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自由都市と魔の森

誰にでも平等にチャンスを掴むことの出来る場所


【自由都市アルファ】


アルファはルーンルド大陸のほぼ中央に位置する街だ。

他の街との交流が盛んに行われているアルファは人々が多く集まる。

人が集まるだけ成り上がるチャンスも多いといえるだろう。


勿論チャンスを掴めず貧民街に身を落とす者も多いが、そんな人達でも生きて行く分のお金くらいは稼ぐ事ができる程度には仕事が溢れている。


治安も自警団やルーンルド王国からの派遣騎士のおかげで守られている。

アルファはモンスターの脅威に脅かされているこの世界の中では驚くほどに平和な街だといえるだろう。


そんなアルファだが、ここ3ヵ月程は住民の顔色が優れない。

それはアルファ近郊にある【魔の森】が原因だ。


魔の森は強力なモンスターが溢れる広大な森で、奥に行くほど強力なモンスターが多い。

例えば【ジャックベアー】という4mを超える大熊がいる。

ジャックベア―はAランクの冒険者かルーンルド王国精鋭騎士団が死闘を繰り広げる程に強い。


森の奥に行けばこんなモンスターがゴロゴロしている。

魔の森はA級危険地帯として街の住人からは恐れられている場所だ。

しかし森の入り口には封印結界があり、中のモンスターは出てこれないから森に入らない限り危険は少ない。


では何故、封印結界のおかげで安全が保障されている魔の森が住民の怯える原因になっているのか?

それは3ヵ月前辺りから魔の森の方から木々が倒れる音や爆発音が多く聞こえて来るからだ。最近はモンスターの断末魔の様なものが聞こえてくるようになったと冒険者達が話をしている。


――魔の森で何かが起こっている。


それはアルファに住んでいる全員が思っている事だった。

ルーンルド王国の石碑に【300年ほど前に魔王と呼ばれる存在が魔の森から生まれた】と刻まれている事から、新たな魔王が生まれたのではないか?という噂すら流れている。

今もなお、人々に恐怖を与え続けている魔王が増えるということは、人類が滅びる事になるかもしれない。

住民はそんな恐怖に怯えているのだ。


・・・


ブータが魔の森から抜けると、そこは草原だった。

遠くの方に街の様な影も見える。

森の周囲には結界が貼られている。どうやらモンスターだけを弾く結界のようだ。

看板が立てられていて、ここが魔の森というのと、ここが立ち入り禁止の危険地帯だと言う事が分った。


この世界からすれば異物と言っても良い程の魔力を持つブータは、自分が魔物と認識されて結界に弾かれ外に出られないかもと思ったが、結界はブータには機能しなかった。

看板に書いてあった魔物封印の結界はブータを人間と判断したらしい。


「さて、取りあえずは街に行こうか。そこで情報収集と仕事探しかな。」


ブータはそう呟くと歩き出した。

森の中の時のように走ったりはしない。

周りに人の気配はないが、もしも走っている所を見られたら、その人外のスピードにモンスターと勘違いされて討伐隊みたいのを組まれかねないからだ。


上半身裸なので変態として捕まるかもしれないが、ゲームの時に縛りとして何時も上半身裸だった為にブータは上半身の装備を殆ど持っていない。

因みにゲームの時に持っていたアイテムは全てアイテムバックという異次元鞄の中に入っている。

この異次元鞄はこの世界で目覚めたときにアイテムバックの説明書と共にブータの隣に落ちていた物だ。

神様からの贈り物で、なんと倉庫に預けておいたアイテムもこのかばんの中に入っているらしい。


「そういえば初心者装備を倉庫に預けていたような気がする。流石に変態扱いは嫌だし、あれを装備するか。」


初心者装備とはゲーム開始時に装備しているタンクトップと短パンの事だ。

今回は上半身装備のタンクトップだけを装備する。


白いタンクトップの中央にデカデカと【初心者】と書かれているのが恥ずかしいが、裸よりはいいだろう。

ブータは初心者タンクトップを装備して名前も知らない街に向かって歩き出した。


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