これは、〜死〜 を体感した、一人の「忌み子」の物語。
小説を書いてみたいと思い、ここで書き始めさせていただきました。
まだプロローグだけですが、ぜひ読んでいってください。
俺の、今まで起こったことについて全て話しておこうと思う。
この話はグランド・ブリュッセル、まあ、こちらの世界の言葉を借りると「楽園」で起こった物語〜
今から20年くらい前の話...
丁度23年前、俺は「忌み子」として生まれた。
忌み子とは、生まれ持って 他の人にはない能力 を持って生まれた子のことだ。
しかも、その中でも自分は、いわゆる《最強》と言われるほどの能力を持って生まれてしまった。
破壊を司る....
それが、このグランディナ・ゴロガノスに許された能力だった。
正確に言えば、1度でも触れたものは、何でも破壊できる能力だった。
その能力を使いこなすため、日々鍛錬を積んでいたある日........『ドッゴォォォン!』と、いきなりの爆音とともに、家の半分が何者かによって削り取られた。
当時13歳だった俺は、今、何が起こっているのかをすぐに理解した。
いわゆる「忌み子狩り」と呼ばれる無法者たちが、押し寄せてきたのだ。忌み子に何らかの不快感を持っている連中の集まりだ。あのときは、確か150人ぐらいが押し寄せてきた。
忌み子狩りたちは3時間ほど死闘を繰り広げた末、殺しきる...言い方が悪いな。破壊することはできたが、代償は大きかった。
最初の爆撃で母を亡くし、殺されそうになった俺を父が庇って殺された。
泣いた。涙が枯れても泣き続けた。一晩中、泣き続けた。
俺は、その日を境に、グランド・ブリュッセルで悪行を行う者に正義の鉄槌を下していった。
どんな者も殺した。反乱を起こす者、民を苦しめる者、小さい子供も、年老いた老婆も....
悪行を起こす者は、何であろうと殺していった。眉一つ動かさずに。ここを「楽園」と呼ぶにふさわしい大地にするため」というのが建前であり、何か聞かれたらそう答えた。しかし本音は、もう、俺みたいな思いを誰にもさせたくなかったから....
そんな俺を、巷では「英雄」と呼ぶものが出始めた。別にそんな風に呼ばれるために、俺は今まで動いてきたわけではなかった。大して嬉しくは無かったが、嫌な気もしなかった。
そんなある日、俺は王宮に呼ばれた。どうも、王国の最優秀なんちゃらとやらに選ばれたそうだ。
しかし、表彰の数分前、誰か(恐らく忌み子狩りだろう)が、王に何かを吹き込み、表彰式の最中に、王はいきなりこう言い放った。
「こいつは、その内罪もない民にまで楽園の餌食とほざきながら殺すであろう。
そのような危険な人物を野に放って置くわけにはいかん。これより、グランディナ・ゴロガノスを、人間界に追放することを明言する。」
次回、いつ書けるかわかりません。
もし、読んで頂けているのなら、やまっしーを生暖かい目で見守ってあげてください