第七話〜バグとの遭遇〜
みなさん、お久しぶりです^^;
ひさびさの更新です!
よかったらどうぞ最後まで見てってくださいm(_ _)m
………サッ……
草むらに一匹、いや二匹か…いけるな…
俺は草むらに向かって思いっきりジャンプして、「地衝波!」と叫びながら地面を叩く。
びいぃぃあぁぁ!!と断末魔をあげて消えていくイノシシ型モンスター『スモールボア』が二体、塵となった。
そしてその場には、『ボアの生肉』が二個ごろっと転がってる。
……これ衛生的にどうよ…とか思いながらもリュックに詰め込む。
さて、今の俺は、一人でワールドマップにいる。
なぜ一人なのかと言うと、みんなでクエストを探してる時に勇刀が
「でもさ、もしバグを見つけても強い武器とか、装備するとか俺ら自身もレベル上げなきゃ死ぬんじゃね?」と言ってたのだ。
それで、じゃあそれぞれでクエストをクリアしてレベルとお金を稼ごう!
んで現在に至る。
はい、説明終わり!
ちなみに今俺が受けているクエストは『ボアの生肉三個を頼む。』と言うクエストだ。
読んで字の如く、ボアの生肉を三個納品すればいいだけの簡単なお仕事。
まだまだ弱いし、ソロだからこんな感じでいいかなって。
べ、別に簡単なクエストを選んだんじゃないんだからねっ!
……………すいません、嘘です。
まあ、とりあえずあと一個、生肉をゲットすればクエストクリアというわけですよ。
サクッとクリアしてさっさと報酬を欲しいところだけど、なかなかあと一個がドロップしないんだよね…
さっきからちょっと歩いてはボア狩ってるけど、ちょっとドロップしなさすぎ…
------30分後-------
おいおい…嘘だろ…?軽く50は倒したぞ…?なんで生肉落ちないんだよ…
いや、レベル1上がったからちょっと嬉しい気がするけど…
じゃなくて、流石に少し…いや、かなりおかしい…まさか…これが…
『バグ』なのか…?
だとしたら、どうやって解決するんだよ…
ドロップ率の操作なんてプレイヤーにできるわけないのに…
と、悩んでいるとポケットから明るい音楽が流れた。
おっと、誰からかな…?
あ、これは通信クリスタルって言って、まあ携帯電話みたいなもんと考えれば大丈夫。
んで、いま電話をかけて来たのは…氷花さんからだった。
クリスタルに映し出されるボタンを押して応答する。
「もしもし、どうしました?」
「あ!本当にこれ繋がるんだ!」
「そりゃあ、そうでしょうね…」
じゃなきゃ通信クリスタルじゃ無いでしょ…地味に高かったし…
「えっと、氷花さん?何かありました?」
「あ、そうだそうだ、えっとね、ちょっと信太くんに聞きたいんだけどさ」
この時、俺はあまりにも油断していた。
あまりにも。
ここはーーー
ゲームの世界なのだと。
「はい?なんですか?」
「うん、もしかしてさ、収集クエストとかでアイテムがあと一個になったらいきなりそのアイテムがドロップしなくならない?
私だけかな?」
あ、氷花さんもなのか…
「あ、氷花さんもなんですね
実は俺もーーーー
その刹那、俺の体は黒い『何か』に吹っ飛ばされた。
そのまま宙に浮いて、重力にしたがって地面に叩きつけられる。
「ぐっ……ぐはぁ!」
な、なんだ…!?
「ちょっと、信太くん!?どうしたの!?」
強く握っていたクリスタルから氷花さんの声が聞こえる。
「なんとか…すいません、後でかけなおします」
「え?ちょっと、信太くーーー
と、ここでクリスタルの通信終了のボタンを押した。
するとクリスタルは細かい塵となって消え去った。
なるほど、使い終わるとこういうふうに消えるのか。
と、感心してる場合じゃ無い!
なんだこいつは…?
外見からすると、俺の身長の2〜3倍ある大きなボアのようだが、いままで狩っていたスモールボアと決定的に違うのが
二足歩行している、のだ。
「ゔぁぁぁぁあああ!!!」と激しい咆哮の後、"やつ"はこっちに向かって猛突進してきた。
「まじかよ!ちょ、やばい!」
当たる寸前に思いっきり横に飛んだ。
攻撃はすんでのところで避けれた。
そして、その突進してきた"やつ"は、なかなか止まれなくて10mほど滑っている。
あっぶな……
あんなの食らったらひとたまりも無いぞ…
と、相手もゆっくり考えさせてくれるはずもなく2発目の攻撃を繰り出そうとしている。
まずいぞ…どうするか…
たたかう?無事で済むはずがない。
でもバグを解決する糸口になるかもしれない…ならば…
「やるっきゃ…ないっしょ…!」
改めて構え直す。
大丈夫、突進さえ避ければ…と、ここで2発目の攻撃をしてきた。
それをまたギリギリで避ける。
だが、今回は少しかすってしまった。
みるみるうちに自分のHPのゲージが減っていく。
ちょっとかすってこれかよ……
最初の攻撃の分もあるから、もう半分くらいじゃねぇか…
まあ、そんなこと考えていても仕方が無い。
どう攻めるか……
一つ、可能性があるとするならあの突進の後の隙…あそこを狙うしかない…!
相手はもう次の攻撃を繰り出そうと構えている。
次だ…次の攻撃の後にダッシュで近寄ってたたかうしかない……!
そして、3回目の攻撃が来る。
またもやギリギリで避ける。
今回はかすりもしなかったみたいだ。
よし!今だ!
ダッシュで"やつ"に近づいて頭部に打撃のラッシュを繰り出す。
「ぐるる…ぐぁぁああ!!」
"やつ"は攻撃を受けると激しい咆哮をあげた。
「くっ……!」
なんてデカイ咆哮……鼓膜が張り裂けるぞ…!
ラッシュの後、一旦下がる。
相手のHPは………えっ?
減って…ない…?
おいおい……嘘だろ…?
こんなの勝ち目がーーーーと、思った刹那、ものすごい衝撃が全身を襲った。
相手の突進をもろに食らってしまった。
な…やばい……意識が…………
その時、確信した。
俺は…………ここで死ぬ………のか……
そして、意識が完全に無くなった。