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第44部部分 真相はいらない 真理が欲しいんだ

今回の文字数は空白、改行含めて1910字です。



「えぇえええ!」


 そんな雄叫びと共に俺は産みだしてしまった。


 悲しいモンスターを……


 目の前に女子がいるってのに。


 しかもその女子は。


 ツインテールじゃないんだ……


 おさげなんだ!


 銀縁眼鏡のマジメっこ。


 彼女が着ているジャージはピチピチしていた。


 胸とお尻。


 ジャージはビミョーに色落ちまでしてやがる。


 恐らくお兄ちゃん、もしくはお姉ちゃんのお下がり。


 いずれにせよ彼女程胸やお尻が発達しているはいないであろうと推測される。


 他に彼女について知ってしまった2,3の事柄。


 ごついカメラやマイクと野鳥観察のハウツー本。


『むっちりマシュマロボディのぼっちで夢見がちな苦労人』


 その称号を彼女に授けることに決めた。


 きっと彼女はゆとりがない家庭で生まれ育った。


 そして鳥とのおしゃべりだけを心の支えとして生きてきた。


 そのためにアルバイトして機材まで買いそろえた……


 そんな女子が俺の前にいるんだ。


 あえて言おう。


 俺は微乳が好きだ。


 それが俺の生き方だった。


 だが知らなかっただけだと認めざるを得ない。


 巨乳の引力を!


 巨乳の抗力を!


 巨乳の質量を!


 メジャーじゃない……


 量りになりたいんだ俺は。


 彼女の巨乳を頭に乗せることができたあかつきには宣言しよう。


『あとは長くて固い棒があれば彼女の二つの球体すら動かして見せよう』


 俺の分身も宣言なう!


『ゼロ・グラビティなう!』


 俺は一つの真理を得た。


『巨乳。それこそが人類が重力から解き放たれる鍵となるのだ!』


 そんなことを考えていると気が付いた。


 彼女はヘッドホンを外している!


 鳥たちとのおしゃべりを中断してまで俺の言葉を求めてる。


 ならば俺の言葉を伝えるしかない。


「君には真実を伝えよう。さっきは咄嗟に誤魔化してしまったが君は信用できそうだ」


「はぁ?」


「俺は、ある意味エクソシストでね。小悪魔専門の。小悪魔祓いをしたんだ」


「はぁ」


「この一見コンビニ袋に見えるのはエクトプラズムといってね。小悪魔払いをするためにあえて俺自身に小悪魔を取りつかせた結果なのさ。その小悪魔は『氷結果実』と『エンリョ・ノ・カタマーリ』という二体の小悪魔なんだが……」


「は、はぁ」


「取りつかせた悪魔をこうやってとっ捕まえた。そういうわけでね。それじゃ俺はこれで失礼するよ」


 俺は慌てて彼女に背中を向けてパンツとズボンを引き上げた。


 俺の背中に彼女の声が届いた。


「あの。お尻拭いた方がいいですよ」


 ですよねー。


「あの。なんか。すいませんでしたっ!」


 俺は藪の奥に駆け込み篠原さんからもらったウェットティッシュで尻を拭いた。


 使ったウェットティッシュをコンビニ袋に放り込み袋の口を捩じってポケットに突っ込む。


 俺は何となく気が引けて、腰をかがめてこそこそとむっちりマシュマロボディのぼっちな夢見る苦労人、略してマシュマロちゃんのところに戻った。


 口止めするつもりだった。


 彼女はさっきのことなど何もなかったかのようにヘッドホンをつけ瞳を閉じていた。


 鳥たちとのおしゃべりに夢中の様だ!


 そう思って声をかけるのをやめて、そのまま篠原さんたちのところに戻ろうと立ち上がろうとした。


 後ろからジャージの袖を引っ張られた。


 しゃがむ彼女に合わせて俺もしゃがんだ


 マシュマロちゃんは口元に人指し指をあてた。


 囁くように言った。


「学院の奴らが現れました」


 そう言って人指し指をあの大きな桜の木の方に向けた。


 そこには倉田学院高校の制服を着たワルでヤバめなやつらが3人。


 篠原さんたちと向き合っていた。


 マシュマロちゃんは続けて言う。


「からまれてるようです。学院の奴らは昨日の女がどうしたとか言ってました」


 取り囲まれている篠原さんたちを見ている俺の脳内ビジョンに現在の所持アイテムがアイコンの形で映し出された。


 ストパー、スマホ、脂肪、ウェットティッシュ、エクトプラズム、悲しいモンスター。


 脳内ビジョンに画面の上にはテキスト文書。


『アイテムを組み合わせますか?』


 即決だ。


『YES』


 俺に迷いは無かった。


 俺の脳内ビジョンにニューアイテムのアイコンが表示されていた。


 そのニューアイテムの名前は……


 『悪魔の生物兵器』


 躊躇うことなく使う。


 そう決めた。


 頭にパンクロックが流れ始めた。

お読みくださってありがとうございました。

次回予告

篠原ことサーティ―ンは危機的状況を冷静に分析しいていますが……

第45部分 「サーティーンの状況分析 アクシデントはいつも無断で現れる」

4月27日(月)午前7時掲載予定です

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