謎の魔物討伐のクエストを受ける姫
ここはアイレル大陸。アイネアス・エンスは別の大陸に居た。このエンスフィールドは
三つの大陸があり、ここは東側にある大陸だ。
ここでもエンス国の事は知られているが、アイネアスの事はあまり知られていない。
それでも知っている者がいるかもしれないので、アイネアスはアイネスと名乗る
事にした。
アイレル大陸の一番南にある街、ウエリーナ。港もあり、他の大陸からの
冒険者や商業達が来る場所でそれなりに栄えている。
街を散策するアイネス。すると、頭の中で精霊が話しかけてきた。
「こんなところに来なくても魔王がいそうな場所を探せばいいのに」
「そうだけど。すぐに倒しちゃったらつまらないじゃない。せっかく家を
出てきたんだからもっと旅を楽しまないとね」
話しているのは精霊の一人、ミルだ。光の精霊で人間の姿にも変われて
その時は美人で大人の女性になる。
宿に入り、これからの事を考えるアイネス。鎧を脱ぎ、下着姿になる。
「やっぱり仲間を増やそうかな。一人でも十分だけど、話し相手も
欲しいしね」
「必要ないと思うけどねあなたには」
「わかってないわねミルは。旅は大勢でするのが楽しいのよ」
そう話しあい、この日は眠った。翌日、街の酒場に行って、色々
情報を聞いた。
街にはギルドがあり、そこに登録すると、声をかけられたり、自分から
話しかけて仲間にしたりすることもできるらしい。
アイネスもそこで登録をした。待つのを退屈なので何かないかと
受付の人に尋ねた。
クエストをするのもいいかと言われた。それで賞金を稼ぎ自分を
強くしていく事ができるからだ。
でも、アイネスはすでに最強で資金もたんまりある。必要ないが
暇つぶしにと受ける事にした。
受けたのはとある場所にあるダンジョンで、最近、そこで強力な
魔物が出るというものだ。
ここは初心者用もある場所で、そこまで強い魔物も出るはずが
ないらしいのだが、その魔物は大勢で向かっても歯が立たず
誰もやろうとはしないクエストだった。
アイネスはそれを受けた。受付の人からも心配されるぐらいだが
アイネスには問題のない事だった。
街から離れてた森の中。そこに大きな穴があった。ここがその
ダンジョンだ。
「さて、どんな魔物が出るか楽しみね」
そう中に入ろうとした時、誰かに声をかけられた。
「お嬢ちゃん、一人で行く気かい?」
「?あなた達は?」
「俺達はギルド、フェニックスだ。これからここに居ると言われてる
強力な魔物を倒しに行く所だ。まさか、お嬢ちゃんも」
「そうよ。賞金もたくさんあるみたいだしね」
「確かにそうだが、お嬢ちゃんみたいなのが倒せるとは思えないぜ。どうだ?
一緒に行かないか?ちゃんとわけまえもするぜ」
「・・・そうね。じゃぁ一緒に行かせてもらおうかな」
「おお、女の子が一緒だぜ」
「ああ、俺ら男だけだったからな。これでやる気も出るぜ」
他の男達が喜ぶ。アイネスは遊びのつもりで一緒に行く事に
した。彼らは十人程いて、いろんな職業がいる。
中に入ると弱い魔物と戦ったり、罠を抜けたりしていく。
やはり普通のダンジョンの様で目的の魔物は中々出ない。
途中で休憩をする事にした。そこで男達がアイネスに近づいて
来て、触って来たりする。
アイネスはそういう知識もあり、興味もあるので嫌がらない。それに
すぐに吹き飛ばせるので少し楽しんでいた。
すると、奥の方から怪しい気配が漂ってきた。その不気味な気配に
気づき、アイネス達はその方に向かった。
「なんでしょうかこの気配」
「ああ、とてもここにいる魔物とは違うな。お前ら、気を引き締めて
行けよ」
「了解」
さっきまでスケベな事をしようとしていた男達も危機感を感じたのか
声を震わせながら言った。
そして、奥に進むとそこには怪しげな者がいた。それはフードを
かぶっていて姿は見えないが、人の姿をしている。
「あいつが例の魔物か?」
「でも、人にも見えますよ」
「どのみち、戦わないとわからないさ。行くぞ」
男達はすぐにそれに向かって行った。するとその魔物?が手を
出した。次の瞬間、男達は一斉に吹き飛ばされた。
「へぇやるじゃない。倒しがいがありそうね」
アイネスは後ろで見ていた。次々と男達が倒されていき、全員が
倒された。
「あとはお前だけだ」
「あらっ話せるのね。まぁいいわすぐに倒してあげる」
「できるならやってみろ」
アイネスと魔物の戦いが始まった。