ぼっち少女と恋。2
「俺と付き合ってくれない?」
びっくりしすぎて一瞬時間が止まったかと思った。
「…は?」
「…だからね、俺と付き合ってほしいの」
何で?
私の表情から心情を読み取ったであろう河合君が、
ニコリと笑った。
「自分で言うのもなんだけどねぇ。俺ってよく告白されるの。
はっきり言って、面倒だ」
うわぁ、はっきり言っちゃったよこの子。
今河合君に告白した女の子居たら泣いてるな。
あとモテない男子がいたら憎しみで血の涙が出るな(笑)
「だから…。女子避け?」
「…へぇ。」
何だろう、自慢にしか聞こえねぇ。
「…さっき聞いてたでしょ。私先生が好きなんですが」
「うん、聞いてたよ。だから、バラしてほしくなかったら協力して?ってこと」
うわ、最低だこいつ…。人の弱み握りやがって。
斉藤悠理さん(とその他女子)騙されてるよ!
何で好きなのこんな人。あ、カッコイイからか。
「…本当、勘弁してくれません?」
「勘弁してくれません。」
ニコニコと笑う河合君は、
周りから見ると癒し系なんだと思う。
が、私からしてみればただの悪魔である。やーい、悪魔悪魔。
なんて考えてる暇はない。
「じゃあ、他の女子連れてきますから。」
「それじゃ意味ないじゃん。」
「は?意味?」
「俺が盗み聞きした意味。」
「…ほんっとう、最低ですね。反吐が出る。」
「君は本当、口が悪いねぇ」
「あなたは性格が悪いですよね」
「よく言われない」
きーっ、腹立つ。
すると後ろからギシ、と音が聞こえた。
振り返ってみると、先生が欠伸をしていた。可愛いな。
「…てめぇら、まだ帰ってなかったのか。さっさと帰れ。」
「先生、いつ起きました?」
「あぁ?…ついさっき?」
「…そうですか…。」
聞かれてなかった…。
「そんじゃさようなら先生、また明日。」
「気を付けて。」
「あ、待ってちょっと。先生さようなら。」
「おう。」
(…実は聞いてましたって言ったら怒るだろうか)
最後のかっこの中は先生です。
ありがとうございました。