表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泉の女神  作者: 徒然花
本編
24/79

WELCOME王都

しばらく町はずれで休憩してから、いざ王都!!

あ、シェンロンは白ヘビ様に変化してもらって、麻袋の中にINです☆

正体はシェンロンとはいえ、ヘビはやっぱり苦手なので、ラルクが持ってます。

どうでもいいことでしたね。




中心街へ進むにつれて、人や店が増えていく。

市場だって、村のとは規模からして違う。


「ふわぁぁぁぁ! いろいろありますねぇ!」

あちこちを見てると目移りする。

雑貨もあるぞ! アンティークだ! って、ここでは普通に使用されてるものだけどねっ!

美味しそうな匂いは、何の屋台かしら? 立ち食いOK?

「きょろきょろするのもいいが、オレから離れるなよ。迷子になったら大変だからな」

ラルクがラピスの瞳を細めて苦笑する。

「は~い」

といってる傍から、いい匂いのする屋台につられてフラフラと吸い寄せられる私。

ぐいっと腕を掴まれて引き戻される。

「うぉっ?! あ、スミマセン」

「言った傍から」

呆れ顔のラルク。そして、

「つかまってろ」

といって、そのまま腕をすっと出してくる。

ん? 腕組んで歩けとな?

ラルクを見上げると、ほのかに顔が赤い。

お、照れてますな。

「はい。ありがとうございます」

まあここは素直に腕を借りておこう。迷子になんてなっちまったらえらいこっちゃ。

「でも、こんな風にして歩いてたら、まるでデートみたいですねぇ」

なんて、何気に言ったのに、

「……!!」

って、更に顔が赤くなるラルク。

ちょ、こっちまで恥ずかしくなっちゃったじゃないの!

「あ~!! 変なこと言っちゃってごめんなさい!!」

慌てて謝ったわ。

「いや、別に」

って、前髪をかき上げながらそっけなく言うラルクだけど、まだ顔が赤いよ?

ちょっとかわいいかも。いや、後で睨まれたら怖いからいじらないでおこう。そっとしておこう。触らぬ神に祟りなしだ!





しばらく中心街を行くと、目の前に王城が迫ってきた。

って言っても全貌なんか見えないよ? こんもりとした森の上から尖塔が見えてるってだけ。

まずは正門に到着。

門の向こうには青々とした森。これ何? 敷地?

門から真っ直ぐに整備された道がお城まで続いてるんだけど、めっちゃ向こうにお城が見えるって感じ。遠近感おかしくなりそう。

「ふおおおお!! ノイシュヴァンシュタイン城!! モン・サン・ミッシェル!!」

訳の分からん感嘆詞が出てくる。

「ほら、ミカ。入るぞ」

そんな私をまるっと無視して、門の両脇に立つ門番のところへ引っ張っていかれる。

ラルクが国王陛下から頂いた招待状を見せながら、

「近衛兵のドリイに取り次いでもらいたい」

と告げる。

「ラルク様、お久しぶりでございます。今使いを出しました。こちらへどうぞ」

門番の一人がラルクに敬礼する。よく見たら、もうひとりの方もこっち向いて敬礼してる。

つか、ラルク、『様』ってついてたよ?

何気に偉いさんだったのか!?

はてなマークをふんだんに飛ばしながら、先導する衛兵さんについて行く。


しかし。


……門から玄関まで、遠いんですけど?


たっぷり10分は歩いたかも。

やっと次の門が現れた。

もうここはお城の玄関口。

そこの両脇にも衛兵が立っていて、その玄関の真ん前でドリイが待っていてくれた。

「これはこれは女神様。ようこそおいでくださいました」

爽やか笑顔で挨拶してくれる。

眼福ですなぁ☆ って、見惚れてたらラルクが怖い顔になる。いかんいかん。

「お招きに預かり光栄です」

ギコギコギコと、頭を下げる。ぎこちな~!! いい大人が恥ずかしいが、こんなとこ来たことないし、経験値ゼロだもん!! 仕方ないよ!!

緊張がじわじわと蝕んでいく。

どうすることもできないから、唯一頼れるラルクにぎゅっとしがみつく。

神様仏様ラルク様~!

「大丈夫だ。心配するな。さ、行こうかドリイ」

ラルクはしがみつく私の手を優しく撫でてから、ドリイに向き直る。





「陛下は謁見の間でお待ちです」

そう言って、ドリイはなっがい回廊を先導してくれる。

長い。城に入ってから、またどんだけ歩くんだ。

無駄に広くね?

まあ、そんなことはどうでもいい。

もっと大事な問題発覚!!

私は所詮庶民。挨拶とか行儀とか、全然わからないよ~!

世間一般的なことは一応できるけど、セレブな所だと通用しないでしょ。

組んだラルクの腕をくいくいっとひっぱり、

「ラルクさんラルクさん。あのですねぇ、私、作法とか行儀とか、全然わからないんですけどぉ」

前を行くドリイに聞こえないように小声でラルクに囁く。

ヤバい、半泣きになってきた。

「普通にしておけばいい。オレのまねをしておけば大丈夫だ」

ラルクも小声で耳打ちしてくる。

「わかりました」

コクコクと肯く。


しばらく歩いて、大きな扉の前でようやく止まった。


コンコンコン。


軽やかにドリイがノックする。

すると中から「どうぞ」という声とともに扉が開いた。

うわぁぁぁ! とうとうご対面だ!! どうか牢屋にINだけは勘弁してくださいねっ!!

ままよ、と、ラルクと共に謁見の間に入る。


そこはだだっ広い空間。


シャンデリアがいくつも天井からぶら下がっていて、とってもゴージャス!

廊下と反対側の壁は一面ガラス窓で、外の庭園が良く見える。

今日はいい天気だからまぶしいくらいの陽光が入ってきている。

部屋の一番奥が、3段ほど高くなっていて、そこに重そうな金色の椅子が置いてあり、重厚な衣装を身に纏ったご立派な男の人が鎮座していた。

おおっ!! ルートヴィヒ2世さん? ルイ14世さん? ……て、違うな。

「国王陛下だ」

ラルクが耳打ちしてくれる。

思わずごくり、と生唾を飲み込む。

ともすると俯きそうになる自分を叱咤しながら王様を見る。

思ったより若い人だ。30ちょいくらいかな?

超美形とかいうのではないけど、整った上品な顔立ち。

プラチナの髪を後ろで結わえている。綺麗な色だ。

きりりとした素敵な方だ。国王捕まえて素敵っつー表現もなんだけど。


ラルクにエスコートされて部屋の奥、より王様に近い場所まで移動する。


こんなセレブに近寄ったことないから、ビビるんですけど……


ノイシュヴァンシュタイン城。写真でしか見たことないです(笑)

モン・サン・ミッシェルは面白かったです。屋上(?)からの眺めのよろしいこと!

謁見の間のイメージは、ヴェルサイユの鏡の間って感じでしょうか?


今日もありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ