第3話 装備は大事
アリジオのおっちゃんの案内で
店に着いたはいいが、
何だ、このデカさはぁぁあ!?!?
ショッピングモール並にデケェぞ、これ!
アルジオのおっちゃんマジで大商人だったんだな…
なんでも聞くところによると
ここにあるお店はほとんどが
アルジオのおっちゃんとこの弟子達らしい
つまり、この馬鹿でかい建物全部が
アリジオ商店の系列店ってわけか…デカいな、うん
前を歩いていたアルジオが、ふと振り返る
『ところで、リュード様、武器は何をお使いで?』
武器か…特に何も決めてなかったな
オーソドックスに、片手剣かなー
よし、それにしよう
『片手剣を使いたいかな』
『汎用品と、特注品どちらになさいます?』
質より量の安物汎用品か、
自分好みのお高め特注品か
悩んでいると、鍛冶屋の前についた
鍛冶屋と言えど、かなり広い
『らっしゃい…って、アルじゃねぇか』
店主らしき50歳ほどの強面のガタイのいい男が
声をかけてきた
『ん?そいつぁ見ねぇ顔だな、新米か?』
うぉ、正面切って睨まれると怖ーな
『ダージェス、お客様を睨むな』
『すまんすまん、睨んでるつもりはないんだがな。すまんな、ボーズ』
意外と優しいのか?だが、見た目は見事にその筋の人だな
『右目の刀傷さえ、なけりゃ怖くないのによぉ』
ダージェスさんとやらが、嘆いているが
怖い原因、それだけじゃねぇからな!?
この人の名前は
ダージェス・D・アルフォンス
数少ない1級鍛治師だそうだ
アリジオとは、古くから友人のようだ
特級鍛治師という神の技と呼ばれる技巧を
扱う鍛治師もいるらしいが、所在が不明らしい
ダージェスさん自身が、なければというのは
右目にざっくりと痕のある刀傷だ
目が閉じられている
『傷を隠したいなら、コレつけろっていつも言ってんだろ?』
アルジオが、なにか布のようなものを差し出す
『ソイツをつけると、違和感で手元が狂うんだってのもいつも言ってんぞ』
『まぁ、いい。この子の剣を作ってもらいたい』
いや、待て待て。俺金ねぇってば!!
『剣?別にそりゃいいが、おめぇさん金はあんのか?』
そう言い、また睨むようにこちらを見てくるダージェス
『っ…特注品を頼む程は多分ないですね』
『おっと、そうだったな。支度金はいくら貰ったんだ?』
『これだけです』
袋ごとアルジオに渡すと、覗き込み渋い顔しながら袋を戻してきた
『うーん、特注品を頼めないことないがそうすると防具がな…』
特注品は、物と作成者によって変わるが
だいたいが金貨6枚から作れるみたいだ
ダージェスさんは、上級鍛治師のため
金貨10枚からしか作れないという
鍛治ギルドの決まりらしい
すると、ダージェスさんが汎用品の剣を手に取り
『こいつなら銀貨400枚ってとこだな。それと…よっと』
カウンターの奥からなにやら箱を持ってきた
『防具一式だが、銀貨750枚だったが皮の劣化があるからな、500枚で譲ってやる』
一式と、剣を買い礼を言って店を出る
アルジオは、いつの間にか消えていたが
気にせず、準備を進める
装備が揃ったはいいが、アイテムを仕舞うための
バックパックのようなものを買わないとな
『なんだ?この店…ん?アレは…』
怪しげな雰囲気の漂う店の店頭に置かれていた
袋のような物が目に入る
近づき、手に取る
『なんだ?これ、なんかどっかで見た覚えが…』
『お兄さん、そいつが気になるのかい』
おっふ、なんだ?この婆さん、いつから俺の背後にいた?
さっき、店先で見た時は誰もいなかったぞ
驚きを隠せない俺を無視するかのように
説明をする婆さん
『そいつは、魔法の袋でね、使用者の魔力の強さによって仕舞っとける量が変わるんじゃ』
てことは、俺はAだからかなりの量なんじゃ…
『お兄さんなら、沢山仕舞えるねぇ…ヒッヒッヒ』
こいつ俺の魔力をどこで!?
『そう構えなさんな。ワシは魔力がオーラとして見えるんじゃ』
魔力をオーラ…だと…!?
なにそれ、かっけぇ!
『その能力?って俺でも使えます!?』
『ホッホッホッ残念じゃが、ワシの特異能力じゃ』
『ユ、特異能力?』
中途半端ですが、一度切ります。
まだまだ続きます!