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電信柱と月明かり

作者: 檸檬

あなたを初めて見かけたあの場所


月明かりが綺麗だった


小学校の運動場裏、しんとした


夜の道に均等に並ぶ


電信柱をみつめてた


夜の森のような


その目線の先に

だまっているよな月明かり


青梅をつけてから降った雨


この道を

静かな静かな川のように

流れていった


真っ赤な梅干しを手にとるころには


さくらいろのぼんぼりが灯った通り


夜の校庭の木に

土の中から這い出てゆっくりと登るセミ達を


みていたのも月明かり


明日の朝になれば皆一緒に合唱する


校庭を駆け回る子供たちに共鳴する

みたいに


今は静かな通りみち


電信柱をみつめてた


夜の森のような


その目線の先に

だまっているよな月明かり


あの日私の誕生日


あなたをはじめて見掛けた


蝶のようにスカートをヒラヒラさせて


ヒールをはいて踊るように歩いてた


ふと


しんとした通りに響く


誰かの口笛を聞いてたちどまった


あなたの目は潤んでいたみたい

夜の海みたいに深く


少し酔っていたのかひらひらと


左右に蛇行しながら電信柱に


もたれ掛かって黙って月を見上げてた


そんなあなたを私は夏の夜に

はじめて見掛けた


誕生日の夜に


月姫が目の前に現れたみたいだった


今だから言うけど


私は


月の目であなたを見つめ

月明かりのように

そっとあなたを包んでしまいたく

なったことを覚えている

























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