1話~バイト探し~
拙い文章ですが、広い心で楽しんでいただけると嬉しいです。
私の名前は佐藤愛衣。現在大学1年生。
大学受験の終わった高校3年生の2月の終わりのころから近所の焼肉店でバイトを始めた。
ー2月ー
場所は近所のファミレス。小・中学校が同じで今でも仲良しの地元の友達、優香と美咲とどこでバイトするか会議をしていた。
優香のケータイに1本の電話がかかってきた。
「もしもし?」
「よ!優香さぁ、この前バイトどこにしようか迷ってる、みたいなこと言ってた
じゃん?」
声が大きいのか音量が大きいのかまる聞こえだった。美咲も同じことを思ったのか目が合った、顔は少し笑った。
優香は気づいていないのかそのまま会話を続けた。
「うん。」
「それ、どこにするかとかもう決めちゃった?」
「いやぁ、まだだよ。今、友達とちょうどそのこと話してるとこだよ。」
「え、ナイスタイミングじゃん。俺のバイト先知ってるでしょ?どうかなぁって
思って。」
「あー。焼肉屋でしょ?うーん。良いとこなの?」
「良いとこ!良いとこ!楽しいよ。今、バイト人数足りてなくてさぁ。優香んち
からも近いじゃん?」
「近いねぇ。近いからそこもどうかなぁって話でてたよ。」
「俺から紹介とかもできるしさ、その友達にもっかい話してみてよ。」
「良いけど、そんな入って欲しいの?」
「タメが1人いたんだけど、就職するから辞めてさ、寂しいのよ。」
「なるほどね、わかった。また折り返すね。」
「よろしく!」
電話が終わり、優香が私達に向かって話しだした。
「高校の友達からだったんだけど、焼肉屋“章”あるじゃん?そこでバイトしてる
友達で、」
優香が話し終わる前に、美咲の口が開いた。
「そこでバイトしないか?って?」
優香は少し驚いた顔をして、
「そうそう!え、話し聞こえてた?」
「ふふ。全部聞こえた。」
美咲が笑いながら言うから私もつられて笑った。
「紹介してくれるなら楽じゃん?ほんと近いし、そこで良いと思うよ。」
私も美咲の意見に賛成だった。
「うんうん。良いと思うー。」
と、同意した。
「まぁ、、みんなが良いならそこにする?」
ちょっと優香の歯切れが悪い感じがした。
「何か気乗りしない感じ?」
と聞くと、優香は
「うーん。電話してきた友達さぁ、12月くらいに告られたって話したじゃん?
その子なんだよね。」
あー。なるほど。
12月冬休みの直前に告られたけど、振ったという話を私も美咲も聞いていた。
「あの話のやつか!顔がぶさいくな。」
美咲のストレートな悪口発言に優香の訂正が入る。
「ちょ、そこまでは言ってない!まぁかっこよくはない、あと性格もタイプじゃ
ない。」
「女々しいかんじって言ってたよね。」
「そう。」
振った相手と同じバイト先はちょっと気まずいか、。
「優香が嫌なら、違うとこにしようか。」
「うーん。でもそこまで気まずくもないっていうか、冬休み明けとか普通に話し
かけてきたからそのまま話せるようになって、友達に戻ったっていうか。うん、
だから、まぁ、大丈夫。」
「まぁ。優香が大丈夫なら。ね?」
美咲と目を合わせる。美咲も頷きながら。
「うんうん。“章”紹介してもらう?」
優香は30秒くらい手を顎に当て考え、沈黙ののち、
「そしようか。」
とケータイを手にと取り電話を掛け始めた。
ーそれから3日後ー
優香の折り返しの電話の後、面接の日が今日に決まったので、3人で一緒に“章”に来ていた。
店に入ると、1人スタッフが出てきた。
「よ!優香。」
どうやら例の友達らしい。失礼だが本当に顔は少し残念な感じだった。
美咲も思ったのであろう、顔がにやけていた。
「滝。紹介ありがとね。こっちが愛衣でこっちが美咲。」
優香が私達をそれぞれ指指して紹介した。
2人で若干の会釈をした。
「滝川よしとです。よろしく。店長呼んでくるからちょっとここで待ってて。」
近くのテーブルで座っているよう言われ、滝くんは店の中の方に入っていった。
滝くんの姿が見えなくなった途端、美咲が
「ほんとにかっこよくないね。」
「ちょ、いきなり笑わせないで。」
私も優香も笑いをこらえた。いや、少し耐えられず笑い声がでた。
「美咲、滝くんの顔見た瞬間にやけてたもんね。」
「え。佳奈に見られてたの?だって、想像を超えてきたもん。」
「いや、それはうちも思った。」
優香はもう完璧にこらえきれず笑っていた。
「うける。ちょ、2人とも言いすぎ。」
しばらく3人で必死に笑い声を出さないよう笑っていると、店長らしき人がでてきた。
少し、いや結構体格がいい、というか太めなかんじで、30代くらいに見えた。
その人はテーブルに座りながら話し始めた。
「こんにちは。店長の安藤です。滝川くんから話しは聞いてます。3人とも4月
から大学生で、バイトするのは初めてってことでいいかな?」
「はい。」
優香が返事をした。
店長は少し笑顔を見せ、
「いろいろきちんと教えていくのでそこは安心して下さい。紹介だし採用という
とで、まず履歴書からもらおうかな。後この紙、各々必要なところを今書いて
欲しいです。」
ボールペンと紙を渡された。銀行口座などを書く書類だった。どうやら最初から採用決定だったらしく、その後も必要書類や勤務希望日の提出で、これが面接というのか?という感じだった。
最後にホール担当とキッチン担当の2つ業務のどちらがいいか希望を聞かれた。
優香はキッチン希望で、そのままキッチン担当に。
私と美咲は希望はなかったため、ホール担当となった。
「じゃあ、登録に1週間くらいかかるから、また連絡します。」
と、こんなかんじで私達のバイト先は決まったのであった。
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