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魔王を追い返す姫?

 剣と魔法の世界、エンスフィールド。そこでは魔王と人の争いが続いていた。

 魔王は強く、一度は人も滅びかけたが、その魔王を追い詰めた勇者が

いた。それにより、魔王も一度引いて、人々はそこから復興した。

 魔王が動かないうちに力をつけようと人々は魔法に力を入れ、そこに

精霊の力を借りたりなどして魔王達への対抗手段を手に入れた。


 そうして再び魔王が動き出し、世界を支配しようとしていた。今、人々側には

あの時の様な強い勇者がいなかった。


 それでも、魔法、精霊の力でどうにか対抗していた。そこに魔王は世界を

治めている国の姫をさらい、人々に恐怖と不安を与えようとした。


 しかし、それが魔王の誤算だった。


 エンス王国、世界の中心であるこの国の姫はあまり表には出ず、本当に

いるのかとも言われているが、国の人達はその姫を知っている。

 

 アイネアス・エンス。エンス国の姫だが、その姿は姫らしくは

なかった。可愛いくスタイルもいいのだが、女の子らしい事が

苦手だった。

 魔法が好きで、いつも魔力を放出していたり、精霊を探しに行っては

契約をし、さらに魔法を強くしていた。


 それでも一応姫なので、たまには表に出て民を安心させたりするが

やはりそう事は苦手だった。


 そうしてアイネアスは18歳になった。その時にはこの国では

最強にまでなっていた。魔法だけでなく剣術も武術も習得し

へたな剣士や魔法使いより強かった。

 そこに、あの魔王が姫をさらにやってきたのだ。


 エンス17世と妻、アルマ。そして、国の騎士達がそろっている王の間に

いた時だった。

 魔王軍が攻めてきたという知らせがあり、国は一気に戦争にへとなった。


 魔王、ゼノスとその幹部である四死者しししゃが攻めて来て

国は追い詰められた。


 自分の部屋に閉じ込められたアイネアスは退屈していた。自分も戦いたいのに

部屋にいるように言われたのだ。


「暇だな。誰か攻めて来ないかな。そうすれば嫌でも戦えるんだけどな」


 と、言っているところに本当に敵が攻めてきたのだ。しかも、正面から

やってきたのは魔王ゼノス本人だった。


「お前が姫だな」

「そうよ。まさか、あんたが魔王?」

「いかにも。我が魔王ゼノス。この世界を支配する者だ」

「支配ね。それがしたいなら私を倒してからにしなさい。それができないと

とういて世界を征服するなんてできないわよ」

「・・・まさか、姫がそう言うとはな。だが、強がりはそこまでだ。さぁ

一緒に来てもらうぞ」

「だ、か、ら。それをしたいなら私を倒してからにしなさい」


 そう言って姫は魔王に向かっていた。そして、その強さに魔王は驚く。


「き、貴様、本当に姫か?」

「ええ。私が最強の姫、アイネアス・エンスよ。そうね。女勇者とでも

言っておきましょうか」

「女勇者か。確かにあの時の勇者と同じ、いやそれ以上の力を持っているな。なら

ここは一度引くとしよう」

「そうさせると思う?あんたをここで倒す事なんてわけないんだから。見なさい!!

これが全ての精霊と契約した最強の魔法よ」

「なんだと!?」


 姫はこの世界の全ての精霊と契約していた。そして、その力を放った時

魔王はその瞬間に逃亡した。

 その魔法は部屋の壁を壊し、空に放たれた。


「あちゃ、逃げられたか。まぁいいや。力を使ってすっきりしたし。でも

これ治るかな」


 自分の部屋の壁を壊したのを後悔する姫だった。そして、魔王軍は

撤退し、それをなしとげたのが姫だとも伝えらた。


 姫は母親のアルマに怒られた。いくら魔王を退いたとはいえ、姫が

戦ってどうするのとしかられ、壊した部屋とは違う所に入れられ

外に出る事が出来なくなってしまった。

 それから一週間程が経ったとき、姫は決断した。


「よし、ここを抜け出して魔王を退治しに行くぞ。いつまでもここで

引きこもってたら逆にダメになるもんね」


 そうして姫はいつものドレスから鎧に着替え、剣を持ち、旅の資金を

持って城を抜け出した。姫がいなくなったのを知ったのは次の日の

事で、一応、姫は書置きをしていたのだ。

 国は大騒ぎになったが、本人は楽しんでいた。


 精霊の力で空を飛んでいる姫。


「さて、どこに行こうかな。一気に魔王の所に行きたいけど、場所が

わからないし、とりあえず別の大陸の街に行こう」


 自分の国の大陸ではすぐにばれてしまうと思い、別の大陸に向かった。これが

最強の姫の旅の始まりだった。


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