不安症な私 寂しがり屋な君
「私はきみが好き」
電話越しに君の驚いている顔が見える
ずいぶんと長い間片思いしていた
「え…ちょっと…待って……」
たった数秒の無言さえ長く感じた
「…もしもし、あのちょっと待ってもらえる?」
「…いいよ」
電話はそれで切れた、同時に私は堪えていた何かが外れる音と一緒に
涙が何度も同じように頬を通っていく
拭っても溢れてくるので諦めてそのまま少しの間泣いていた
君からの連絡はいつ来るのかな…
このまま来ないのかな…
ぐるぐるといろんな思いがよぎる
「言わなきゃよかった…」
そう呟いてゆっくり起き上がってベットに潜り込んだ
この待つ時間が一番報われない
何もできないし何もわからない
だから、何も言わなきゃよかったと心から思った。
こんな辛いなら友達のままがよかった
私はその日髪が生乾きなまま寝てしまった
朝起きて髪がいろんな方向に跳ねていた
「乾かさないで寝たからか…」
もともと猫っ毛なにの尚更ボサボサになってしまった。
心のなかになぜかぽっかり空いた感覚がある
何とも言えない虚無感がある
「まだ、フラレた訳じゃないのにおかしいよ」
鏡の前で笑ってみたけど、どうもひきつった笑顔は無理をしている
髪をくしゃくしゃにして私は彼の連絡をただひたすら待つことにした
三日経ってもいまだに来ない返事に膨大な不安と絶望を私は抱き始めた
なかったことにされたのか、それとも無かったことにしたいのか
なんて考え始めた時だった
オルゴールの音がした
その音が着信の音だと気付くのに数秒かかった
「もしもし…」
「…あの、元気?」相手が誰かすぐに分かった
「あのさ、返事なんだけど」
「うん」
「こんな俺でよければお願いします」
「…よかった」
安堵とともに今までの不安と虚無感から
涙が流れた
この日私が泣いた事を多分君は知らない
別サイトの蒼の本棚にある
「泣き虫の僕と不器用な私」の姉妹作です
似てる部分もあると思いますが違う話なので混ぜないように注意です
登場人物に名前がないのはいい名前が思いつかなったのでww
というわけではなく少女の不器用さをここで感じていただければ。