1話 戦艦貿易都市の片隅から世界を覗く
エース
「女難の相なんだわ俺」
友人ロウ
「は?」
友人ロウはエースの言った事にイラついた
ロウ
「お前なにそれ 当てつけか?」
エース
「はは、そんな事言えるってさ
お前、じゃあ商売女限定つったら分かるか?」
エースは涙目だった
ロウ
「おう すまねぇな
商売女に抱いて抱いて言われてもちっともうれしくねぇわ」
ロウは貿易戦艦都市で言う所の遊女桜庭園という領域の取締役の息子だった
ロウは働いてる遊女には手を焼いていた
ロウ
「俺もさ、跡を継がねぇとって思ってたが
じゃあやってみたけど、これがまためんどくせぇのなんのって
遊女になった奴は楽に商売出来ると意気込んで
おっさんの相手させられんだ それがまあ商売の常識なんだが…奴らには通用せんのよ」
ロウは下っ端の役職である相談役を任されていた
エースは持っていた鞄から電子ポケットから歴史電子書籍を開いていた
エース
「カウンセラーってのが昔あったらしいな
ただ、カウンセラーというのは金の亡者だと判明してぶち殺されたらしい
一家惨殺が続いてカウンセラーは絶滅したらしい」
エースは戦艦都市の窓から見える下を見た
エース
「望遠鏡からでない限り見えない真下の血海に沈んでるらしいぜ」
ロウは笑った
カウンセラーごときじゃ、商売女の相談にはなれはしないと
ロウ
「だってギャンブル依存症の一人すら救えないんだろ?教科書電子書籍で見たよ
あんなの、今まで法が無かっただけで
法が確定された途端に武装集団に殺されただろ?
そしてそのカウンセラー商売で建てた家も金庫の金も全て焼却されたろ」
ロウもエースも全て電子ポケットというデバイス機器によって
全ての電子書籍を読んでいた
二人は一心同体となって、この戦艦貿易都市にある書籍を読み取っていたのだ
そして記憶は記憶貯金箱にしまってある
記憶領域は一定に留めたい
それは彼ら二人が分かち合った富と名声の暴落を夢見ているからだった
エース
「世界の下らなさを俺は戦艦貿易都市という閉鎖空間と外部空間の情報によって知ったんだ」
ロウ
「そうして俺らはここにいる そうだろ?」
エースとロウは肩を組み合った
しかしそれは遊女には遠くで見るとホモにしか思われてない
エース
「知ってるか?俺とのカップリング同人誌あんだぜ」
ロウ
「ヴォエッ!きっしょ!!」
さすがにロウは吐いた 吐きまくった あまりの気持ち悪い性癖を見せつけられて
エース
「俺達は戦艦貿易都市ノアトルギアで暮らしている
そこでしか暮らせないからだ」
それは戦艦貿易都市ノアトルギアの外側は危険領域だからだ
しかし危険領域と言われてる癖に窓から見える景色は何も変哲もない
ただ、望遠鏡で見える遠くにある存在にだけは血海と
血海から一瞬だけ存在を認識出来る何かがあった
ロウ
「歴史電子書籍には、滅亡に追いやった魔物とされている
その魔物を知る者は、俺の親父だ」
エースとロウの目的は
その親父を殺す事だった
エース
「お前の親父を殺す事がこの戦艦貿易都市という閉鎖空間から抜け出す事と分かった時
ロウの心の強さを知ったよ お前は強い男だ 是非とも穴兄弟になりたい」
ロウ
「止めろ馬鹿野郎」
ロウは右ストレートをかました
エースは顔が凸凹になって鼻血を噴き出していた
エース
「やめろ馬鹿野郎 記憶領域にお前は右ストレートの神髄を記憶したままって事忘れたのか?
そして俺は幻想庭園を見せる幻術使いの記憶を有している そうだろ?」
ロウとエースは能力者電子書籍での記憶を持っていた
これは記憶貯金箱には入れてなかった
ロウ
「すまんな許せよ」
エース
「馬鹿野郎め」
エースは幻想庭園を魅せた
幻想庭園にはロウの大好きな女体が跋扈していた
ロウの大好きなレゲエ女がそこには存在した
ロウ
「やべぇ 洗脳されそう ウヒヒ」
ロウはいただきますと言ってケツに噛みつこうとする
しかしそれは鉄パイプだった
ロウ
「歯が…歯が…!」
そんなボケと突っ込みのやり取りをしつつも
エースとロウは親父を殺す目的に話す
エース
「親父を殺して脳を引きずり出して、
特権階級者に埋め込まれた脳チップを手に入れる事
これが俺達の狙いだろ?」
ロウ
「そう、特権階級者だと判明しているのは
俺の親父だったからだ 近しい者しか知らないし
偶然俺は近い場所で盗み聞いたから知ってるだけだ」
そして歴史電子書籍にはこうも綴られていた
「唯一の希望がそこには在る」と
エース
「唯一の救い それが何かは分からねぇ
けどよ」
エースは望遠鏡を電子ポケットから召喚した
エース
「俺達マジで救われてるよ 世界から」
望遠鏡で今度は上空を見た
上空に浮かんだそれは竜共の巣窟だった
ロウ
「血海と、血海を嫌う竜の習性
そこに浮かんだたった一つの希望でこの空挺は浮いている
って事なんだが…自然とワクワクするぜ この雰囲気」
二人は中二病電書籍を見ていた
エース
「中二病としてはこういう状況好かんといけねぇよなぁ」
エースとロウは手を組み合った
エース
「あばよ 相棒 元気でやれよ」
ロウ
「何言ってんだお前」
ロウがその一言を言ってエースは幻想庭園にロウを惑わせて夢を見させる
エース
「ここからが本番だ
俺は幻想庭園と右ストレートで世界を変えるよ
希望はここに無いさ」
女難の相が浮き出てきている
そう感じた時には遅かった