英雄追放
とりあえず、作者はテンション高めのおばかさんです。
「繰り返す。グランディナ・ゴロガノスを人間界に追放することを、ここに明言する。」
あたりがざわつき出した。もう、守ってもらえないんだと悲嘆する者もいれば、泣き出す者もいた。
楽園の名はどこに行ったと、王に反発する者すら出てきた。
俺は相変わらず無表情だった。生きがいの様なものが何もなかったからである。
しかし、もう「こっち」の世界では誰も救えない、という感覚だけはあった。
しばらくして、俺は転送装置のような所に連れて行かれ、身に持っていた武器、金をすべて持っていかれた。その後、
『3・2・1・起動』
の掛け声で、視界が真っ白になった。
どれだけ寝ていたのかはわからない。ただ、起きたその時には俺は家の中にいた。
「おぉ、起きたか。」
そこには、前に追放された親友、パルジョン・トウチの姿があった。
お互いグランとパルトの相性で呼び合っている。
「パルト、どうして家を....」
「前に居候で、住ませてもらってたんだけど、家主が死んじゃってさ。
全く、この国はすぐ人を殺すんだから、もう少しわきまえてくんないかなぁ...」
「国?」
「この国の人口管理の方法なんだが、この国、ジャルキスタムでは、ある忌み子が能力を使って生死のバランスをとっているらしい。昔は1人ずつ呼んで殺していたが、その忌み子が来てから、その管理方法に変わったようだ。」
「つまり、罪もない民たちがそいつの気まぐれでどんどん殺されていってるってことか?」
「まあ、そうなるわな。」
「殺されたり、自分から命を断つことは?」
「ない。そいつの能力で、この国の民はそいつ以外には殺されない。たとえ自分自身を殺すとしてもな。」
「そいつはどこに...」
無駄だ。そいつを殺したって、この国から苦しみは無くならない。逆に、そいつを殺さず、管理を任せていたほうが苦しみは少ないんじゃないか?そう悟った俺は、それ以上は聞くのをやめた。
この判断が、後に自分を苦しめることになるとは、思いもしなかったが....
需要ないかもですけど、簡単な紹介しておきますね。
グランディナ・ゴロガノス
年齢 16歳
種族 忌み子
性格 昔はヤンチャで感情も豊かだったが、あの事件以来無感情に変わってしまった。
本作の主人公。触ったものを何でも破壊できる能力を持っている。
基本的には、黒の手袋をつけ、黒字に赤のラインが入ったコートのようなものの下に黒めの服を好んで着る。割り和食のほうが好き。