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百聞だけで済ますんじゃねぇ。  作者: さんまぐ


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第7話 田村大地流の問題解決方法。

仲裁を頼まれた狭山夫婦はこれを断る。


「あの動画も見た。雨空さんからは謝罪の電話をまた貰い、キチンと経緯を聞いた。あそこまで拗れたものを俺たち夫婦に押し付けないでくれ」

「晴は悪くないよ。もうアレは相性だよ。仲直りは無理だよ。それに咲良と宮田君は付き合ったんだしもういいよね?」


仲裁を持ちかけたのは高校時代の友達で、佐野結衣と鈴木海斗。

やはり、自分達もこのビッグウェーブに乗って、狭山和美の大学時代の友人達とも仲良くなりたいという物だった。


だがやはり、ここでなんとかしておかないと、自分達に仮にいい人が出来た時、田村大地の存在がネックになる。


佐野結衣は「やっぱり式の時なんかには、和美にも咲良にも来てもらいたいし、勿論寛容君達にも来てもらいたいよ」となる。


寛容を呼ぶという事は鈴木海斗も田村大地も呼ぶ事になる。


そして宮田蓮の言葉を借りれば、「男友達だけじゃなく、女友達にも来てもらいたい」になる。

そうなればやはり雨空晴を呼ぶ事になる。


田村大地に問題があっても、会うたびに怒鳴り暴力を振るう雨空晴には、穏やかに来てもらって、怒りには自粛を願いたい。


来て欲しい。

でも問題を起こさないで欲しい。

なんて傲慢で無理を言うのだろう?


「別に、田村の奴は問題を起こしすぎたから、もう呼べないと言えばいいだろう?とりあえずうちは和美の大学の友達にも迷惑をかけたからこれ以上はごめんだ」


狭山寛容が断ったからだろう。

佐野結衣から話が回ってきた鈴木海斗からも電話がかかってきてしまう。


そもそも新婚家庭に何時間も電話をかけてくる非常識さに、狭山寛容は家庭を守る為にも全員を切る事も考え始めた。


別に人の本性が汚いとか嫌だと悪く言う気はない。

だが、追い詰められた人間の汚さは十分に見せられる。


やはり鈴木海斗や佐野結衣も、年々酷くなる田村大地には不満が溜まっていた。

よく言えば付き合いの良さ、悪く言えば、来たい場所なら何処にでも現れる。

自己中心的に常に最大効果を狙い、雨空晴が田村大地を殴った日にもあったが、自分が間に合わなければ開始を遅らせろという素振りもここ数年増えてきた。

開催場所の提案に関しても年々意見なのか、命令なのか、ワガママなのかわからなくなってきている。


これは狭山寛容も思っていたが、本人は殆ど残業のない事務職で、勤務も8年目で余暇がありあまる。

その為に、頻繁に呼び出されたり、予定が合えば飲みに行かないかと誘われる。


元々20代の前半なんかは月一度くらいだったのに、皆結婚や転勤により人が減り、母数が減ると頻度は上がる。

そもそも大学時代の友人はいなかったのかという話になるが、いなかったのだろう。

話すら聞かない。


ここに狭山寛容の結婚まで加わったことで、鈴木海斗は下手をすれば毎週水曜日と日曜日に連絡がくるようになっていた。


そして会えば、今までは5〜6人前後居たのが2〜3人になってしまって、あの蘊蓄原液をずっと浴び続けるのはキツい。


そして、これからも縁が続いて、自分達が結婚する時にも現れるなら、ここでなんとか更生してもらいたい。


そんな所だった。


狭山寛容は妻の和美を守る為にも、「縁は残すが、会う頻度は落ちるよ。それは生活が変わったんだから仕方ない事だって、後はもう仲裁は無理だよ。とりあえず皆30になって生活が変化したんだから、前みたいな付き合いは無理じゃないか?」と言った。


この中にあった、「30過ぎたから前みたいな付き合いは無理」という言葉は皆の天啓になってしまい、その日から全員が環境や体調の変化を理由にして、頻繁に会う事をやめてしまった。


当然、急に断られる頻度が増えた田村大地は理由と原因を考える。


決して自分は悪くないという前提の田村大地の中に、真っ先に出てきたのは雨空晴の顔。

雨空晴に会ってから、世界が変わってしまったみたいな気がしてしまう。


恨み言は尽きない。


それよりも余暇の使い方が下手くそな田村大地は、なんとか元の生活に戻りたいと行動を開始した。

間違った行動。

歪んだ認知。


田村大地は雨空晴の理解を得て、狭山夫婦に一言添えてもらって皆にアナウンスされれば、元の生活に戻れると誤解していた。


田村大地は狂ったように行動をする。

渡辺咲良、狭山夫婦に雨空晴の連絡先を求めて仲裁の為に、それこそ余暇の全てをぶつけてきた。


渡辺咲良は宮田蓮とのこれからの為に使いたい時間。

狭山夫婦は新婚の大切な時間、その全てに侵食してくる田村大地に頭を抱え、「迷惑だから2度とこの件で連絡してこないで」、「お前、もう少し考えろ」、「もう30だよ?若くないんだよ?学生のノリはやめなよ」とハッキリと言い、雨空晴に関する連絡は全て切り捨てる事にした。


田村大地はそれならと蘊蓄を混ぜたり、飲み会の話から「それでさ」と言って雨空晴の話をしようとしたが、終始通用することはなかった。

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