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第4話「いつもサプライズ」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 レイモン様と交歓した翌日の晩、同時刻……

 次に夢で会うのはアールヴの長、ソウェルのイルマリ様である。

 今回も昨夜同様に、趣旨は全く同じ、4者会談前のトライアルに臨む。 


 周囲は相変わらず、真っ白な異界、異次元、虚構の世界。


 これまた昨日同様、目の前には、既にイルマリ様が居る。


 フレデリカこと現アマンダと次元の違う世界で会った時にいろいろ学んだが、

 ソウェルは世襲制ではない。


 候補に選抜された優秀な者が更に絞られて、数人の最終候補者となり、

 いくつかの課題を与えられ、現ソウェルを含めた長老クラスの審判の末、

 支持によって選ばれる。


 と、俺が記憶を手繰っていたら、ええっと……

 レイモン様同様、イルマリ様も周囲を見回している。


 とりあえず挨拶をしよう。


『イルマリ様、こんばんは。お変わりはありませんか?』


『ケン、こ、こんばんは……このように言えば、お前への挨拶は構わないのか?』


 あはは、そういえば以前に、千里の道も一歩よりみたいな、

 アールヴのことわざを繰り返し言っていたっけ。

 

『はい、全然OKです』


『ふむ、良かった。……それにしても、真っ白で何もない空間か。……不思議な世界だ。私は空間魔法は使えるが、それほど得意ではない』


『そうなんですか?』


『うむ、見事な仕上がりだ。まあ誰でも得手不得手はある……人間の癖に、お前は規格外過ぎるのだ』


『駄目ですよ、イルマリ様。人間の癖にとか言っては』


『ああ! すまん! 中々、今迄の癖が抜けなくてな』


 俺はレイモン様に尋ねた事と同じ問いかけをする。


『ええっと、それはそうとイルマリ様、ご気分は? 何か違和感はないですか?』


『いや、大丈夫だ。で、ここから私が希望した場所へ行くのか?』


『はい、先日、イルマリ様直々にご案内して頂いた場所ですね。素晴らしい場所だと思います』


『そうだろう、そうだろう、何せ、我がイエーラの国宝だからな』


『ですね! 同席を希望した例のふたりも、現場で合流しますから』


『うむ!』


 と、ここでまたまた!

 俺の『聞き慣れた声』が心に響いた。


 今度は「待ってました」の想定内。

 昨夜、俺が予想した通り、

 レイモン様に続いて、イルマリ様へもカミングアウトするのだろう。


『お~い、ケンく~~ん』


『はい! 管理神様、お待ちしておりました』


『さすがに分かってるじゃない! 君の正体をイルマリへもズバン! とカミングアウトするんだよ~ん』


『でしょうね。でもズバン! とまでは行かないよう、お手柔らかにお願いします』


『了解! だいじょうぶいぶいっ!』


『は、はい……』 


 というわけで、早速管理神様とイルマリ様の会話が始まった。

 ちなみに、前回同様に、俺の心にも回線を解放してくれている。


『イルマリ・アハティサーリよ、私が誰なのか、分かるか?』


『な!? だ、誰だ!』


 やはり、俺と話す時と管理神様の口調が全く違う。

 とてもおごそかな感じだ。


 対して、イルマリ様はとても驚いている。

 レイモン様やオベロン様と違い、彼の夢に管理神様は現れていない。

 今回が初対面《声だけの出演》なのだが…

 

『イルマリ、私はこの世界を創世神様から預かり、管理する神、管理神だ』


『か、か、管理神様!?』


 一瞬だが、?的な波動を、イルマリ様から感じた。

 

 俺の夢の中というシチュエーションがシチュエーションだし、

 声の主が「本当に管理神様か?」と疑念が起こったようだ。


 しかし管理神様は有無を言わさず、ぐいぐいと話を推し進めて行く。

 それも厳しい指摘まで。


『イルマリよ! 歴代のソウェルに比べ、まだまだお前は未熟者だ。ケンを始め、様々な種族と助け合い、お前達の国イエーラを発展させてゆくが良い』


『は、はいっ!』


『ふむ! だが必要以上には卑下する事はない。人の子と違い、お前はアールヴ、学び経験を積み、成長する時間は充分にある!』


『は、はいっ!』


『今回は良い実践の機会だ。わざわいを転じて福と為す……悪魔の襲来を、人の子、妖精と共に力を合わせて退け、未曽有の難局を乗り切るが良い!』


『はいっ!』


『うむ! ケンとお前が邂逅かいこうしたのは、他の者同様に運命である。お前は何度も窮地を救って貰ったであろう』


『は、はい! ケンにはいろいろと救われました!』


『よし! ならばその身を投げうって、世界滅亡の危機を打ち払い、救え! ケンに共感し、ともに歩け!』


『はい! そのつもりですっ』


 おお、ここまでは、ほぼ同じパターンの会話。


 となれば、来る!

 いよいよ、来るぞっ!

 ズバンと、カミングアウトがっ!


『ケンに従う事に臆し、遠慮する事はない。ケンはもはや、神となった』 


『ええっ!? ケ、ケンが!? か、か、神……様、なのですかっ!?』


 うわ!

 イルマリ様ったら、すっごく噛んでる。


 俺が神様というのは、やはりとんでもなくギャップが大きすぎるのだ。


 ここからはまた、レイモン様と同じパターンである。


『ああ、ケンは今や神である。しかし我々のような天界の神とは違う』


『ち、違うのですか?』


『うむ! ケンは人の子の姿のまま、これまでと同じ考えで動く。だが普通の人の子と決定的に違うのは……つまらぬ垣根を超え、違う種族の価値観も受け入れる寛容さを持っている事なのだ』


 管理神様に言われ、イルマリ様も納得したらしい。

 大きく頷いている。


『な、成る程! 確かに! 管理神様の仰る通りですっ!』


『イルマリよ、お前もケンを見習え。同族だけでなく、人の子にも妖精に対しても分け隔てなく接し、大いなる寛容の心を持ち広く深く愛するのだ』


『はい! ケン様を見習い、私も精進致します。狭量にならぬよう、広き心を持つように致します』


 え?

 やっぱり俺は様付け?

 それに「見習え」なんて、引き合いにだされちゃったよ。


『宜しい! イルマリよ! お前はようやく理解して来たようだ。ケンや他の者と、上手くやるのだぞ、さらばだっ』


 という事で、最後に管理神様が念押し、カッコよく去って、

 カミングアウトの会話は終わった。


 管理神様が去った後……

 イルマリ様は遠い目で、しばらく虚空こくうを見つめていたが……

 苦笑して、俺へと向き直る。


 そして…… 


『ケン……いや、ケン様。本当に貴方には……いつもいつも驚かされる……』


 イルマリ様はそう言うと、改めて優しく微笑み、深々と頭を下げたのであった。

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※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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