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泉の女神  作者: 徒然花
本編
5/79

装備させて

やっとこ彼、登場です。

が、めちゃサラッとです(笑)

簡易宿泊場所で、布団のようなものに入った途端に私は爆睡した。

こんな得体の知れない場所で爆睡できる私ってすごいかも!って思う。

実は騙されていて、生贄にされててもおかしくないんだからね~。

ああ、疑うことをしない、単純な私・・・。生きててよかったよ!!




「おはよーございます。」

囲いを出たら、もうすでにアンとシエルは起きていて、いつの間にか持ち込まれていたテーブルに食事の準備なんかをしている。

神様にも食事って出してくれるのかしら?私、神様じゃないからお腹すくんだよー?燃料いるんだよー?

そんなことを思いながら眺めていたら、

「おはようございます。今お供え物を持ってまいりますね!」

って、アンに笑顔で言われた。

心の中を読まれた?!いや、ふつーに物欲しげな顔してたんだろう。恥ずかしい。

しかし『お供え物』ですか・・・。確かにカミサマになった気分です・・・。

地味にブルーになっていたら、果物やパンや飲み物などが運ばれてきた。

「わっ!美味しそう!」

私のいたリアルワールド(勝手に命名)と、そんなに変わりのない物がでてきた。

昨日の夜ごはんから食べそびれてるから、今の私はペッコペコのペーだ。

ありがたく頂戴することにした。お腹壊してもいいや。壊してから考えよう!

とりあえず、食うべし食うべし!




朝食をたっぷり食べても、無事(?)お腹を壊すことはなかった。

よかった。これでこっちの食べ物も大丈夫ってのがわかった。

一息ついていると、村長さんが3人の男の人と、一人のおばあちゃんを連れてやってきた。


「おはようございます、女神様。」

「女神様じゃありませんから。」

またこのやりとりから。

恭しくお辞儀をされるけど、いつになったらわかってくれるんだろう?

「さっそく薬草を見に参りましょう。このおばばは村の薬師でございます。案内役にと思い連れてまいりました。後は護衛です。基本的に昼の森は夜ほど危険ではございませんが。」

それは心強い!ありがとう!村長さん!

「ありがとうございます。あ、そうだ。出発の前に、アンさんとシエルさんにお願いがあるのです。」

双子ちゃんに向かって、私は言った。

「えーとですね、布を何枚か重ねてこういうモノを作っておいてほしいんです。できるだけたくさん。」

地面に図を描いて説明する。そう、マスクを作ってもらうのだ。

「ここをこうして縫って、ここにゴム・・・伸びる素材のモノを通して・・・」

図を指しながら、更に詳しく説明する。

双子ちゃんは理解力があるのか「はい、・・・はい」と熱心に聞いていたかと思うと「「わかりました!お任せください!」」と、輝く笑顔でハモってくれた。


裁縫隊の巫女ツインズを残し、私たちは泉の裏の森に入っていった。




昨日は夜で気付かなかったけど、泉の周りにも薬草がたくさん生えていた。薬草尽くしといっても過言ではない。

「おばあさんは、どの様な薬草を処方したのですか?」

一応、おばあさんに聞いてみる。

「はい。これこれこいう薬草を・・・」

昔からこの村に伝わる伝統の風邪薬を処方したらしい。けど、まったく効き目がなかったと。

確かに、今から私が探しに行く薬草とは方向性がずれていた。

言うなれば、熱なのに咳の薬を処方してるみたいな?

それじゃ効かないわな。

「わかりました。では今からこれとこれとこれと・・・」

最近、インフルエンザにも有効だと言われている漢方薬の材料を伝える。

きっと、リアルワールドで通用している名前などこちらには通用しないだろうから、特徴を説明する。

「・・・この辺りにありますか?」

「はい、それらならそう遠くないところですべて揃いますよ。」

と言って、おばあさんは案内してくれた。




たっぷり午前中いっぱいはかかっただろう、目的の薬草を手に入れて、私たちは森から出てきた。

どれだけ要るかわからないから、気持ち多めに摘んできた。

もちろん荷物は護衛兼荷物持ちの男の人にお願いして。

そういえば、護衛の一人が、村長さんの息子さんだと紹介された。

ふわ~~~!!美形!!眼福!!って思った男の人だったんだけど、いかんせん、めっちゃ愛想が悪い。嫌々護衛してます~みたいな感じのオーラ出まくり。

あーあ、あたら美形がもったいない。




神殿に帰ると、巫女ツインズがいい仕事をしてくれていて、マスクがたくさん出来上がっていた。

「ありがとうございます!アンさん!シエルさん!助かります。」

アンとシエルにぺこりと頭を下げる。

すると二人は慌てて、

「そんな!!女神様のお役にたてるだけでも光栄なのですから!!」

と、うるうる感激している様子。きゃー、かわゆいです!二人とも!!


薬草をすり潰すのをどうしようかと考えていたら、とりあえずおばあさんが道具を貸してくれるというので、村の様子見を兼ねてそちらに移動することにした。


今日一日で回れる数は限られるので、問診に耐えられそうな村人から話を聞いてみた。

やっぱり、インフルエンザに似た流行り病。


さっそくおばあさんの家へ行き、道具をいろいろと借りて薬を調合した。

そもそも私はナースであって、医者ではない。

一般人よりは医学知識があるだけだからね!

あとは趣味の領域。薬草ヲタクの世界で。

だから、自分の調合した薬が効くことだけを祈りつつ。

あ~、リアルワールドだったら薬事法違反とか、医師法違反とかで捕まるのかしら。

ま、そんなことここでは関係なさそうだけどね~。

効かなかったら即処刑とかはシャレならんな。

しかし、マスクをした女神様なんて聞いたことないよ・・・。えらく人間臭い女神様だなぁ・・・。


名づけ、めちゃあんちょこです(笑)

思いついたら、もうそれしか考えられなくなってしまって・・・あはっ☆

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