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第3話「シャルロットとミシェル」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 クーガーとレオの母子は仲良く手をつないで部屋から出て行った。

 

 『彼女』と一緒にナイフ造りを習いたいか……

 クーガーもアメリーちゃんを可愛がっているから、

 これからも末永く、良い関係は続くだろう。

 

 さあ、次の母子だ。


 と~んとんと~ん!


 先ほどのクーガとはまた違うノックが為された。

 今度はミシェル。

 こちらもノックの音ですぐに分かる。

 彼女は愛娘のシャルロットを連れているはずだ。


「入ってください」


 俺が入室を了解すると、

 扉がゆっくりと開いた。


 そしていつもの通り、飄々(ひょうひょう)としたミシェル、

 母そっくりのお澄まし顔、シャルロットが入って来た。


 俺は先ほどと同じく椅子を勧め、ふたりに座って貰った。

 

 ミシェルは開口一番。


「クーガーとレオ、嬉しそうに部屋から出て来たね。手までつないでさ」


「うん、あんなレオにぃ珍しいよ」


 と、話に勢いがついたところで、俺は質問してみる。


「シャルロットはどう? 大好きなママと同じ事したいのかい?」


 そう、シャルロットはレオとは全く違う。

 性格的にタバサに近いものがあり、

 回りくどい、まどろっこしい曖昧な事を嫌がる傾向がある。

 だから、ズバリ単刀直入に尋ねた。


 そしてシャルロットは超が付くママっ子。

 どこに行く時も、ミシェルにぴったりくっついて一緒。


「ううん」


 あれ?

 ううんって、ミシェルはショックじゃないのか?


 と思ったら、そんな事全くなくにこにこしてる。


「だよね! シャルロットはフラヴィと約束したんだものねぇ」


「うん! 約束したよ、フラヴィちゃんと!」


 成る程!

 シャルロットは同年齢であるリゼットの愛娘フラヴィと大の仲良し。

 ママと居る時以外は、フラヴィと一緒の事が多い。


 成る程、何となく、見えて来る。

 シャルロットとフラヴィ、仲良しのふたりで何をやりたいのか。


 でも今回の趣旨は子供本人から希望を告げて貰う事。

 ここで変に突っ込まず、


「何を約束したんだい、シャルロット」


 と、促すように尋ねてみる。

 するとシャルロットは「ぱああっ」と顔を輝かせ、

 心の底から本当に嬉しいという感じで、


「うん、パパには特別に教えてあげるっ! 大好きなフラヴィちゃんとず~っと一緒にって! ハーブを育てるのっ!」


 おお、ビンゴ!

 やっぱりそうか!

 ハーブなんだ!


 シャルロットはママと一緒に大空屋の店番も良くしている。

 けれど、ハーブ園でリゼット達のお手伝いをフラヴィとしている事も多いからなあ。


 うん!

 大いに納得!


「おお、特別に教えてくれて、ありがとな。そうか! シャルロットはハーブを育てたいのか?」


「うんっ! いい匂いがするし! 美味しいし! ハーブ大好き!」


「だよねっ!」


 愛娘の嬉しそうな表情を見て、ミシェルも同意してにっこり。


 念の為……

 俺が、OKなのか?

 というアイコンタクトをミシェルへ送っても、

 首を小さく横に振って、笑顔でVサインまで出して来た。


 言葉では具体的に告げなくても、俺が聞いた事をミシェルは理解している。


 それは彼女が両親から受け継いだ、ボヌール村唯一の商店、

 『大空屋』を愛娘シャルロットへ継がせなくても構わないのか? 

 という質問。


 だけどミシェルは、シャルロットの夢を応援する事に決めた。

 亡きお父さん、そして今や離れてエモシオンで暮らす、

 母イザベルさんへの想いを静かに胸へ抱きながら……


 ああ、いじらしい。

 そう俺は思い、改めてミシェルに惚れ直した。


 まあ、しっかり者のミシェルだから、大空屋を存続させる為、

 何か『手』を考えているに違いないと思うけど。


 俺は嬉しくなって「うんうん」と頷いていたら……


 シャルロットが、


「パパ!」


 と呼びかけて来たので、


「何だい?」


 と返してやった。


 すると、


「今度、パパの大好きなカッコしてあげるね」


 と、言う。


 俺の大好きなカッコ?

 何じゃ、それ?


「なあ、シャルロット。俺の大好きなカッコって何だい?」


 と聞けば、即座にシャルロットは答える。


「メイドさんの着る服!」


「は!?」


「だって、パパ、この前アンリにぃと一緒に、すっごく嬉しそうに見てたよね? メイドさんの服着たエマ姉の事!」


「あう! そ、それは!」


「ふ~~んん」


 俺とシャルロットの会話を聞いていたミシェルが、面白そうに笑った。


 い、いや……あれは、以前王都で給仕をしていたエマさんがメイド服を着ていたのと、エモシオンのカフェでも一番可愛く着こなしていて、アンリから、ぜひ見て欲しいとお願いされたから。

 カフェの制服を着たエマさんを見て、

 メイド服の似合う可愛い人妻に……萌えてしまった。


 まあ、よくよく考えたら、アンリが嫁自慢したかっただけなんだろうけど……


 良い目の保養をさせて貰ったと、つい俺は「にやけて」しまって……

 そのシーンを、シャルロットにバッチリ見られてしまったのだ。


 加えて、女子達は遥かに上手うわてだった。

 何とか、言い訳しようとしたら、ミシェルは相変わらずにやにやして、


「旦那様、シャルロットの言う通り! 今後、月一回のスペシャルデーを設定しまぁす!」


「月一のスペシャルデー?」


「はあい! 旦那様慰労特別企画、ユウキ家女子全員メイド服着用のウルトラスペシャルデー、クラリス主導にて、全員で、特注メイド服を鋭意製作中でっす!」


「な!? 何それぇ!!! 聞いてねぇ!!!」


「当然! 内緒だったもん! 私もシャルロットと一緒にメイド服を着るからね! 乞うご期待!」


「うん! パパ、乞うご期待だよっ!」


「は、はい……謹んで期待します」


 最後は、だいぶ話がずれてしまったが……

 シャルロットとミシェル母子との親子面談は、

 こうして無事に終わったのである。

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