表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらいじめられっ子のヒロインの上に醜い死神将軍に嫁がされたんだが、聖女に匹敵するこの魔力は内緒でモブに徹したい。  作者: 猫又


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/75

女郎蜘蛛

「どうしてこんな危険な場所に盗賊は来たのかしら。普通なら奴隷売りや繁華街の女衒に女を売るでしょうに」

 ヤトが低空飛行で湿地の森を飛んでくれるが、サラの纏った魔力の気配はどんどん淋しい魔素の濃い森の奥へと続いているようだ。


「リリちゃん、ここらで途切れた」

 ヤトが草の上に降りたので、私もヤトの背中から降りた。

「なんかあるで」

 おっさんが指した方向に朽ちかけた屋敷があった。

「家……誰か住んでるのかしら?」

 門とおぼしき場所から中へ入る。

 草や樹木の蔓、白骨化した獣の残骸が山のようにあり、侵入者を拒んでいる。

 ようやくドアへ辿り着き、ノックをしてみる。

 返事はなく、仕方なくぼろぼろのドアを開いてみた。

 ギーーーーーーーーーーと軋む音がして、ドアが開いた。

「誰かいませんかーって聞いた方がいい? 魔女とかいたらどうしたらいいの?」

「魔女て、魔法が使える者を魔女と呼ぶならあんたも魔女やろ。しかも最強の」

 とおっさんが言った。

「え、でも、悪い魔女だったらどうしたらいい?」

「サラちゃんが無事ならええやろ。そこは交渉してみたらええねん」

「分かった、こんにちはーお邪魔しますよー。サラを迎えに来ましたー」

 と言いながら中に入ると中もボロボロで埃と蜘蛛の巣と、枯葉とゴミが積み重なっている。

「サラ! サラ! どこにいるの!?」

 次の部屋への扉を見つけ、そこを開けると「うげげ」

 そこには盗賊と思われる男達がいた。

 しかもみんな白い糸のような物にぐるぐる巻きにされて意識を失っているようだ。

「あー、きっとあれね、ヒントありすぎ、分かった。この家の主は女郎蜘蛛ね。しかも巨大なんでしょ。よくあるやつ。ああやって糸でぐるぐる巻きにして弱らせてからね、中身を溶かしてすするのね。蜘蛛ってさ」


「よく分かっわたねぇ!」

 とおばあさんみたいなしゃがれた声がした。

 はっと気がつくとすでに巨大な蜘蛛が天井一杯に張り付いていた。

 デカい腹に赤く長い足が四本、そして腹から上は女性でしなびたおっぱいにしわくちゃの顔だった。

「でっかいなー、婆さん」

 とおっさんが言い、蜘蛛は気分を害したような顔をした。

「うちのメイドがお邪魔してると思いますけど、返してもらえます?」

 と私が言うと、蜘蛛はケッケッケと笑った。

「若い娘はもう食っちまったけど?」

「炎爆!」

「ギャアアああああああ! ちょ、危ない!」

「サラを食べたですって? 本当に?」

「本当だったら?」

「燃やす、壊す。足一本も残さない。焼き尽くしてやる! 炎爆! 炎爆! 炎爆!」

 私はかっとなって炎の玉を乱発した。

 サラを食べたなんて許さない!


「ぎゃあああ、やめて! ちょっと! 嘘だから! 食ってないから!」

「ええ?」

 隅っこの方に縮こまった蜘蛛のばあさんを睨むと、

「く、食ってないよ。あれは囮にしようと思ってさ」

「囮?」

「そうさ、あんな上玉の魔力を纏ってるんだ、さぞかし上級魔術師のとこのメイドだろう? あのメイドを助けに来るあんたみたいな魔術師の魔力を食ってやろうと思って」

「炎爆!」

「ぎゃ! だから食ってないって言ってルだろ!」

「じゃ、返して」

「……」

「炎爆……」

「分かったよ……代わりにさ、あんたの魔力をちょっと分けてもらえない?」

 じろっと睨むと蜘蛛のばあさんはしょぼんとなって、

「だって腹が減って動けないんだよ。狩りに行くにも死霊王がこの近くにいるって話だしさ」

「死霊王って」

「そもそもあたしは人間なんか食わないよ。人間なんか腹の足しになるもんか」

 私はいつもおっさんや妖精達にあげるような魔法玉を作ってぽんっと投げた。

 蜘蛛のばあさんは嬉しそうに長い足でそれを受け取り、ちゅうちゅうと吸い始めた。

「おっさん、ヤトとサラを探して来て、どこかにいるはず」

「よっしゃ!」

「分かったー」

 とヤトとおっさんが姿を消した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ