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私シリーズ短編集  作者: くろかぜ
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ハンガー

洗濯機が止まった。電子音が数回鳴り、呼び出される。

自宅。たまった洗濯物をと洗っている。

ここ数日の間、何だか億劫でサボったのだ。お陰で洗濯カゴ3つ分溜まってしまった。

この暑い時期、カビが生えなかったのは幸いだった。

(って生えてるじゃねーか!)

タオルに若干生えていた。

そのタオルはあとで消毒するためよけておく。ほかは無事なようだ。

洗い終わった洗濯物をハンガーにかけてベランダの物干し竿ざおに干す。

干す……そうしようとしたのだが。

物干しざおには既にずらりとハンガーがかかっていた。

ハンガーにはそれぞれ人間が掴まっている。

掴まっている人間は、スーツを来たおっさん、制服姿の中学生、お婆さんなどなどと多様だ。

誰が干したのか?

って独り暮らしなのだから私という事になるのか。

いやそんなはずはないと思うのだが。

その光景を眺めながら困惑していると。

「いやーどうもすみません」紺色の制服を着た中年男性がどこからともなく現れて話しかけてきた。

「私、トウナン電鉄で車掌をしてるものなんですが、干す場所間違えちゃいましてね」

一軒家でどう間違うのか謎だったが、そういうことなら仕方あるまい。

(でもこれどうするんだろう)

思案していると、車掌は「じゃあこれ持っていきますんで」と笛を鳴らす。

すると乗客だろうか?彼らはめいめいハンガーを持って我が家の中へ入ってきた。土足のままで。そしてそのまま何事もなかったかのように玄関から出ていった。

車掌もいなくなっていた。

私は我に返り洗濯物ハンガーをを干すのだった。



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