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カウントアップ

作者: 尚文産商堂

「えー、1つ、2つ、3つ……」

買い物かごの中に、同じものをどんどんと入れていく。

どうせ、家で飲む用の缶ビールだ。

最近は第三のビールとかも値上がってきている。

そう考えると、入れる手も一瞬だけ止まる。


もっとも、だからといって買わないことはない。

単純な話だ。

俺は晩酌を楽しみたい。

どんなものを買うか、どんな肴を食べるか、それについては俺の裁量だ。

だから、俺は今日も6本買う。

月曜から土曜までの毎日1本、それに肴も1日1袋くらいの小さなつまみだ。

いつも同じもの、飽きないかと聞かれることもある。

ただ、不思議と飽きない。

どうしてか、と問われても、どうしてかは分からない。

いつも通りに、いつものルーティーンになっているからだろう。

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