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お泊り会のお約束

今回は自作品である片翼輝光リーリオからゲストが登場します、もし興味があればそちらもどうぞ。

「うわー、理事長先生のお家おっきい」

「というか、なんでお泊り会を理事長先生の家でやるのよ?」

「最初に言い出したのが理事長先生だからじゃない?」


 あたしにもよくわかんない。

 綺麗な女性ひとだけど何考えてるかわからないし。


「来たね、いらっしゃい」

「ご、ご案内いたします……」


 入口で出迎えてくれた2人は。


「ラストさんにコルネリアさん!」

「2人共どうしてメイドの恰好をしてるの?」

「ハルカちゃんは今日も可愛いねー、これはリジチョウが……なんかこっちの方が都合いいんだって」

「ニホンは色々と面倒な国だからただの居候よりもこの家で働いている形の方が体裁がいい、ということらしいけれど」

「……現代でそんな大昔の恰好をしていたらどっちにしろ違和感凄いわよ」


 野々村って現代メイドは眼中に無いのか、大昔って。


「でも都会にはこの恰好をした女の子が接待してくれるお店があるんでしょ、わたし行ってみたい!」

「ラスト。 貴女だって日常的にされているでしょう、それをわざわざお店で体験するだなんて」

「「「日常的?」」」


 え、この人達本来はどういう立場なの?


「特に隠す必要も無いから言っちゃうけど、わたし達ある国の王族なんだわ」

「「「ええー!?」」」

「王城内だけで何人いたのかしら」

「とりあえずわたしが目をつけてるのは83人」

「お手付きはダメよ」

「義兄さんも同じこと言うんだよ……」

「当たり前でしょう!」


 思ってたより凄い人達だった。

 でもコルネリアさんはともかくラストさんからは王族っぽさを全然感じないなぁ。



「あー、さっぱりした」

「お風呂も大きかったねー、3人で一緒に入れるなんて」

「たまにはこういうのも悪くないわね、椿さんのいやらしい視線が無ければ」

「好きなが目の前にいるのに冷静でいられるわけないじゃん、それにそういう野々村だって遙のことチラチラ見てたくせに」

「……私も谷本さんにボディタッチされたかったわ」

「アレ遙だからギリ許せたんだからね、立派なセクハラなんだから」

「それでも許してくれる理緒ちゃん好きー」


 調子いいなぁ、もう。

 困った幼馴染だ。



「待ってたよー」

「布団は敷いておいたわ」

「5枚敷いてあるんですけど」

「ここで雑魚寝するの?」

「いいじゃん、楽しそうだよ」


 まあ、こういうのもお泊り会ならではかな。

 遙程じゃないけど、ちょっとワクワクする。


「女の子が5人もいたらやることは一つだよね、今夜は寝かさなフゴッ!?」

「ねえラスト、それをわたくしが許すと思うの?」

「ごめんなさい、調子に乗りました……」


 チカラ関係がよくわかるやり取りだなぁ。

 っていうか止めてもらわなかったら危なかった?


「やっぱり女の子のお泊り会といえば恋バナじゃない」

「ねえ遙、あたし達の恋愛事情は既に筒抜けなんだけど」

「そこはホラ、ゲストが2人いるんだし」


 あたし達3人の視線がラストさんとコルネリアさんに集中する。

 確かに興味はある。


「しつもーん、お2人には好きな人がいるんですか?」

「コルネリア」

「ラスト」


 うん、うん……?


「ええと、お2人は姉妹とかじゃ……」

「確かファミリーネーム一緒だったよねぇ」

「いいえ、わたくしとラストは結婚しているの」

「あ、わたしが嫁入りね」

「「「ええええええええええええ!?」」」


 姉妹にしては似てないと思ってたけど。

 け、結婚!?


「そんなに驚くことなのかしら」

「だ、だって王族なら子孫とか」

「まだ時間かかると思うけどその内できるようになるし」

「確かに、iPS細胞とかいうのでできるようになるみたいな話をニュースでやってた気がするわ」

「そもそも義兄さんが王妃を迎えればいいだけだし」


 なんというかこう、あたしが想像してた王政国家とは全然違う。

 色々と緩い。


「ひとつ質問していいかしら、あのリジチョウは何物なの?」

「何物って言われても……」

「うちの学校の理事長先生としか言えないもんね」

「悪い人ではないのはわかるのだけれど、声に聞き覚えがあるような……」

「コルネリアは会ったことあるの?」

「わたくしもよくわからないのよ、間違いなく初めて会ったのにそんな気がしないような……」


 確かに掴みどころがない人だけど、そんな不思議なことがあるんだろうか。

 結局、この話題は明確な回答が出ないまま終わり次へと移っていった。


「そういえばリオとヒトミとハルカは三角関係なんだよね?」

「ええ、まあ……」

「わたしいい解決方法を思いついちゃった」

「ほ、本当ですか!?」

「嫌な予感がするのだけれど」


 そんな簡単に!?


「わたしが3人共貰っちゃえば全部解決!」

「却下よ、少しは欲望を隠しなさいな」

「やっぱりダメかぁ」

「完全に尻に敷かれてるねー」

「ハルカちゃん……なんでわたしが下だってわかったの!?」

「少し黙りなさい!」


 コルネリアさんがラストさんに向けて枕を投げつける。

 こんなコントみたいなことを毎日してきたんだろうか?

 恋バナ、か。


「あの、お2人の馴れ初め気になります」

「え、出会うところから始めると長いよ」

「今夜は寝かさないって言ったのラストさんじゃないですか、オールしますから聞かせてください」

「だって、どうする?」

「恥ずかしいのだけれど……」

「まあ、いいじゃん」


 ラストさんとコルネリアさんの馴れ初めを聞きながら、頭の片隅で考える。

 ラストさんの解決策は、ナナメ上をいくものだった。

 あたし達は、常識に囚われ過ぎていたのかもしれない。

 もう一度、考え直してみよう。

 あたしは野々村や遙と、どうなりたいのか。

次回が最終回になります

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― 新着の感想 ―
お疲れ様です。いつも楽しく拝見しております♪ 元気そうなラストちゃんとコルネリア様を拝見できて大変嬉しかったですし胸熱でした✨結婚しているのに隙あらば3人を口説こうしているラストちゃんが面白かったです…
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