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泉の女神  作者: 徒然花
本編
2/79

私はアロマセラピスト

はじまり~3話目くらいまで、短いのでサクサクいきます♪

医学とか、薬学とか、ほんとにど素人なので軽く流してやってください!

私、江藤美華は今でこそアルバイト生活してるけど、1年前まではちゃんとした社会人だった。なんとナース!

でも、自分のいた職場が過酷を極めることで有名な部署で、結局のところ自分が体調を崩してしまったのだ。

とりあえず、ナースは休業。


学校を卒業してからすぐに働き出して5年。

稼いでも使う時間も余裕もなく、結構小金持ちな私は、さらに退職金も出たことだし、この際一度自分をリセットしようと思い、以前から趣味で習っていたアロマセラピーを本格的に習得し、アロマセラピストと言う称号をゲットした。

今は月に一度、開業している友達の産婦人科で「アロマサービス」なる、マッサージや芳香浴なんかの施術をするバイトをやっている。




「今日もありがとねー美華。」

友達の、奈々子が言った。


奈々子は看護学校時代からの友達で、卒業後も同じ病院に勤務してたのだけど、2年ほど前にこの産婦人科を開業している旦那様と結婚して、今はこちらのスタッフとして働いている。院長夫人兼師長さん。今時珍しい部類に入る黒髪サラサラヘアの別嬪さん。愛らしい大きな目をくりくりとよく動かす。彼女の笑顔は患者さんの癒しだったなぁ。

「いえいえ~。今日もいろんな人とお話しできて楽しかったよ~!」

足にむくみが出てきた人にリンパマッサージとか、ちょっと精神的に不安定になりがちな人に芳香浴をしてみたり、赤ちゃんにベビーマッサージをしたり。

あっという間の一日だ。すごい充実感。

「みなさんに喜んでもらえてるのよ、この企画。どお?月一とは言わず、隔週とか週一とかにしてみない?」

奈々子がうれしい提案をしてくれる。

「わぁ、いいの?」

「これでまた評判が上がるってもんじゃないの!うふふふふ。」

最後の笑い、ちょっと黒いですよ、オクサン。

「奈々子、怖いよ。まあ、でも月一じゃ施術できない人も出てきてるから、時間が増えるとありがたいね。」

私は素直な感想を言う。

「でしょ!ダーリンも乗り気だし、お給料もちゃんと出すわよ。」

「いや~ん!美味しい話ぃ!」

あはははは!と笑いあう。


前の職場は救急ということで、ほんとにめまぐるしいところだった。

充実感はすっごいあったけど、振り返れば忙しすぎて何も思い出せないのが現実。

私は155cmと小柄な方だけど、これでも学生時代は運動部に所属していたから体力には自信あったんだけどなぁ。それ以上にハードな仕事だったんだな、って今になって思う。

何にしても、自分が先にへばっちゃだめでしょう。

というわけで、自分にも心の癒しを求めていたので、趣味のアロマセラピーにのめり込んだのだ。

ついでに漢方薬とか東洋医学とか、癒しにつながるものなら何でもせっせと求めた。

するとある意味、1年で薬草ヲタになっていた。ハーブから漢方まで。


で、そのヲタ知識が活かせる仕事がしたいなぁと思ってたところに、奈々子からの「アロマサービス」の打診が来た。

まだ企画の段階だから、ちょっと試験的にやってみようということで3か月前から始めた。

それが意外と好評で。しかも自分も癒される!

私が施術したことで癒された患者さんを見ると、こっちも癒される。

充実感も以前のとは質が違う。

うーん、これが天職なのかもしれないっ!

頑張るぞ!!



そう思えた矢先の出来事が、水たまり入水事件だった。


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