第六話 初戦闘
前回までのあらすじ
三歳になったアレンは村の親睦会に参加し魔の森に行くことになった。そこで、自由行動の時間に村長の息子カインに誘われゴブリンを見に行くため森の奥に進むことになる。ゴブリンを見るはずが、逆に見つかりアレンが一人残りみんなを逃すが……
薄暗い森の奥に一人残ったアレンに向かって、奇声を発しながら駆けるゴブリンたち。
薄暗さがより一層ゴブリンの醜悪さを引き立たせている。
しかし、アレンに慌てている様子も怯えている様子も微塵も感じられない。アレンは堂々と構えゴブリンの動きに集中している。
その姿は年端も行かない子供とは思えない。
(かなり落ち着いているな。これが強者の余裕ってやつか?)
ゴブリン二体がアレンを押し倒すように飛びかかる。残りの一体はアレンが目に入っていないのか逃げていったミーナ達を追いかけようとアレンを無視し、通り過ぎていく。
「待て、行かせるかっ! 」
飛びかかるゴブリンの動きに呼応したかのように、左足を軸にして反時計回りに回りゴブリンを躱し、そのままミーナたちを追いかけようとしているゴブリンに距離を詰める。
ゴブリンの肩を掴もうと手を伸ばすが、その手はあと少しのところで届かず、ミーナたちの元へと行かせてしまうことになった。
「くそっ! 待て!」
ゴブリン二体はアレンが他のゴブリンに気を取られている間にもう一度飛びかかり押し倒そうとする。
「なっ」
走り去っていくゴブリンに気を取られていたアレンは、背後から襲ってくるゴブリンたちを躱すことができずに膝から崩れ落ちた。
地面に横たわったアレンは足首をゴブリンに掴まれブンブン振り回される。近くにある木に目掛けて投げ飛ばされた。
「うっ」
ゴブリンは攻撃の手を緩めずに攻め立てる。
(おかしい、女神様の加護で身体能力が上がってるはずなのになんで俺がやられてるんだ? 兎に角このままじゃやばい、確実に殺される)
アレンがこの状況に息を飲んでいる間にもゴブリンは近づいている。
(逃げないと殺される)
更新遅くなりました。
戦闘シーンが難しかったのです。
はい、言い訳です。ごめんなさい。