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新世界~ブータの冒険~  作者: トカゲ
幕間 プレイヤー達
16/24

グロック

「グロックには手を出さないほうが良いよ。とても面倒くさいから。」


私は友人に勧められて新世界というVRMMOをやりはじめた。

ゲームはほとんどやった事のない人間なんだけど、友人が執拗に進めてきたのでやるだけやろうと思って。


そんなゲームを進めてきた友人が、初めにしたアドバイスが「グロックには手を出すな。」だった。


グロックというのはどうやらプレイヤーの名前で、しかもトッププレイヤーの一人らしい。

そんな忠告されなくてもノンビリプレイをするつもりの私はそんな事言わなくたってその人は関わる事はないと思うんだけど、友人はそう思っていないみたいだ。


後になって知った事なんだけど、グロックって人はちょっと変わった人で友人が極端に少なく、そのくせ寂しがり屋のため誰かれ構わず声をかける人だった。


・・・


「そこのお前、新人かね?」


遊び始めてから数日経ったある日、私は声をかけられた。

振り向いてみると全身が金色の大鎧を着た男性プレイヤーが立っていて、こっちを見てる。

顔は兜を被っているのでよくわからなかった。

だけど背格好から多分男性プレイヤーだとわかる。

まだ友人達としか遊んでなかったので、知らない人に声をかけられるのはこれが初めてだったので、私はどうしたらいいのか分らなくて少しパニックになった。


(こ、これ、もしかしてナンパってやつかしら!?いや、パーティのお誘いかしら!?)


あ、ちなみに私は女性です。ゲームでは金髪ロングのエルフ使っています。

まだ中学生で髪を染めるなんてできないし、何よりファンタジー小説が好きな私にとってエルフって憧れだったんですよね。


目の前の金ぴかプレイヤーさんは偉そうにふんぞり返っている。


(なんか偉そうな人だなぁ。初対面の人にお前とかいうし。)


その人の第一印象は最悪だった。


「なんですか?」

「お前、初心者だろう?強者である我が特別に鍛えてやる!」

「いや、別にいいです。」


金ぴかさんは偉そうな態度を崩していない。

金ぴかさんの頭上にあるプレイヤー名を見てみるとそこには【グロック】と書かれていた。


(あぁ、この人がグロックって人か。なるほど、なんか面倒くさそうだ。)


「なんだ、遠慮するな!」

「いや本当にいいです。GMコールしますよ?」


その言葉にグロックは少し嫌な顔をする。

私は何となく同じような事が何度もあったんだろうな、って気がした。

グロックはちょっと涙目です。ちょっと可哀そうになってきます。


「すいません、友達と待ち合わせているんです。」


私は慌ててグロックに言い訳をすると走ってその場を離れた。

後ろでグロックが「くそう、もっと有名になれば…」とか「…新ボスをソロで倒せばみんなも我を認めるはずだ。」とか言っていたけど私には関係ない。


心の中で私はごめんなさいと謝って、広場へ向かって走った。


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