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帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者  作者: 東導 号 
第14章 アンテナショップとお祭り編
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第5話「家族会議②」

 そんなこんなで……

 ユウキ家の、『家族会議』が始まった。

 

 まずは全員で、現時点におけるアンテナショップの情報を再確認する。

 念の為、これ迄の経過を簡単に総括した上、今回の会議の話をしたのだ。

 

 ボヌール村、そしてエモシオンン双方の、『未来の移住者』という前提で、「どのような人を求めているのか、具体的な人材募集を!」という宿題が出た事を。


 エモシオンに関しては、とりあえず置いといて……

 我が嫁ズにはまずボヌール村優先で考えて貰う。


 俺の予想通り、嫁ズは全員喰い付きが良い。

 昼間のイザベルさんと同じように。

 村の発展と、未知のスキルを学べるチャンスだから。


 司会進行役は、いつも通り、新村長代理のリゼットである。


「イザベル様の仰った事を参考に、このボヌール村の状況も精査しましょう」


 確かにその通りだ。

 アンテナショップの優秀な人材は絶対に必要。

 更にその人が、現在、ボヌール村に欠けているもの。

 生活に直結するスキルを持って居れば、なお良い。


 そんな人が、村を好きになる。

 「村へ住め!」なんて、無理は絶対に言えないけど……

 あわよくば、将来村へ移住してくれれば、とても素敵だって思う。

 

 その人が、もしも村に移住しなくても……

 仲良くなって、俺達家族や村民が、今迄自分になかったスキルを身につける。

 そういう絵を描いている。


 まじめなリゼットは、日々未来への危機感を持ち、悩んでいるようだ。


「今は……旦那様やクッカ姉、クーガー姉が居るから、不自由なく暮らせているけど……子供達の代になる将来の事も考えないと」


 リゼットの悩みに対し、すぐ反応したのは、クッカだ。


「いいえ! 私やクーガーよりも旦那様のお陰ですよぉ。もし何か困った事があったら、秘密裏に、『ふるさと勇者』の旦那様が処理するでしょ? 素敵な事に旦那様はレベル99で最強な上に、オールスキルで万能。だから、何でも出来ちゃう」


 クッカの言葉に、嫁ズ全員が頷く。

 そして「にこにこ」して、俺を一斉に見る。

 ああ、「頼りにしてますよぉ」って、熱い眼差し攻撃だ。

 こういう攻撃は、本当に嬉しいけれど。


 更に、クッカの話は続いて行く。


「でもリゼットの言う事も分かる……私達は全員人間。いつかは寿命が尽きて、この世からは居なくなる、仕方がないけど」


 そうだ……

 かつては天界の女神様だったクッカも、今は人間。

 コメントには真実味がある。

 とても心配そうな顔をしたのは、クラリスだ。


「そうなったら、現状のままでは、ボヌール村って、……多分元に戻ってしまうわ」


 クラリスは、ボヌール村が変わる前の、辛かった時代を知っている。

 怖ろしい魔物の襲撃により、両親も殺されてしまった。

 だから、余計に心配なのだろう。

 

 今の、この幸せを絶対に手放したくない!

 そんな波動が、強く強く放たれている。

 

 しかし、笑顔のまま、手を左右に振ったのはクーガーである。


「あはは、クラリス、大丈夫。生え抜きの貴女に対して、途中参加の私がこう言うのは凄く生意気だけど、元の通りにはならない」


 良い意味での『反対意見』に、クラリスは驚く。


「え? クーガー姉、大丈夫なの?」


「うん! 理由は簡単、私達の残した遺産が少しは活きるから……」


「遺産?」


「ええ、クラリス、聞いて。人間関係、技術、そして物……いろいろあるじゃない。貴女の遺産は素敵な服と美しい絵だよ」


「私の遺産が服と絵……ああ、そうか、そうですよね!」


 クーガーに言われ、クラリスは改めて実感したみたい。

 一緒に『チーム』を組んだ、サキとタバサがしっかり受け継いでくれるって。

 それに、このチームの人数は、まだまだ希望者が出て増えるだろうし。


 頷いたクーガーは、更に言う。


「分かったみたいね。でもまあ、未来の事なんて、何が起こるか、誰にも分からないから、やれる事だけはやっておこうよ」


 確かにクーガーの言う通りだ。

 俺達が居なくなっても、多分、元には戻らない。

 つまり俺が来る前の、ボヌール村の状態にはならない。


 何故ならば、村の生活は著しく改善されているし、安全面も向上している。

 領主オベール様との関係も、単に良好なんてものじゃない間柄だから。


 でも、不確定要素一杯なのが、未来って奴。

 全身全霊でやれる事をやるってのが、後悔が少なくて済む方法だと思う。


 ここで一旦まとめてくれるのは、やっぱりリゼット。


「ええ、じゃあ、極めて単純に考えましょう。現在、村にないスキルを精査する。そのスキルを持つ人材が、アンテナショップに採用出来れば望ましい。いずれは移住して貰って教師役として村に迎えたい。あくまでまずは人柄重視……それで良いわね」


「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 俺や、黙って聞いていたレベッカ、ソフィも同意。

 

 家族会議は、第二段階へ入ったのである。

いつもお読み頂きありがとうございます!


東導 号作品、愛読者の皆様へ!


小説家になろう』様で連載中の、

拙作『魔法女子学園の助っ人教師』


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第4巻の発売が決定致しました!

※既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

皆様の応援が続刊につながります。


何卒宜しくお願い致します。

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