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第7話 ルヴィニ夫人との出会い


 ある時、ルヴィニ夫人の世話を務めることになった時のこと。


 彼女はよく誰かと手紙のやりとりをしている。

 封筒に書いてある丸い字が、どことなく村で一緒に暮らしていた母親の丸い字を想起させた。


(村が焼けた後、わたしの両親の遺体をアイゼン様が見つけようとしてくださったみたいだけれど……結局見つからなかったみたいね……)


 村の全てが燃えてしまったのだから、仕方がないと言えばそうだ。

 こきつかわれることが多かったとは言え、時には優しく振舞ってくれることもあった両親。


(遺体がないせいで、冥福を祈ることしかできないわ……)


 感傷に浸っているうちに、ルヴィニ夫人の部屋に着いた。

 いくつかの封筒を彼女に手渡して、さあ今から仕事を始めようかという際――。


「あ、あなた……! どうしてこんなところに……!」


 なぜだか、彼女はわなわなと震えながら、わたしの方を指さしてきた。

 夫人のくすんだ金色の髪色と赤茶けた瞳は、どことなく曇りの強い鏡で私自身姿を眺めているような、そんな不気味さもある。


(ルヴィニ夫人ったら一体どうしたの……?)


 その日は、青ざめた彼女を見て違和感があっただけだったのだが――。




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