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エピローグ 【夢】


僕には幼い頃から度々見る夢がある。主だった内容は毎回同じだ。気がつくと迷路のように入り組んでいる狭い路地のような道をひたすら歩く自分。道の幅は狭く人が2人並んで歩くことは不可能なくらい。時間帯はわからないが前も後ろも空も真っ暗だ。

そんな道をくねくねと曲がりながらそのまま歩いていると行き止まりに突き当たってしまう。いや正確には行き止まりではない。その壁には見るからに分厚く重厚感満載な年季の入った錆だらけの扉が一枚。その扉を躊躇無く開けると下に向かって続く長い長い階段がある。先ほどの道では何の音も明かりもなかったが、その階段の下からは何やら灯りらしき物も見える。

僕はその灯りを目指して階段を下りて行く。そしてようやく最後の1段が見えてきた。なにやら最後の1段には白くて小さな動物が居座っている。【猫】だ。

それが階段を下りる音に気づきこちらにむかってゆっくりと振り向く。雪のように真っ白なふわふわの毛並みに、細く長い尻尾をくねくねと動かしながら。透き通った青い目が特徴的な美しい猫。

その猫が僕を見つめるとその動物は鳴いた。いや、喋った。

「人間がこの先に何か御用かしら?」

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