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天狗様といっしょ  作者: kano
第二章
106/210

天狗様、協力を要請す(2)

「ごめんね、藍ちゃん。買い物に付き合ってもらって」

「ううん、色々見られて面白かった。私、ああいうお店初めて行ったよ」

「瑠璃さんにああいったご趣味……というより、特技がおありだったとは、些か意外でした」

「そ、そうですか?そんな大層なものじゃ……」

 今日も今日とて、瑠璃ちゃんと後鬼さんと私の女性陣は仲良くお出かけです。今日は瑠璃ちゃんが行きたい店があるというのでお供し、今は三人で優雅にランチ後のお茶を楽しんでいる。

 テーブルにはダージリン、ハーブティー、ウインナコーヒーそしてミニサイズのケーキが並んでいる。

 その前には、仲良しの女の子たち。

 こういう風景をどれほど望んだことか……!

 同性の友達なんて作れないと諦めかけていたところに思わぬ出会いが訪れ、今こうして長年の秘かな夢が叶ったのだ。

 ちなみに後鬼さんも、ゆっくりお話してみたかったけれどなかなか機会に恵まれなかった……。なので今日、治朗くんに代わる護衛役としてご一緒できたのはラッキーだった。

 ここにいるのが治朗くんだったら、絶対に殺伐とした空気を生み出していたんだろうな……。

「ねえ藍ちゃん」

「なに?」

 瑠璃ちゃんは、すっかり「藍ちゃん」呼びに馴染んでくれた。未だに嬉しくて飛び上がりそうなのを、我慢している。

「比良山くんて、意外な趣味とかあるの?」

「へ、治朗くん? 意外な……趣味かぁ」

「治朗坊様は、とても真面目で修行に熱心と伺いますが」

「う~ん……趣味とか寛いでるところを見たことないかも……いつも難しい顔してるし」

「部屋にこっそり何か置いてるとか?」

「治朗くんの部屋って本当に何もないよ。びっくりするくらい」

「確かに、物欲には乏しそうですね」

「今度聞いてみたら?何か趣味はないのかって」

「…………聞いたら、怒られそう……」

「え、なんて?」

「俺はお前を守るという責務を負ってここにいるのだ。趣味などに興じている場合か!とか言って……」

「仰りそうですね……」

 自分で言っておいて怒られたような感覚に陥った……。

「じ、じゃあ太郎……さんは?」

「太郎さん……は、最初の出会いが出会いだったから、何もかもが意外な気がする……」

「確か……中段蹴りをお見舞いなさったとか」

「え!?」

「今でもしますよ。不意をついてすり寄ろうとしてくるから」

「自業自得だから何とも言えないね……」

「しかし、藍さんが意外に思う一面もあるということですか?」

「それはまぁ……料理上手とか、なんかやたら人望あるとか、愛宕山の裏方を一手に引き受けてるとか」

「そうなの!?」

「そうらしいよ。部屋にもパソコン持ち込んで、時々何かやってるし」

「お山のお役目をパソコン処理化したのは、太郎坊様が初めてでしたね」

「え、パソコンでやってるの!?」

「本当、色々驚かされるよ……」

 ふと、天狗様たちだけの我が家を思い浮かべた。大事な話があって大天狗だけで集まるって言っていたけど、今頃、何を話していることやら……

 今日は何時に宴会と化すのやら……

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