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ブータ、狼に暴食の限りを尽くす

【新世界】というVRMMORPGがある。

最初にステータスを決める代わりに自身の分身であるアバターの設定を細かく決めて、それの結果でステータスが決定するという風変わりなオンラインゲームだ。


太った設定にすれば防御力が上がり素早さが下がる。

筋肉量を上げれば力が上がるが器用さが下がる。他にも髪の毛があれば耐寒が少し上がったりするなど隠し要素もある。テンプレみたいな物ができて同じようなアバターが溢れるとも考えられたが素材の多さから同じ様なアバターは思ったほど多くない。

ステータスとは関係ない部分も沢山あるので、そこら辺は運営も考えているみたいだ。


ともかく自分の好きなアバターを作り、それがステータスに直接影響する。

そんなゲーム【新世界】は他のやり込み要素も多々あることから、直ぐに何百万人が遊ぶ大型のオンラインゲームになったのだった。

これはそんなゲーム【新世界】での日常の一コマである――


・・・



【新世界】のプレイヤーは大体痩せ型のアバターが多い。

太ったアバターは防御力は高いが動きは遅いし爽快感がない。それにせっかくの仮想空間なのに太ったアバターなんて誰が選ぶんだろうか。

太ったアバター専用のスキルなんかも公表されているし、そのスキルの性能も申し分ないものだが、痩せ型のアバターにも専用のスキルはある。

それならばスピードが出せて爽快感があり、美形で痩せ型な方を選ぶのが普通だ。防御力なら性能の良い防具を装備すればいい。

だが一部では痩せ型ではない、太ったアバターを選ぶプレイヤーがいる事も確かだ。


例えばブータというプレイヤーがいる。

ブータは新世界には珍しいデブのキャラクターだ。そしてトップランカーでもある。

【肉戦車】や【肉王城】という通り名でプレイヤーから尊敬の眼差しで見られてる彼は今、ブラックウルフの群れに囲まれていた。

因みにブラックウルフは中級ランクのモンスターだ。どれだけいようとブータの敵ではない。


ブータは右手に原始肉、左手にはとうもろこしを持ち、上半身装備は無く下半身はジャージのようなズボンを履いている。

頭装備にヘルメット、肩にはドラゴンボ○ルの戦闘民族が付けていそうな肩パットをつけていた。


その姿は異様そのもの。現実世界のキモオタデブがそこにはいた。

しかしそのデブはただのデブではない。トップランカーなデブだ。

ブラックウルフが飛びかかってくるのを寸前で避けて逆にブラックウルフの首に噛み付く。


ガブリッ!!


ブラックウルフの首の肉はまるでよく煮込んだチャーシューのように噛みちぎられ、飛びかかってきたブラックウルフは血を吹き出しながらそのまま動きを停止して転がって行く。

周りを囲んでいるブラックウルフに動揺が走った。


「ふむ、やはりレベル差がありすぎると圧倒してしまうな。」


ブータはため息を吐くと原始肉を齧りながらブラックウルフに近づいていく。

そしてとうもろこしを軽く振った瞬間、とうもろこしに火が灯り炎が周囲を包む。

それだけでその周りにいたブラックウルフは瀕死の状態だ。おまけに【火傷】のステータス異常までくらっている。


「いい感じで焼けたな。私はミディアムが好きなのだよ。」


ブータはそう言うと口を大きく開けてヨダレを垂らした。

ブラックウルフは自分たちが食べられると感づいたのか、顔に恐怖の感情が浮かんでいる。

しかし先ほどのダメージのせいで思うように動くことができない。


「じゃあ、いただきまーす。」


そこからは凄惨なものだった。

必死に逃げるブラックウルフを笑いながら食べるブータの姿はどちらがモンスターなのか分からない程だ。


これが通りがかりのプレイヤーに発見されスクリーンショットを撮られたことからブータの通り名に【食魔人】が追加されたことは言うまでもない。



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