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組み立て始めてかれこれ2時間は経っただろうか、買ってきた弁当はとうに冷め、出勤の時間が近づいていた。
それでも彼は空腹を忘れ、夢中にピースを組み立てていた。
「で、出来た...!イヤホンのストラップ?」
彼は不思議に思う。組み立てている時には、少なくとも500mlのペットボトル位はあったはずだった。しかし出来上がったものを見ると、手のひらに収まる小さなイヤホンストラップだった。
小さくなった?僕の気のせいか?疑問に思いストラップを見つめ直す。
イヤホンジャックに挿すタイプのストラップで、可愛らしいキャラクターが付いていた。
「僕はこんな物のために...あっ、仕事」
時計がふと視界に入り焦る。彼は完全に冷えてしまった弁当をかき込み、コップ一杯の水を飲み干した。
「...」
机の上に放置されたストラップに目をやる。しかし仕事まで時間が無いことを思い出し急いで家を出る。
車で1時間半ぐらいの所にある仕事場に着くとすぐさま作業着に着替えた。
彼は警備の仕事をしていた。
以外と大きい、でも売れているのか...聞いたことも無いおもちゃ会社の警備。
彼は、
「本当に警備必要なのかな...」
と毎日同じことを思い、
「まぁ、お金はちゃんともらってるから良いか」
と毎日同じ結論に至る。
何も起こらない、何も楽しくない。
売り場の警備をしており、おもちゃを見るのが苦になっていた。
彼はいつも通りここの売り物を頭の中から放り出す。
そうすることで、この幸せいっぱいの空間でも仕事ができた。
仕事をいつも通りこなし彼は帰路に着く。
いつもと変わらない、日常。ため息をつく。彼の心は安心と寂しさに満ちていた。
家に着くと手に持っていた荷物を机に放り投げるかのように置き、バッテリーが切れたようにすぐさま眠りについた。
「疲れた。シャワーは起きてから入る」
誰に許しを請うでもなく、そう呟きながら。




