進撃の電波と熱血と鳥 セカンド
※先にぽんさんの小説「CRYSTAL ISTORIA」を読んでね!!!!!!
「うーん、なかなか良いのが見つかんないね」
ボクはカンマ。今は鉄屑を選別してるよ。
「そうさなィ……鉄屑も本当に武具加工で出た余りもん、って感じのしか譲ってもらえねぇしなァ……」
こいつはボクのウィザードのバトラー。一緒に鉄屑を選別してるよ。
「なーお前ら、こんなもん使って何するんだ?もしや特訓か!?」
彼はセルド。鉄屑を投げ散らかしてるよ─
「って何してんの!?」
ボクは慌ててセルドの手からバッと鉄屑を奪う。
「本気で何してんの!?これはどう考えても投げるものじゃないよね!?バカなの!?ねえバカなの!?」
よく見れば、セルドの周りには鉄屑が散乱していた。中には強い衝撃を受けたのか、折れたり割れたりしているものもある。
こいつが馬鹿力なのは知ってたけどさ……まさか頭も馬鹿頭だったとは……。
っていうかこいつボクより年上だって言ってたよね?うん?ボクより年下に見えるのは気のせいかな、うん気のせいだねボク疲れてるんだ多分。
「まあまあカンマ、これほどの力があるんだから、こいつに手伝ってもらえれば早く帰れらァ」
バトラーはセルドのことが気に入ったようで、やたら彼の肩を持つ。
そりゃあ、あんだけ馬鹿力なら手伝ってもらえれば早く完成するだろうけどさぁ……。
「その前にボクが頭痛で死ぬね……」
もう付き合ってらんない。
ボクはわざとらしく大げさに溜め息をつきながら、セルドが散らかした鉄屑を片付ける。
散らかした張本人は、ボクの嫌味的な溜め息をものともせずにボクに近づき、片付けているボクの頬をつついてくる。
「なーなー、こんなトレーニングしてるってことはお前も強ぇんだろー?
その鳥も強えんだし、お前が弱いわけねえよな!
俺と戦おーぜ!なー!俺と戦おーぜッ!!なあッ!!」
「…………」
ボクはつつかれたまま、無言で自分の胸の前にぱんっと両手を合わせる。
そしてそのままその両手を離すと、今度はセルドの顔面に押し付けた。
刹那、ボクの両手から電撃が走る。
「イッッッッッてぇぇぇぇ~~~~!?!?!?」
バチィ!と鋭い音が響くと同時にセルドはビャッとボクから飛び退くと、両手で顔を覆いながらゴロゴロと地面をのたうち回った。
顔面にめちゃくちゃ痛い静電気を喰らったようなもんだ。あれぐらいジタバタするのは仕方ないよね。
でも、今の電撃も普通の人間が浴びれば火傷どころか最悪感電死もあり得るぐらいの出力のはずなんだけど……。レオといいこいつといい、脳筋には電撃耐性でもあるわけ?
「カーーッ!やるなテメー!この俺に一撃食らわせるとはなあ……ッ!」
だからさ、復活早くない?電撃だよ?感電するんだよ?なんでそんなケロッとしてんの?なんなの?ゴム人間なの?
しかもまた臨戦態勢に入ったし。何回目だよこのくだり。
実はもうあの流れ10回ぐらいはしてるんだよね。ボク天丼って好きじゃないんだ、イライラするから。
ボクは再び大きく溜め息をついて、作業を再開する。
「とにかく、折角鍛治屋さんに無理言って譲ってもらったのだし、これで何とかするしかないね」
「でもよカンマ、できんのかい?」
「バトラー、ボクを誰だと思ってるわけ?逆に小ぶりでもこれだけあれば、全然余裕だね」
「おいこらーーーーッ!俺をッ!無視すんじゃねーーーーッ!!!」
セルドがそう叫びながらボクに飛びかかって来たので、ボクはまた自分の胸の前で両手を合わせてからセルドの顔面に押し付けた。
刹那、ボクの両手から電撃が走る。
「イッッッッッてぇぇぇぇ~~~~!?!?!?」
バチィ!と鋭い音が響くと同時にセルドはビャッとボクから飛び退くと、両手で顔を覆いながらゴロゴロと地面をのたうち回った。
……ねえ、学習しなよ。
「ぐっ、またしても……!でも俺はッ!!こんぐらいでッ!!やられるような」
「ねえキミ帰らなくて良いわけ?」
ボクはやれやれとわざとらしく首を振りながらセルドに言った。
「もうそろそろ日が暮れるよ。家に帰らなくて良いわけ?親が心配するんじゃないの?」
そうだ。だってこいつはボクと違ってこの世界の人間なんだ。帰る家が、待ってる家族がいるでしょう。
だから早く帰れ。帰ってくれ。
そんな思いでこうボクは言ったわけだけれど、どうやら墓穴掘ったみたいだった。
「はぁァーーーー!?!?俺をガキ扱いすんじゃねえよこのガキ!!」
セルドはそう怒鳴ると、足元の近くに落ちていた鉄屑を拾い上げて地面にドガッと叩きつけた。
……って、なんでわざわざ鉄屑拾って叩きつけたの?理解不能なんだけど。
「確かに家族みてーな奴らはいるけどな、別に俺は帰らなくたって大丈夫なんだよ!
俺はガキじゃなくて戦士なんだからなァッ!!だから!!お前と決着つけるまで!!俺は帰らねぇッ!!
それが男の勝負なんだよぉぉぉッッ!!!」
と、まーたセルドはボクに突っ込んでくるのでボクは自分の胸の前で両手を合わせてからセルドの顔面に押し付けた。
刹那、ボクの両手から電撃が走る。
「イッッッッッてぇぇぇぇ~~~~!?!?!?」
バチィ!と鋭い音が響くと同時にセルドはビャッとボクから飛び退くと、両手で顔を覆いながらゴロゴロと地面をのたうち回っ
「天丼!!!ボク天丼大ッッ嫌いなんだってば!!!」
「カンマ落ち着け!頼むからスパナ振り回しながら暴れんな!!」
ジタバタと暴れるボクをバトラーが羽交い締めにしながら押さえつけていると、のたうち回っていたセルドがゆっくりと起き上がった。
「何回も……やっぱりやるなお前ぇ……だがッ!俺はッ!これくらいのことでッ!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!」
ボクは思わず持っていたスパナをセルドに思いっきりぶん投げた。
_人人人人人人人人人人_
> クリーンヒット! <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYYYY ̄
「グギャッ!!!」
「セ、セルドーーッ!」
はあ……。
早く帰りたい……。