朝日
目覚まし時計が鳴るよりも早く目が覚める
まだ眠気の残る頭を抱えたまま視線を上げると
オレンジ一色で塗り潰された部屋が目に映った
一瞬
部屋の明かりを消し忘れたのかと疑う
閉め損ねたカーテンの合わせ目から差し込んだ朝日が
視界いっぱいに広がっているのだった
触れそうなほどクッキリとしたオレンジ色の
壁 床 机 本棚 扉 天井
右手を肩の高さに持ち上げて伸ばすと
目の前の手の甲までがオレンジに染まった
大きな欠伸をひとつして眠い目を擦る
再び目を開けたときには普段通りの部屋に戻っていた
(了)
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