ぼっち少女は数学教師に恋をした。
私の名前は河合凪である。
嘘である。
私の名前は井上凪である。
突然だが、私は数学が大嫌いだ。
なので六時間目の数学の授業中に居眠りをしていたら、先生にたたき起こされた。
目が覚めたら…授業が終わっていた。
わーい、らっきー、帰れるぞー、とテンションが上がっていたのだが…。
気づいたら勉強させられていた。
「…先生、質問です。」
「何だ。手短にどうぞ」
「なーんちゃって。」
「…あ゛ァ!?」
「いやん、怒んないで先生。」
「きもい。」
先生、生徒にきもいなんて言っちゃいけません。
なんて言ったら多分怒るので言わない。
「毎回テスト赤点とっといて居眠りたぁ…。いい度胸だな?井上。」
「照れちゃうなぁ。」
「褒めてねェよ」
さすが先生、ナイスツッコミです。
「…おい、ここ違うぞ。」
「え、何でですか?私ちゃんと計算しましたよ?」
「計算間違いだ、阿保。やり直せ。」
「え~…?えーと、まずここで…。…。………あれ、ホントだ。」
「ったく…。正真正銘の阿保だな。」
「先生さっきから失礼すぎじゃないですか?」
人の事を阿保阿保と…。
自分はどうなんだ、と言いたいところだが、相手は数学教師。
きっと鼻で笑って、「俺頭いいし~」とか自慢するであろう。
くぅ~、憎たらしい。けど一回だけでもいいから言ってみたい。
「…よし、終わりましたよ、先生。終わりましたよ。」
「何で二回言った。」
「大事なことだからです。」
「そーかい。…。」
先生は私のプリントを見た瞬間顔を歪ませた。
フフフ、完璧すぎる私のプリント様に声もでまい…。
「全部間違ってるぞ。」
「…。」
「…。…仕方ねェなぁ…。今日はもう帰れ。続きは明日だ。」
「先生っ…!」
わーい、先生って優しいところあるんですね、ただの鬼かと思ってました。
なんてことは言わない。(二回目)
喜ぶ私を見て呆れたのか、先生は深いため息をついた。
そして、苦笑いを見せて、
「じゃあ、気を付けて帰るように。寄り道すんなよ。」
と、頭を撫でた。
――――何かに落ちる音がした。
ていうか、恋に落ちる音がした。
初投稿なのでとても不安なんですが…。
見て頂けるだけでも嬉しいです。
ありがとうございました!