高校 。
桜 …… が咲いてる 。
もう …… そんな時期なんだ 。
ねぇ、覚えてる? 私のこと 。
ねぇ、元気にしてる? あなたの取り柄。
ねぇ、 思い出して。会いにきてよ …
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《 お前らはもう受験生だぞ〜 なまけるなよ〜 》
先生がHRでそう言う
私には嫌味にしか聞こえない。
誰が受験勉強なんかするかって!
バカはバカなんだよ!
『 おい。バカ。 』
「 はいはいバカですよ!!なんのご用で!」
このバカ扱いしてくる奴 、幼馴染の秋 (あき)
実は私の想い人
『 お前高校どこいくの? 』
ギク
実は秋と同じ高校選んだなんて
ばれたら… あぁ、恥ずかしい。絶対言わない
「 あ 〜 えっと… まだ決めてないかな ハハハ 」
『 はぁ?! 』
いやいや、そんなに驚かなくても……
『 お前、もう決めなきゃだめだろ! 』
はいはい…もう決まってるんですよ…
言えたらどんだけいいか!!
「 はい … 」
秋のこういうお母さんみたいなところが
好き
『 お前、あれだ、決まらなかったら
…… 俺と一緒にこい… 』
え? なんて?最後らへん聞こえなかった
最後までちゃんとしゃべれっつの!
「 えぇ??なんて!?? 」
『 耳悪ぃのかよ このバカ! 』
「 あ!またバカって!!! 秋の腹黒!」
『 はぁ?!この秋様に向かってなに言ってるんだお前! 』
私の名前は 、 春 桜 ( はる さくら )
お母さんが春好きでつけた名前。
お母さんは、私が小学三年生の時に
事故で死んじゃった 。
それから、お父さんと暮らしてたけど
ある日帰ってこなくなった。
その日から私は、一人暮らしになった。
秋は二駅離れた少し遠いところに住んでる。
でも、私を毎朝向かいに来てくれる。
「 … 秋 …? 」
『 あんだよ … 』
「 ありがとね、毎日 」
『 急になんだよ … ? 』
「 高校離れたりしたら、さみしいなって思って。 」
『 は… おまっ、だから…! 』
「 なんちゃって !! 」
『 で?お前どこ行くんだよ。決まってるんだろ? 』
「 え? なんでわかったの? 」
秋はいつも私の隠し事を見破る。
私の嘘が下手なのかと思ったけど
そうでもないみたい!
秋にだけなのかな …
『 は?俺だからだよ。 』
「 わけわかんない! もう!早く行こ!次移動だよ! 」
『 あ〜めんどいめんどい。 』
私は、友達が比較的少ない。
隣のクラスに1人いるだけ。
しゃべるけど行動する人はいない
その代わり、ずっと秋がいてくれる。
「 秋? どうしたの? 」
移動途中に、秋が突然立ち止まった。
窓の外を見て。
『 あ、あぁ。いや、なんでもない。』
「 ?? 」
窓の外 ……?
え?
今、秋が見てたところって…