第1話 呪命開幕
初めてのホラー小説に挑戦してみましたー!
多分全然怖くないと思うので安心して見てね!
…鳴り響くサイレン。
…辺りを照らす赤色回転灯、即ち紅い光。
「…ぁ…あぁ…」
目の前には血塗れで倒れて動かない二人の男女…両親だ。
僕達は帰り道に、信号無視した車と衝突し事故に遭った。
知らない人達が自分達をスマホで撮影している。
…何故助けようとしない?どうして真面目な顔で必死に撮影してる?なんでその必死を救助に使わない?
そんな事が頭をよぎったが、一人だけ撮影もせずこちらに近づいてくる同い年くらいの少女がいた。
しかし僕に近づいてくる少女を誰も撮影しようとしなかった。
そして少女は僕の前にしゃがみ、耳元で囁いた。
「…私が君を助けてあげようか?」
正直言うとそこまで未練がある訳ではない。でも、ここで人生を終わりにしたくない。死ぬならせめて寿命で死にたい。だから、まだ死にたくない。自身の体の限界まで生きたい…いや、これを未練と言うのだろうか?
…僕は生きたい、と頷いた。
「…ありがとう。」
何故か僕が少女にではなく、少女が僕に感謝したのだ。
「これでようやく…私は…」
その後、僕の意識は途絶えた。
あれから数日。
僕は入院していた病院を退院し、新しい学校へ転入したのだ。
「…それじゃ、自己紹介をして下さい」
僕の名前だけが書かれた黒板を後ろに、僕は知らない人達の前で自己紹介をする。
「…僕の名前は愚神零人です。まだこの学校の事、何もわからないのでこれからよろしくお願いします。」
「じゃあ、零人君はあの席に座って下さい」
僕は指定された後ろにある窓際の席へと座る。
すると隣の席にいる同級生から声を掛けられた。
「なぁなぁ、お前が零人って言うのか?」
「…そうだよ、さっき言ったじゃん。」
「すまん!寝てた!」
なんだこの人。そう思いながら前を向いた次の瞬間。
「危ねぇっ!!!」
突如その同級生に手を引っ張られた、その直後。
パリーーン!!と大きな音を立てて突然ガラスが割れた。
その直後、教室は悲鳴に包まれた。
「お、おい、大丈夫か!?」
「…ありがとう、間一髪だったよ。…でも何で急に」
ガラスが割れたのは、飛んできた鳥によって割れたようだが、学校のガラスは強化ガラスなので、本来は鳥が飛んできた程度では割れないはずだ。
「わからん。でもお前にはとてつもなくヤバい何かが憑いてるからな…それのせいかも」
「…とてつもなくヤバい何かって…」
何だそれは。彼には霊感でもあるのだろうか?
「俺、霊感あるからさ。そういうの視えるんだよ。」
予想的中だった模様。
「とりあえず保健室に行くか。先生、コイツを保健室に連れて行きますねー」
「わかった。あと人の事はコイツと呼んではいけません」
「はいはい、そんじゃ行くぞ。」
「はいは一回です」
「チッ…面倒くせーな…(小声)」
保健室にて。
「いやー保健室に来て正解だったなぁ。まさかちっちぇガラス片が腕に刺さったなんてな。」
「…いや…本当にありがとう。」
「気にすんなって、人として当たり前だろーが。」
最初は変な人だと思っていたが、実はかなり人思いの良い人なのかもしれない。
「あ、そーいや俺の名前言ってなかったな。俺の名前は、一ノ瀬弦太。よろしくなー」
「…改めて僕は愚神零人、よろしくね。」
「おう。にしても何なんだ、お前に憑いてる『ソレ』。」
ソレ、と言われても僕には何も見えないので何もわからない。
「…わからない。」
「ま、そうだよな。とりあえず応急処置も終わったし、戻ろうぜ。」
そう、このガラス片を取り、応急処置をしてくれたのは保健室の先生ではなく彼、弦太なのだ。
…戻る道中。
「君、凄いよね。こんな事出来るなんて。」
「俺、霊媒師とかの家系なんだけどさ、俺には向いてないらしくてさ。だからその分こういう系の事は一通り出来る様にしてんだ。」
弦太が霊媒師の家系である事にまず驚きだが、向いたないからと言われあんな応急処置も出来るとは、弦太は凄いなぁと思っていたその時。
「…な、何、これ。」
「こんな階段さっきまで無かったよな?」
本来2階に上がるはずの階段があるはずなのだが、そこには綺麗な校舎とは真逆でボロボロの見たことない階段が目の前に広がっていた。
弦太の反応を見る感じ自分たちが気づかなかっただけで元々このような階段だった訳ではない事はすぐにわかった。
「おや、君達は…」
いつの間にか、ボロボロの階段に座っているジャージを着た男のような見た目をした女の子がいた。
「お前、誰だ?この階段は何だ!」
「いやちょっと待てって。別に僕は何もしてないよ?」
「…君、女の子なのに自分の事『僕』って言うんだ、ちょっと変わってるね。」
「へぇ?君、僕の事よく女ってわかったねぇ?」
「え!?お前女なの?!」
「…弦太、ちょっと静かにしてて。」
「お、おう。」
弦太は静かになったので、僕は彼女にいくつか質問をした。
「…君、名前は?」
「僕かい?僕の名前は蒼崎鈴音。」
「…じゃあ、鈴音、この階段は何?さっきまでこんな階段は無かったはずだけど?」
「いいや?この階段は何も変わっちゃいない、ずーっとここにあるよ。」
「…どう言う事?」
「簡単さ、この階段はずっとここにあるけど、普段君たちが見えてなかっただけで、この階段はずっと存在していたんだ。」
…だとしたら、一つだけおかしな点がある。
ずっとここにある、存在しているはずなら、弦太が初めて見たような反応をするはずが無い。彼は一応霊感を持っている。なら普段見えているはず。
「…弦太、一応聞くけど、この階段って普段から見えてた?」
「いや、普段から見えてたらあんな反応しないだろ。」
だよね。
うーん、と考えていると、突然鈴音が吹き出した。
「あっはははは!!!!!!面白いね、君。」
「…え?」
「僕はただ君達をおちょくっただけだよ。それなのにそんなに本気になっちゃって…かわいいねぇ転入生クン。」
「…やっぱり、普段はこの階段は無いんだ?」
「そうだよ、僕はただ君、転入生の顔を見てみたかったからこの階段を展開させただけさ!いやぁ見にきて正解だった。気に入ったよ、転入生クン。」
…どうやら僕は彼女、鈴音に気に入られたらしい。
「俺…仲間外れにされてない?何か、いないもの扱いされてない?!」
弦太が問いかけてきた。
確かに弦太も僕と同じような反応だったはずなのに何故か僕だけが気に入られたのだ。
「…君は何度も顔見てるし、つまんないから。」
「ガーーン!!!!」
弦太はきっぱり言われてしまった。
「てか、逆に君の名前はなにさ?」
「…愚神零人。」
「零人…ねぇ?おっけ。覚えたよ、これからよろしくね?」
そういうと鈴音は突然僕に抱きついてきた。
「…え?!何何何!?!?!」
「だってほら、外国では挨拶としてハグするだろう?それとおんなじさ。」
「…いや、ここ日本なんだけど。そういうところのグローバル化はいらないんだけど。」
「ははっ、益々気に入ったよ、君の事。」
僕が鈴音に抱かれているところをただひたすら見ている弦太はどんな気持ちなんだろう。
そんなこんなでようやく教室に戻ってきた。
しかし、戻ってきた教室には誰もおらず、下校後のような雰囲気になっていた。
…ただ、ある一点だけを除いて。
「…え?」
「な、何なんだよこれ…」
そこには首吊り自殺している先生と、それを見つめる少女がいた。
しかも、その少女には見覚えがあった。
「…君は…!」
「先生!」
弦太は先生の元へ駆け寄った。
「…弦太、待って!そこに女の子が!」
「女の子?何言ってんだ、そんな事より先生が!」
まさか…弦太には見えていないのか…?
少し困惑していると、少女がこちらに振り向き、こちらへと歩いてくる。
「私は…あなたのお陰で死ねた。」
少女は笑いながら僕に近付いてくる。
僕は何故か少女に恐怖を感じた。
「…君は一体何なんだ…?!」
「あなたのお陰で救われた。」
少女は僕の質問に答えずどんどん近付いてくる。
僕の恐怖心はどんどん増していく。
「…先生を殺したのは君なのか!?」
「あなたのお陰で…」
「…僕の話を聞いているのか…!」
そして遂に僕との距離がほぼゼロとなり、少女は僕の耳元で囁いた。
「シュメルツから…逃れられた。」
その言葉を残し、気がつくと少女は消えていた。
「…シュメルツから逃れられた…って…一体…」
「零人!さっきから何一人で喋ってんだ!早くしないと先生がっ!!」
弦太は先生の首に巻かれている縄を解こうとしている。
「…切った方がはやい!」
そう言って僕は教室の道具箱からハサミとカッターを取り出し、縄を切断し、先生を下ろすことに成功したが…。
「やっぱりダメか…死んじまってる…」
「…そんな…。」
先生の突然の自殺、僕と弦太以外の生徒の失踪、あの少女が残した『シュメルツ』という言葉…。
「…一体、僕の『周り』で何が起こってるんだ…?」
うーむ、やっぱ文章だけで人を怖がらせるのって難しいね。