前へ目次 6/6 山神様 山神様とは――。 それはもう恐ろしい御姿で山に鎮座しているという口伝。 けどその裏では悲しく、苦しい、とても繊細な神様であった。 令和七年十月――。 時は経て豊かな田園風景は無く高い建物で覆われ、人がたくさん生き急ぐ中、あの山だけはまだ残っていた。 今日は「収穫祭」。 採れたての野菜や米があの小さな祠での前に並んでいた。 話によればいつしか人柱と言う風習は消え去り、軒並みに並ぶ屋台で大賑わい。 昔の人はこう言う。 「山神様はとても繊細で優しい心の持ち主だよ」 と……。