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第29話「修業再び」

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 ティターニア様エモシオン出店の下見も終わり……

 俺達は我が店『エモシオン&ボヌール』へやって来た。


 皆さんはご存じだろうが、念の為、説明しておこう。


 エモシオン&ボヌールの店舗は2階建てである。

 1階がエモシオンとボヌール村の名産品を売る、物産店。

 2階はハーブ料理&ハーブティを売りにしたカフェなのである。

 従業員用更衣室、トイレ、倉庫も当然ある。


 さてさて!

 リゼットの両親、ジョエルさんフロランスさんのブランシュ夫妻は、主に1階の物産店で仕事をしている。


 陳列台、什器等々も最近は新たなものと入れ替え、雰囲気も一新。

 壁にはクラリスが描いたエモシオン、ボヌール村の風景画が飾られている。


 食品だけでなく、一画にはクラリスの作った洋服、俺とレベッカ合作の亡きオディルさんの意匠を継ぐナイフなども売られている。

 まあ、はっきり言って万屋(よろずや)的な『何でも屋』だ。


「ティファナ様! いらっしゃい!」

「いらっしゃいませ! ティファナ様!」


「わあ、素敵なお店ですね! エモシオンとボヌール村の名産品がいっぱい!」


「ははは、仰る通り。エモシオンとボヌール村周辺の名産品、殆どを取り揃えていますよ! それより歩き回られて、お腹が空いたでしょう? 先に2階でランチにしましょう」

「ええ、夫の言う通りですわ、ティファナ様。2階はランチ営業が終わり、既に私達の貸し切りになってますから。あ、しばらく後をお願いねぇ!」


「了解しました、副支配人」


 事前に話が通っていたらしく、パートタイマーのエモシオン奥様が、

 フロランスさんの求めに応じ、元気良くOKの挙手をした。

 そう、今や俺の義両親ブランシュ夫妻は、この店の支配人、副支配人を務めているのだ。


「さあ、こちらです」

「ティファナ様、階段が少し急ですからお足元にお気を付けて」


「ありがとうございます」


 おっとぉ!

 相変わらず、ブランシュ夫妻は憧れの妖精女王ティターニア様へ凄く気遣い。

 下にも置かぬもてなしぶりだ。


 一方、またも放置状態。

 折角ひさしぶりに両親に会ったのに……

 

 俺の嫁で第一夫人、ふたりの愛娘リゼットは苦笑。

 もう諦めたというか、両親のミーハーぶりに呆れている。

 ここは俺がフォローだ。


 リゼットを本名で呼びたいから、こっそり念話で呼びかける。


『おうい、リゼット。今日の埋め合わせにちゃんとケアするぞ』


『え?』


 いきなり話しかけられ、びっくりし、俺を見るリゼットへウインク。


『必ずまたエモシオンへ連れて来るからな』


『旦那様……』


『お父さんとお母さんはご機嫌だし、水を差すわけにいかない。今回は我慢してくれ』


『あ、ありがとう、旦那様』


 釣った魚にエサはやらないというダメ夫が良く居る。

 しかしそんな事じゃダメ。

 妻と仲良く、末永く支え合う為には気配りが必須。


 こんなやりとりで、リゼットの機嫌はすぐ直り、晴れやかな笑顔となってくれたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 エモシオン&ボヌールの2階はお洒落なカフェ。

 メイド服姿の女子が給仕をしてくれる。


「お帰りなさいませ、お嬢様、ご主人様」


「へぇ、お帰りなさいって……随分変わったお出迎えの言葉ね。それに着ているのはメイド服の別バージョン?」


「ははは……」


 前世日本の某電脳都市ではお馴染みのメイドカフェ。

 この接客言葉を定着させたのは俺ではない。

 サキである。

 研修という形で短期バイトをした際、当時のスタッフと一緒に使ってみたら、客に大うけ。

 あっという間に定着してしまったのだ。


 全員が着席すると、もう用意はしてあったらしく、間を置かず数多の料理が運ばれて来た。

 ハーブティーに始まり、野菜たっぷりのポトフ風スープ、同じく野菜のロースト、鱒の香草焼き、同じく鱒のハーブパン粉揚げ、同じく鱒のディルマリネ、チキンソテー、香草を加えた鶏肉のトマト煮、デザートは香草入りチーズスフレである。


 ずらりと並んだ料理を前に、ブランシュ夫妻は胸を張る。


「さあ、ティファナ様! ウチの店、自慢の料理ですよ」

「遠慮せず、お召し上がりください!」


 ティターニア様は両手を固く合わせ、感動に目をうるうるさせている。


「わあ! 全部素敵ね! それにハーブの良い香り」


 ベリザリオとアルベルティーナも……


「おお……オベロン様の王宮でも、これほどまでは……」

「ティナはユウキ家の料理の方が好きだな~、でも食べ比べてみよう」


 妖精軍団は三者三様の感想を発した。

 そして、サキとロヴィーサも……


「うわ! すご!」

「美味しそう!」


 それぞれ違う形容詞を発していた。


 そして1時間後……

 俺達は出された料理をデザートまで完食。

 再度出されたハーブティーを飲んでいた。


 ティターニア様が……念話で話しかけて来た。

 事情を知らない一般のスタッフが居る居る為だ。


『お父様』


『は、はい。ティターニア様』


『サキちゃんのセリフじゃないけど……凄いとしか言いようがないわ。この店のハーブ料理も、そしてユウキ家のハーブ料理もね』


『そ、そうですか』


『ええ、このカフェの内装、そして1階の物産店の内装も、充実した品ぞろえも、おいそれとマネできるものじゃない』


『……………』


 ティターニア様は一体何を言うのだろう?

 俺の顔をまっすぐ見ながら、ティターニア様は言葉を続ける。


『だから今回の出店計画は、ペンディングって事になるわ』


『ええっ? ペ、ペンディング……ですか?』


『うん! このエモシオン&ボヌールと同じテイストの店では、全く勝負にならない。いくら妖精テイストを加味しても無理だもの』


『…………』


『と、いう事で、折角店舗を用意してくれたオベール様には悪いけど仕切り直し』


『な、成る程。ティターニア様の仰る事は良く分かりました』


『うふふ、再びボヌール村で修業再開。サキちゃんやロヴィーサと同じって事。……お父様、いえケン、改めて宜しくね』


 ティターニア様はそう言うと、可愛らしくウインクしたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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