表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者は魔女である  作者: 雨上がり
1:アリスのターン
1/8

第1話 小林純也はアリス・スペスである

評価等して頂けると幸いです。

  都立菜乃木坂(なのぎざか)高等学校2年小林純也(こばやしじゅんや)は普通の高校生だった。

  しかし、彼の平凡な人生は一瞬にして激変する事になる。

  ある日俺は普通にいつもの道で駅に向かっていた。それだけだったのに…

  なんでトラック突っ込んできたんだよ!

  そう。俺は車に轢かれて死んだ……はずだった。

  体中の感覚がまるでない。俺は死んだのか?


 《小林純也さん。貴方は死にました。》


  突然聞こえてきた声に驚いたが話してみる事にした。


「貴方だれっすか?」


 《私は“神”と呼ばれる者です。貴方は死にました。ですが若くして死んだ貴方にチャンスを与えましょう。この世界ではない“異世界”

 に転生させてあげます。貴方は異世界でどんな事をしたいですか?》


  どんな事?それは望みを叶えてくれるという事だろうか。

  そしたらかなりのチャンスだ!


「魔法バンバンつかって美女に囲まれてハーレム生活がしたいです。」


 《ふふっ。分かりました。それではご健闘を祈ります。》


  声の主(神様)はそう言うと何やら詠唱の様なものを唱え始めた。

  お?ガチで生き返れるんじゃね?

  そしたら美女に囲まれてハーレムか!

  マジで神様最高だぜ。


 《それでは行ってらっしゃい。》


  次の瞬間俺は眩い七色の光に包まれた。




  目を開けるとそこには俺に向かって剣を向ける兵士がこちらを睨んでいた。

  中世風の町でいろんな種族が混じって歩いたりする光景を期待していたのだが。

  なんかいきなりピンチなんですけど。


「今大人しく降伏すれば命だけは助けてやる。降伏しなければ王国兵の名において貴様を倒す。さあ選べ!」


「降伏しますからどうかお許しを。」


  状況が読めないけど勝てるわけないので素直に降伏した。


「さあ歩け!忌々しい魔女め。」


  ん?今この人なんて言った?


「あの……今なんて?」


「はぁ?俺は忌々しい魔女(・・)めと言った。そんな事も聞き取れないのか?」


「すみません。」


  口では謝っているが今俺は混乱しててそれどころではない。

  魔女……それは魔法使いの中でも特殊な能力を持ってたり変な魔法の薬とか作ってる人である。

  まあここなへんは話によって違いがあるがこれだけは絶対に変わらない。

  魔女は必ず女性だ。

  あの王国兵には俺が魔女と言っていた。

  つまり俺は女に転生してしまったと言う事だ。

  でも女だというだけで魔女の能力は高い事だろう。

  今は王国兵に連行されてるし言うこと聞かないとまずそうだな。




  しばらく連行されていると警察署の様な建物が見えてきた。


「よし。着いたぞ魔女め。ここでお前たち魔女の事について沢山喋ってもらう。いいな?」


「は、はい。」


  不安しか感じねぇ!

  俺の他に魔女がいるのか?

  まず俺魔女どころかこの世界についても全く知らないのだが。

  尋問官の人優しいといいな。

  絶対にない事は分かっているが期待しないと緊張で胸が締まりそうだ。

  警察署の様な建物に入り、廊下を進むと一つの部屋があった。


「ここが聴取室だ!ここでお前はスズキ尋問官から様々な質問を受ける。お前は全て正直に話せ。」


「はい。あの……スズキさんについて詳しく。」


「スズキ尋問官については本人から聞くといい。」


  王国兵は教えてくれなかった。尋問官とかいうから怖いんだろうな。その人にいきなり出身聞いたら殺されそうで怖いんですけど。

  聴取室の椅子に座れと言われたので座った。

  スズキさんは顔は完全日本人だった。

  そこで俺は勇気を出して単刀直入に聞く事にした。


「あの!スズキさんは日本出身ですか?」


「え?なんで日本の事知ってるの君。」


  おお!日本人だ。しかも結構優しそう。


「自分車に轢かれて魔女に転生してしまったんですよ。」


「へぇ。そうなんだ。僕は転生じゃなくて召喚されたんだよ。」


  召喚か。という事はこの人は元々の姿でこの世界に来たのか。


「あとすんません。なんか一回自分見てみたくなったんで鏡とか貸してくれませんか?」


  俺がそう言うとスズキさんは快く鏡を持って来てくれた。

  鏡を覗くとそこに映っていたのは長い黒髮をたなびかせている綺麗な少女だった。

  ついでだが胸の大きさも中々のものだった。


「俺本当に魔女になっていたんですね。」


「うん。この世界では君は空間を司る魔女“アリス・スペス”として認識されている。」


「この世界の魔女はどんな人なんですか?」


「この世界では魔女はそれぞれ特殊な加護を持っていてとても強力な魔力を持っている。そして力に溺れた魔女は残虐に人を殺し続けるんだ。」


「なるほど。だから速攻敵対視されたのか。」


「きっとそういう事だろうね。」


「あの……そろそろ帰してもらえませんかね?」


「ああ。そうだね。危害を加えてくる訳じゃないし帰してあげるよ。でも君お金持ってないでしょ。」


  言われてみれば確かに無一文だ。


「まあ頑張って働いて一日一日を大切に生きる事にしたから大丈夫だよ。」


  なんて軽口言ってたら本当に帰して貰えた。




  今日はとりあえずどこかでバイト探ししないとな。

  近くに酒場があったので試しに就活しに行ってみることにした。


「こんちわ。いきなりで悪いが雇ってくれませんか?」


「え?その黒い髪……貴方もしかして魔、魔女?」


「よく似ていると言われます。」


  すみません。魔女でございます。


「まあ今週は少し人手足りないから別にいいよ。これから接客の方をして貰うよ。私はハニル、分からない事があったら聞いてね。」


  やったぜ。案外楽に仕事が見つかった。


「よろしくお願いします。」


「うん。一週間頑張ってね。でも使えないと判断したら速攻クビにするから覚悟しておいて。」


  てな感じで俺はこの酒場でので働くことになった。

  客は最初は(魔女)を見てビビってたけど美少女だったため意外と簡単にこの店の看板娘となった。


「アリスちゃん!ビールおかわり。」


「かしこまりました。ただいまお持ちいたします。」


  敬語も結構使えるようになった。

  家なんて買えないから店で寝泊まりさせて貰っている。

  お金もまあまあ溜まってきているからそろそろ小さな家でも買おうかと思っていた時。


「なあアリスちゃん。冒険者に興味はないかい?」


「冒険者ですか?」


「ああ。一攫千金の冒険者だぜ!アリスちゃんは店で寝てるんだろ。だったらそろそろ家が欲しいんじゃないのか?」


  冒険者か……確かに稼げそうだ。そういえば俺魔女なんだから強いんじゃね?


「冒険者になるにはどこに行けばいいんですか?」


「お?冒険者デビューか。冒険者になるには“ギルド”と呼ばれる場所で冒険者手続きをすればなれるぞ。」


「ありがとうございます。仕事が終わったら案内して貰えますか?」


「アリスちゃんの頼みなら勿論いいぜ。」


  お礼を言って俺は仕事に戻ったがさっきの男が周りの男達に「後でアリスちゃんとデートだぜ!」とか言ってたのは気にしないでおこう。

 



  やっと仕事が終わりあの男との約束の場所に行くとさっきの男はもう着いていた。


「お待たせしてすみません。」

 

  お前早すぎだろ。謝んなくちゃいけなくなったじゃねーか。


「全然大丈夫だ。早く行こうぜ。」


  言ってることはイケメンなのに顔が残念すぎて全く心に響かない。

  “ギルド”に着くと男は帰っていった。


「こんにちは。冒険者手続きですか?」


「はい。そうですけど。」


「それではこちらの紙にサインしてください。」


  紙にサインすると受付の女性が確認してから機械のような物を出してきた。


「こちらの魔道具に手をかざしてください。」


  そう言われて手をかざすと魔道具のパネルに文字が浮かんできた。

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

【Lv.1】職業(ジョブ):“魔女(ウィッチ)

<名前>

 アリス・スペス

<技能(スキル)>

 なし

<能力(アビリティー)>

 なし

<魔法>

 なし

<加護>

 空間操作の加護

<ステータス>

 (パワー):13

 知能:30

 幸運(ラッキー):9

 素早さ(スピード):10

 魔力:125

 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

  このようになっていた。

  空間操作の加護は説明されてもいないのに本能的に使い方が分かった。空間を圧縮したら拡張したら出来る加護なのだ。

  ステータスはいたって普通だが魔力だけ飛び抜けて高い。

  魔女だからだろうか。

  でも無事に俺は冒険者になれた。

  ここから俺の冒険者ライフはスタートするんだ。

投稿ペース遅いと思いますがよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ