがまだ手放せない。

地球が現在進行形で壊れていって春夏秋冬が無くなってしまうようで怖くなる。少しは地球の為に何かしなくてはと思いながら家の近くの公園に着いた。


この公園は家から徒歩5分と近くにあり、たまに仕事の帰りに寄ることも多くて私のお気に入りの場所だ。


いつもならカップルが1組くらいしかいないのに、この時期は桜が咲いているこの公園には夜桜を楽しむ人々が集まっていてかなり賑やかで私には眩しすぎた。

でも真っ直ぐ家に帰る気分にもなれず、花見をしている人達とは反対方向に歩き公園の隅にあるベンチに腰掛けた。

みんなが集まっている賑やかな所は桜がライトアップされてとても綺麗に見えるが、私の前の桜にはライトアップはされていない。だけれど私にはこの桜がこの公園内で1番綺麗に見える。


ベンチに座り先程コンビニで買ってきたチューハイを開け、桜を見上げていたら私の横を風のような速さで横切った数人に目がいった。


新品のスーツに新品の革靴。

まだまだスーツが似合うまでには程遠い。

きっと新入社員なんだろうな。

歓迎会を兼ねた花見なのだろうが上司にこき使われている姿を想像し数年前の自分を思い出した。


新入社員だった頃の私は、きっと今より素直に上司の言うことも聞いていた気がする。

数年経ち今では反発することの方が多し、上司にとってはきっと嫌な部下に違いない。


私は派遣会社の営業職に就いてもう5年が経とうとしていた。最初の頃は契約なんて全く取れずよく怒られていたが、今ではマネージャーにまで昇進して自ら営業に行くことも少なくなった。

営業成績が良いから上司たちは私にはあまりうるさく言ってはこない。きっと言いたいのだろうがどう言ったらいいのかわからないんだと思う。


今のご時世パワハラや、セクハラなど色々気をつけなくてはいけないから言葉を選び選び言うのがとても難しく私に関しては逆切れされるんじゃないかと恐れているんだろう。

昔たった1度間違いを指摘したら、あいつを怒らせたら怖いなどという噂が社内中に広まってしまった。

まぁ、私は言いたいことを我慢出来るほど器は大きくなかった。

居心地が悪いわけではないが、正直めんどくさくなることも多いけど営業の仕事は好きだから辞めたくはなかった。


こんな風にモヤモヤした気持ちがあるときにはビールかチューハイを買ってこのお気に入りの公園に来て静かに煙草を吸うの日課になっていた。

だけどこの公園も花見の時期は静かではないから公園に寄ろうか迷ったがやっぱり寄ってしまう。



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